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狼王、都市に潜む:鉄拳で花を守り、商業帝国を築く  作者: 転生下書き人


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柚緒の涙で止まる!佐藤グループの裏の顔

橘柚緒は黒いスカーフスカートを着て、黒いジャケットの下の腰はしっかりと握れるくらい細かった。実は青野蒼斗は、柚緒の腰にぽっちりした肉があることを知っていた —— それは青野が一番好きなタイプだ。

青野は柚緒を見つめ、思わず唾液を飲み込んだ。今、夢中で想像していた光景がすぐそばにあり、心は跃り出して熱くなってきた。これまで无数に幻想した「次のシーン」が近づくにつれ、平時は冷静な青野も微かに震えていた。

が、さらに近づこうとした時、柚緒の目尻にきらきらした涙が浮かんでいるのを見つけた。青野は一瞬愣け、頭上から冷水をかけられたように冷静になった。

「お父さん、お母さん、ごめんなさい…… 不孝です。言うことを聞かなかったから、これは当然です…… 全部俺のせいです」柚緒がつぶやくのを聞いて、青野は柚緒の心の苦しみが分かった。彼女は強がって誇りを守っているが、心の中には脆い一面もあったのだ。

青野はため息をつき、電気ケトルで湯を沸かした。それから洗面器と柚緒のタオルを取り出し、温度を調整して柚緒の顔を拭き、さらに足も洗った。これらを終えると、薄い毛布を掛けて扇風機をつけ、食器や残り物を片付けてから電気を消して退室した。

柚緒の家を出ると、青野は思わず呟いた。「クソ、青野蒼斗、お前はいつも禽獣だったのに、今日なんでヒョウタンを演じてるんだ?こんな良いチャンス、逃したら次はないぞ!」と思いながらも、自分のアパートに帰った。

青野が去った後、ベッドの上の柚緒が目を開けた。彼女は確かに酔っていたが、完全に意識がないわけではなかった —— ただ感情を抑えなくなっただけだ。青野が顔や足を洗ってくれた時のことは、全部心の中で覚えていた。

柚緒の心には温かい流れが湧き上がり、「この若者は本当に特別だ」と思った。

翌日の朝、青野は隣のトイレから音がするのを聞いて、すぐにベッドから跳び起きた。明らかに、柚緒が酔い醒めてシャワーを浴びに来たのだ。猛暑の日にシャワーを浴びないと気持ちが悪いからだ。

青野は急いで壁のゆるんだレンガを取り除き、注意深く中を覗いた。

その後、柚緒が洗面をしている時、青野も洗面器を持って行った。「柚緒姐、おはよう!」青野はにっこり笑い、明るく呼びかけた。

柚緒は青野の笑顔を見て気持ちがよくなり、柔らかく笑って「おはよう」と答えた。「後で送ってあげるよ」青野が言うと、柚緒は一瞬愣けて「それは社長の車でしょ?俺を送るのはよくないでしょう」と迷った。

「社長は人がいいから大丈夫だ。反正道順だし」青野が言うので、柚緒はこれ以上反対しなかった。

柚緒を勤め先の携帯店に送ると、青野の携帯がうるさく鳴り出した。車の中に残る柚緒の香りを吸いながら気持ちよくしていた青野は、だらだらと電話に出ると、花澤桃凛が怒りを抑えた声が聞こえた。「今何時だ?どこにいるんだ?」

青野はナビの時間を見ると、もう 8 時半だった。白川霜雪に 7 時半に迎えに行く約束をしていたことを思い出し、「すぐ行く」と言って電話を切った。

電話の向こうの花澤は、「この野郎、何でこんな傲慢だ」と怒りが込み上がった。

青野が柳風ヴィラに着いたのは午前 9 時だった。団地の外で、白川霜雪と花澤桃凛の二人大美女が顔を曇らせて待っているのを見た。青野は急いで車から降り、喜んでドアを開けて「両位リーダー、どうぞ乗ってください」と言った。

白川と花澤が車に乗ると、青野も運転席に座ってエンジンをかけた。「車の中に女の香りがするね」花澤が疑うように言い、「朝から何してたんだ?」

青野はふふっと笑いながら運転し「桃凛、鼻が良いね、犬みたい」と言った。花澤は鼻が曲がりそうに怒って「お前の鼻が犬みたいだ!お前の家族全員の鼻が犬みたいだ!」と叫んだ。

「はいはい、俺が犬だ、俺が犬だ」青野はへへと笑う。「冗談じゃ逃げられないよ。ちゃんと説明しなさい —— この香りはどこから来た?これは社用車だよ?」花澤は本来意地っ張りではなかったが、朝から 2 時間も待たされたので怒りが収まらなかった。

「ああ、隣の人を勤め先に送ったんだ」青野が答えると、花澤は怒って「マジで?」と叫んだ。「俺の隣の人は可愛いよ、お前より胸が大きい」青野が言うと、花澤は血を吐きそうになった。

その時、白川霜雪が話し始めた。「青野蒼斗、君は男だ。他には要求しないが、最低限の時間観念は持ってほしい」—— 実は白川の言葉は優しかった。「社用車で他人を送ってもいいが、俺の用事を遅らせないで」という意味だった。

青野はすぐに「分かりました、白川社長。できるだけ注意します!もっと笑顔を見せてくださいよ、いつも真面目だと老けやすいですよ」と言った。白川は外を見ながら青野には返事をしなくなった。

青野は話しかけても無視されて微妙な雰囲気になり、黙った。白川と花澤は目を合わせ「青野のプライドを傷つけちゃったのか」と思った。白川が慰めようと口を開けた瞬間、青野が突然小唄を歌い始めた。

「お前の足を触れば……」など、露骨な歌詞だ。白川と花澤は呆れて「この人はどこから来た変人だ?」と思った。若い女二人は耳まで赤くなった。

青野は二人の顔色を見て「両位リーダー、この歌が嫌いですか?他の歌に換えましょうか?」と言った。白川と花澤は同時に「黙れ!」と喝んだ。青野は心の中で笑った —— 若い女二人をからかうのは、意外と面白いものだった。

この時、横須賀市の中央ビル 18 階の豪華なオフィスで、藤堂美波は黒田鉄蔵の腕の中に寄りかかっていた。

藤堂美波は一体誰だ?表向きはサトウグループの社長だが、実はサトウグループ会長・佐藤慶介の愛人だ。サトウグループは横須賀で有名な企業で、様々な業種に進出していた。だが外の人は知らないが、佐藤慶介は横須賀の「裏社会の王」と密接な関係があった。

これが、多くの企業が佐藤慶介と対立しない大きな理由だった。佐藤慶介が黒田鉄蔵に警備会社を設立させたのは、実は自分の武装力として使うためだった。

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