久保三大绝杀襲来~拘留所での壮絶死闘
霧島静は頷いた。
白川霜雪と花澤桃凛も一緒に行くと言った。
この 4 人の美女が警察署に現れると、警察官たちはみな呆れてしまった —— 青野蒼斗このチンピラがどうしてこんなに魅力があり、これだけ多くの美女に心を引かれてもらえるんだ?
今回青野に会うのは並大抵の難しさはなかった —— それも白川霜雪の関係があるからだ。
青野に会うと、橘柚緒はまず目を紅くして「ごめんなさい」と言った。
橘柚緒は当然自責していた —— このすべては自分のせいだと思っていた。青野は橘柚緒が泣くのを見ると、すぐににっこり笑って「柚緒姐、これは君とは無関係だ。もし近藤狭香のことがなくても、久保影尊は他の方法で俺に手を出すだろう」
橘柚緒は涙を拭いながら「どうやったら助けられるの?」と問った。
青野はふふっと笑って「ちゃんと体を大事にすればいい。すぐに出られるから」
彼は轻松そうに言ったが、誰も信じていなかった。
花澤桃凛と白川霜雪も密かに涙を拭いていた。
それに対し、霧島静は非常に冷静だった。「どうやって助ければいい?言って」
青野は微微一笑んで「しず姐、やはり君は俺を理解してくれる。ただ一つ電話をかけてくれればいい。あの人に俺の状況を伝えて」
「電話番号は?」霧島静が問った。
青野が言う。「手を伸ばして」
ここに監視カメラがあることを知っていたから、番号を口に出すわけにはいかなかった。霧島静もこのことを理解し、すぐに手を伸ばした。
青野は霧島静の手の上に番号を書き、霧島静は心に覚え込ませた後、「これで本当に大丈夫?」と問った。
青野が言う。「俺には分寸がある」この時の彼は泰然自若だった —— 彼はこうだ、越しに危険な状況であればあるほど、冷静になれる。
霧島静は頷いて「今からやる」と言って立ち上がり、退室する準備をした。
彼女は青野蒼斗が謎に包まれた人物だと知っていた —— 自分には看透できない。
青野はまた橘柚緒に「柚緒姐、ここに正義心のある美女隊長がいる。信頼できる人だ。今は俺を非常に嫌っているんだ —— 大概俺が近藤狭香を殴ったことで、本物の男じゃないと思っているから。当日近藤狭香を殴った経緯と理由を彼女に説明してくれ。彼女の態度が変われば、俺にとって大きな助けになる」
橘柚緒はすぐに「わかった!」と答えた。
その場で、花澤桃凛たちはまた北条真緒を找うために向かった。
北条真緒はこの日一日中忙しかった —— まず横須賀中央商店街の携帯店に行って当日の状況を調べ、その後近藤狭香の家に行き、最後に警察署に戻ってきた。
警察署に戻ったのは、もう夜 7 時だった。
一筋の三日月が空に上っていた。
北条真緒がまだ腰を下ろせないうちに、下の巡查が報告に来た —— 橘柚緒たち美女たちが彼女に会いたいと言うという。もちろん、霧島静は既に去っていた —— 青野の指示を実行する必要があったから。
北条真緒はすぐに橘柚緒たち 3 人に会った。3 人の話から、北条真緒は事の大筋を理解した。
彼女は元々近藤狭香の人柄についてもある程度知っていたので、青野に対する悪感も薄れた。さらに橘柚緒の説明もあり、一層信じるようになった。
夜 9 時、白川霜雪、花澤桃凛、橘柚緒の 3 人は警察署を離れた。
北条真緒は再び取り調べ室で青野を呼び出した。
一日中忙しかった北条真緒だが、精神は依然として旺盛で、仕事ぶりは一糸乱れなかった。天気が暑いため、髪に汗がついて美しい頬に張り付いており、颯爽とした雰囲気の中に、ほんのり妖艶さが加わっていた。
さらに珍しいのは、彼女の体から言葉で表せない香りが漂っていたことだ。
青野の視線は北条真緒の胸の上を行ったり来たりして —— この美女ちゃんは本当に人間の極品美女だと思った。
どんな男が幸運で彼女のベッドにいられるんだろう?
