プロローグ
「なあ、この前のサッカー試合で、又、チョンどもが『独島は我らのもの!』って騒いだらしいぜ」
車を運転する青年が言う。
「ああ、そうだってな。 ったく、日本もだらしねぇよな。あんな奴らに好き勝手されるなんてよ。
ここは一発ガツンとやるべきなんだよ!」
助手席に座る青年もこれに応える。
「そうそう、さっさと自衛隊を竹島に派遣して決着をつけるべき。
どうせ奴らは口先だけ。すごすごと逃げ出すに決まっているんだから」
この後、中国は沖縄を乗っ取るつもりだとか、ロシアは北方領土を早く返せ!といった話題になり、
それらを一切報道しないばかりか、賛美するばかりの某国営放送や、お台場テレビといったマスコミを
愚痴りまくり、最後は「日本の周りって、なんでこんな問題ある国ばかりなんだ!」と帰結するのが、
この二人の常だった。
一応、二人の青年の名前を記しておこう。
不知火将緋斗、ならびに衛仁隈独司という。
どこぞの暴走族かと思う様な厨二病ビンビンの名前だが、一時的なものなので覚える必要は無い。
作者の私としても変換するのが面倒だしw
彼ら二人は所謂軍事マニア(ミリタリーヲタク/ミリヲタ)であった。
しかし、一口に軍事マニアといっても、将緋斗の方は「鉄の城、連合艦隊!」を信条に、
ウォーターラインシリーズを集めまくる、日本、中でも大日本帝国海軍贔屓なのに対し、
片や独司の方は「独逸の技術は世界一ぃぃぃぃぃぃぃぃ!」とばかりに、ドイツ贔屓の違いがあった。
そんな二人の前を、いきなり大型トレーラーが横切ろうとした。
気付いた将緋斗は、慌てて急ブレーキを掛ける。
キュィィィィィィィィィィィィィィィィン!
タイヤが路面と激しく擦れ、黒色の轍を作る。続いて起こる破壊音。
将緋斗と独司、二人の意識は白くフェードアウトした。
突然に思うところがあって書き始めてみました。
「時空の波涛」の合間に気楽に書いていこうと思います。
同作より遥かにハチャメチャな内容になります。
ですから、読まれる方も気楽に読んでいただければ幸いです。