寺内静修 VS 霧島の提言!青野、中古車で柚緒を守る
寺内堅心は頷いて言った。「よし、三位の大師が来てくれれば十分だ。この三日間、俺は香を焚き浴を浴びて静粛に修行する。誰も邪魔しないように」
黒田鉄蔵が言う。「はい、師兄。でも師兄、青野蒼斗に対して必胜の把握はありますか?」
寺内が答える。「青野蒼斗は绝对的な強敵だ。俺との決闘は、時の運や場所、人の和にかかっている。今のところ勝敗は五分五分だ」
黒田は顔色を変えた —— 青野がこんなに強いとは思ってもいなかった。
「退いて」寺内が続けて言うと、黒田は藤堂美波に精進料理を置かせ、二人は恭敬に退室した。
今回、黒田は寺内を騙して来たが、寺内が到着するとすぐに実情を話した —— ただ完全に正直ではなく、「青野に脅され侮辱された」と話した。
寺内は既に来たことだから、黒田のために出頭することにした。どんなに黒田を看不惯でも、二人は師弟関係だ。師弟同士はお互いに助け合うものだ。
戦友、同級生、師弟 —— こうした絆は外部の人には理解できない。肝心な時に公私をはっきりさせるわけにはいかない。自分の人は当然守るのだ。
青野蒼斗はまずトイレでシャワーを浴び、その後大パンツと白い T シャツに着替えて寝る準備をした。着ているのは数十円の露天商の商品で、全く自分の容姿を気にしていなかった。
それも理解できる —— 青野は「かっこよく着て美女を追いかける」つもりはなく、他人の目も気にしない。だから好きなように着て、気持ちよければそれでいいのだ。
青野が寝ようとした時、外から小さなブレーキの音が聞こえた。青野は起き上がった —— 誰かが自分を探しに来たと直感した。
すぐにノックの音がした。青野は「誰だろ」と思いながらドアを開けると、霧島静の声が聞こえた。「青野蒼斗、俺だ」
間違いなく、霧島は青野を調べ上げていて、その行動を把握していた。青野は「この女、何しに来たんだ?」と思いながらドアを開けた。
ドアを開けると、気品あふれる霧島静が立っていた。白いスウェットにポニーテールの髪型で、さっぱりとした雰囲気だ。青野の視線は思わず彼女の豊かな胸に移った —— 白いスウェットの下でも、そのラインは印象的だった。
霧島は眉を寄せて言った。「君がどんな人か知ってるから、その猪のような目つきを收めなさい」
青野は照れて、ずばり言った。「こんな時間に何しに来た?俺たち、そんなに親しくないだろ」
「話がある」霧島が言う。
「恋愛話なら興味があるけど」青野が答える。
霧島は无奈で「車に乗れ。ビールを奢る」と言った。
「時間が遅いから行きたくない。酔って俺に手を出されたらどうしよう」青野が言う。
霧島は青野の拒絶感を感じ、「この人は自分を知られるのを嫌う」と悟った。そこで言った。「君の決闘相手は寺内堅心だ。黒田鉄蔵や寺内堅心のことを多く知らないと、今後無限のトラブルに巻き込まれるよ」
青野は一瞬考えた後、「いいよ。行く」と答えた。
霧島が運転してきたのはポルシュだ。車の前でキーを青野に渡して「君が運転しなさい」と言った。青野はキーを受け取って頷き、二人が乗車すると、慣れた手つきで車を発進させて速く走った。
「何か見抜いた?」青野が突然言った。—— 霧島が自分に運転させる意図を知っていた。彼女は自分の素性を探ろうとしていた。
「車の運転が上手だね」霧島がにっこり笑って言った。
青野が言う。「俺が以前何をしていたか考えるのはやめなさい。言ってもいいけど、以前は傭兵だった。金をもらって仕事をしていた」
霧島が言う。「君の腕前なら、傭兵の中で無名ではいられないだろ。話してみな。聞いたことがあるかもしれない」
青野はふふっと笑って「俺は君に何も聞いてないだろ。君のこの習慣は悪いよ」
霧島は青野が話したがらないことに気づき、もう問わなかった。
青野は霧島を海沿いのバー街に連れてきた。二人は適当にバーに入った —— これはライブバーで、ヘビーメタルの音が激しく鳴り、男女がダンスフロアで魔物のように踊っていた。
青野は血が湧いて入っていきたかったが、霧島がいるので照れて遠巻きだった。二人は角落の席に座り、霧島は「ブリザードカクテル」を注文し、青野は氷ビールを頼んだ。
青野の視線は他の美女たちに行ったり、キスマークを送ったりしたが、着ている服が悪いのか誰も気づかなかった。
すぐに酒が運ばれると、霧島が「乾杯しよう」と言った。青野はカップを掲げた。
その後、霧島が言う。「知ってる?寺内堅心は最近香を焚き浴を浴びている。君との決闘を非常に重視しているよ。でも君はあまり気にしていないみたい。必胜の把握があるの?」