北条真緒は青野の浮薄な視線に気づき、すぐに咳をして「真面目にしなさい」と言った。
青野はすぐに正座した —— この時は意外と言う通りにした。
北条真緒が青野を見て「事の大筋は理解した。久保影尊は到底どんな人?この件は彼がやったって言うんだ?近藤狭香も彼が殺したの?」
青野は頷いて「そうだ。久保影尊は少林の在家門人で、今は大阪市の久保グループの社長だ。調べれば分かる —— 大概明星企業家としても知られているだろう。事の起因は……」
その場で、青野は黒田鉄蔵が白川霜雪の会社を乗っ取ろうとしたことから話し始めた。もちろん、寺内堅心のことは言わず、ただ「手伝いに来た弟子を打ち負かした」とだけ話した。それで少林弟子の面目を失ったため、久保影尊が面目を取り返そうとしていると説明した。
「ただ面目を取り返すために、無実の人を殺すんだ?」北条真緒は信じられないように言い、その後「証拠は?」
青野が言う。「証拠?こんなことに証拠があるわけがないだろ?」
北条真緒は不機嫌そうに顔色を変えて「そういうと、全部君の推測だけじゃない?これでは助けられない」
青野は鼻を掻いて「今すぐ近藤狭香の家に行って見て。賭けてもいい —— 近藤狭香の遺体は既に火葬されているはずだ。一つも痕跡は見つからない」
北条真緒は顔色を少し変えて「近藤狭香の遺体は現在重点的に保護されている。火葬されるわけがない」
「彼女の遺体はどこに?」青野が問った。
「病院の霊安室に」北条真緒が答えた。
青野がだるそうに言う。「今行って見ることを勧める」
北条真緒はすぐに立ち上がり、青野も一緒に立ち上がった。突然北条真緒の後ろに回り込み、肩を叩いて「俺はもう拘置所に閉じ込められているんだ。手錠を外してくれない?」
北条真緒は青野を見て、その後直接「いいえ」と言った。
言い終えると、退室した。
青野の口角に玩味深い笑みが浮かんだ —— 彼はすでに素早く北条真緒の腰についている拳銃を盗み取り、脇の下に隠したからだ。隠し方は巧みだった —— 国外での生活で、拳銃を隠すのは一つの大きな学問だった。
この电光石火の瞬間、取り調べ室の監視カメラでも青野の動作を捉えることはできなかった。
悪を憎む北条真緒は既にこの件が単純ではないことに気づいていた。様々な手がかりから、近藤狭香の死は非常に不思議だと感じていた。実は今回、久保影尊も思いがけなかった —— 警察の中に北条真緒这样的人物がいるとは。
北条真緒の性格は本来、組織の中で生き残れるタイプではなかった。異端だからだ。が致命的なのは、北条真緒の背景が深いことだ —— だから今でも大丈夫だ。
いわゆる「弱い者は環境に適応し、強い者は環境を変える」という道理がここにはある。
北条真緒が警察署の中庭に出ると、霊安室に張り付いている巡查に電話をかけようとした。がその時、電話が先に鳴った。かけてきたのは、ちょうど霊安室にいる巡查だった。「秦隊長、韓さんの家族が無理やり近藤狭香の遺体を連れ去りました。早く埋葬して安らかに眠らせたいと言っています」
北条真緒は驚いて、他のことは一切顧みずに「急いで止めなさい!絶対に火葬させないで」と言った。
巡查が「はい!」と答えると、北条真緒はすぐに電話を切り、警察車を運転して霊柩安置所に向かった。
夜 10 時。
南区警察署は一片の静けさだった —— この静けさはいつもと変わらなかった。青野は拘置室で退屈に待っていた。
拘置室の中にはベッド一つ、便器一つだけで、非常に簡素だ。
蛍光灯の光は無機質で冷たかった。
青野には少しも眠気がなかった。
その時、突然明かりが消えた。
正確には南区全体で停電になったのだ —— 一瞬の間に、南区のこの一帯にある全ての高層ビル、商業ビルなどが、死んだような暗闇に巻き込まれた。
南区警察署も暗闇に沈んだ。
拘置室の中で、青野の眼中に寒さが閃いた。久保影尊が再び手を出したことを知っていた。
彼は既に久保影尊の次の計画を当てていた —— 久保影尊は第一に近藤狭香の遺体を火葬して証拠を消し、第二に殺し屋を派遣して自分を殺すのだ。
自分を殺した後、遺体を外の警察車に乗せて逃げ、最後に警察車が事故を起こして車ごと炎上させる。
こうすれば、「俺が罪を恐れて逃亡し、最後に不幸な事故に遭って自業自得の結末を迎えた」という形になる。
これで一件の事は完璧に解決される。
武術界の人がこの事を知ったら、久保影尊の手口を恐れて後ろめたさを感じるだろう。が一件の事全体で、久保影尊が手を出した痕跡は見つからないので、誰も文句を言えない。ただ到底何が起こったのか、誰もが心の中ではよく知っているだろう。
久保影尊のこの一計は非常に高明だった。
実のところ、青野はこのすべてを当てていた。久保影尊の手下には「四大绝杀」がいて、四人は全部エースの殺し屋だ。今回は第一の绝杀・森傲が国外で任務を遂行していたため、久保影尊は残りの三大绝杀を派遣して青野を殺そうとした。
久保影尊が一気に三大绝杀を派遣するということは、青野を十分に重視していると言えるだろう。
三大绝杀とは、それぞれ剣殺・青蓮、重拳绝杀・雷暴、追風绝杀・武田東だ。
青蓮は青野の手下敗将だが、その実力は疑う余地がなかった。が彼女の青鋒剣は損壊していたため、今回の作戦では青蓮が南区の電力供給所を破壊する役割を担った。彼女の目標は南区全体で 1 分間停電させることだ。
1 分後には、南区の非常用電源が起動する。
今、電気が消えたことは、青蓮が成功したことを証明していた。
他の二大绝杀である雷暴と武田東は、それぞれ異なる特性を持っていた。
雷暴は 40 歳で、若い頃は東南アジア一帯の暗闘の王だった —— 拳の力は猛々しく、殺気が天を衝いていた。後に久保影尊に引き抜かれた。雷暴は元々牛力瘋魔拳を練習していたが、後に久保影尊から少林正統の大力度金剛拳を指導され、これらを融合させた後、雷暴の拳は恐ろしいほど猛々しくなった。彼の一撃で象も倒せるし、10 秒間に 236 回も蹴りを打てる。
一方の武田東は陰柔な性格で、峨眉山追風刺を手にすると殺人が形を留めない。彼は雷暴と組むことで剛柔を併せ持ち、数え切れないほどの高手を殺してきた。
これが久保影尊が二人を同時に派遣して青野を殺そうとした理由だ。
青野蒼斗の腕前については、久保影尊は既に調査して把握していた。今回は、青野が绝对に死ななければならないと確信していた。
南区警察署で停電になった瞬間、雷暴と武田東は幽霊のように速く拘置室に向かって襲いかかった。
彼らにはたった 1 分間の時間があった。
1 分間は普通人にとって非常に短いが、高手にとっては多くのことができる。二人は拘置室に突っ込み、10 秒以内に青野を殺し、その後青野の遺体を連れて逃げるつもりだった。
青野も高手だが、二人が 10 秒以内に青野を殺すというのは、大げさなことではなかった。
高手同士の格闘は、勝敗が刹那の間に決まる。
決して武侠小説やドラマのように、三日三晩も戦うわけではない。
二人は瞬く間に拘置室のドアの前に来て、雷暴が一足でドアを蹴り破った。
ドンと音を立て、ドアはひび割れて青野に向かって激しくぶつかってきた —— まるで小型戦車のように、爆裂するような風圧を伴って。
青野は体を左に一闪かせ、ドアの攻撃を避けた。
その同時に、雷暴と武田東は青野をロックした。雷暴は鼻哼みをして、体を狂牛のように突っ込んだ。拳は鉢のように大きく、錐のような厳しい風圧を巻き起こし —— まるで毒龍が雲霧から飛び出すように、稲妻のように青野の喉に打ち込もうとした。
その速さは限界まで達していた。
一方の武田東はさらに直接的だ —— 峨眉山追風刺が寒さを放ち、幽霊のように青野の両目に刺し込もうとした。
二人の攻撃は青野の全ての逃げ道を締め付けた。
一撃で必杀すという構えだ!
このような包囲攻撃は千錘百錬されたもので、绝对に誰も解きほぐせないし、避けることもできない。
剛と柔が併せられ、猛々しさと陰柔さが融合していた。
二人は長年一緒に戦ってきたため、一撃で青野を殺すという絶対的な自信があった。