青野は大きく一口ビールを飲み、にっこり笑って「俺は負けたことがない。信じる?」
霧島は苦笑いして「信じる」と答え、続けて「でも寺内堅心の実力は本当に強い。少林の在家門人で恒輩の中で一番優れた弟子だ」
青野が言う。「黒田鉄蔵が少林と関係があるのは見抜いていたが、在家門人だとは思わなかった。今の少林は上場準備をしているじゃないか?こんな在家門人をちゃんと管理しないの?」
霧島は淡淡に笑って「少林は資質が良く、家庭背景の良い人を在家門人として受け入れている。これは少林の人脈で、一種の手口だ。これらの在家門人は既に規模を形成している。たとえ寺内堅心に勝ったとしても、他の人が君にトラブルを持ちかけてくるだろう」
青野は頭が痛くなるように言った。「寺内堅心は一番優れた弟子だろ?俺がこいつを打ち負かせば、他の人は何ができるんだ?」
霧島が言う。「間違ってる。寺内堅心が恒輩で一番優れていると言っただけだ。恒輩の上には延輩があり、延輩の上には永輩がいる」
「クソっ!」青野が思わず罵った。永輩は簡単な存在ではない —— 今の住職の釈永信も永輩だ。
青野は罵っても頭は冷静だった。一瞬考えた後、「この件は俺が主动的に惹いたわけじゃない。寺内堅心が俺に挑んできたから戦わなければならない。少林の在家門人がどんなに強くても、来たら俺は刀を抜く。今後もし理不尽に振る舞うなら、俺の手口を見せてやる」
霧島がにっこり笑って「これを言うのは、少林を侮らないように警告したかっただけ。君一人の力では彼らに抗えない。三日後の決闘で、寺内堅心は多くの公证人を呼んでくる。これらの公证人は武術界で有名な大師だ。決闘前に話をはっきりさせよう —— 勝敗や生死にかかわらず、その後少林弟子からの挑戦を受けないし、少林弟子も君に復讐してはいけない。少林弟子は信誉を重んじるから、これは通用する」
青野の目が輝いた。寺内堅心たちは少林の在家門人で、少林の看板を掲げているから信誉を重んじるはずだ。これは確かに有効だ。
「なぜ?」青野が霧島を見て言う。「なぜ俺を助けるんだ?」
霧島が淡淡に笑って「俺は商人だ。商人が両方に気遣うのは普通だろ?」
青野が言う。「でもこれは得ではない取引だ。俺が寺内堅心に勝ったら、少林の在家門人たちは悔しさを募らせる。みんな俺を恨むだろ。君が俺に近づけば、彼らは君も恨むよ」
霧島が真面目に言う。「特に理由はない。金は俺にとっては外的なものだ。君が面白いから、それだけ」
青野が主动的にカップを掲げて「乾杯!」と言った。
酒を飲み終えると、青野は霧島と別れた。帰る前に、霧島を呆れさせることをした。「君がビールを奢るって言ったから、会計は君がやるよ」
霧島は苦笑いした。
青野はバーを出てタクシーに乗って家に帰った。翌日の朝、青野は車がないので橘柚緒を送ることができなかった。この時点で花映社に車を取りに行くのは厚かましいと思い、決闘が終わるまで花映社には行かないことにした。
が、車がなくても青野は主动的に橘柚緒を送ることを申し出た。バスに乗って一緒に行くのだ。混雑したバスの中で、青野は橘柚緒をしっかり守った。もちろん、橘柚緒に迷惑をかけることはなかった。
こんな「花の用心棒」がいれば、誰も痴漢行為をする勇気がなかった。
橘柚緒を携帯店まで送ると、青野が言った。「柚緒姐、夕方迎えに来るね」
橘柚緒は一瞬愣けた後、頬が少し赤くなり、何も言わずに黙って同意した。青野は嬉しくなった —— 自分と橘柚緒の関係が一歩進んだことを知った。
が、車がないのは不便だった。青野はすぐに中古車市場に行き、160 万円で比較的新しいシャリーを買った。160 万円にはナンバープレートの移動手続きなども含まれ、すべて処理が終わった。この金はもちろん白川霜雪が渡したキャッシュカードからのものだ。青野はこの金を心安理得に使った —— 自分の労働所得だから。
これらのことを終えると、青野はシャリーでドライブした。BMW ほど速くはないが、自分の車だから気持ちよかった。
その後、青野は新しい調理器具とたくさんの食材を買った。食材の準備をしたり、料理の準備をしたりして、夕方 5 時にはすべて終えた。野菜は切ってあり、ご飯も炊いてあった。さらに小型冷蔵庫も買った。
この人は本当に金の使い手だ ——200 万円はすぐに少なくなり、使う時には全然心疼しなかった。
すべてを終えると、青野は自分のシャリーで橘柚緒を迎えに行った。橘柚緒は退社後青野が車を運転してきたのを見て驚いて「この車は?」と問った。
青野はにっこり笑って「柚緒姐、中古車市場で買ったんだ。これからこれが俺たちの車だ」




