表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Lost19 ブレイダス防衛戦  作者: JHST
第四章 ブレイダス防衛戦
51/100

⑦到着

――――――――――


 最も目の利くカエデが腕を伸ばし、指を前へと向けた。

「兄貴! 街から煙が!」

 飛龍に乗って二日目。間もなくブレイダスの街に着く矢先に、タイサ達は想像していた中で最も最悪な状況を目にする。

「既に始まっていたか………」

 タイサの顔にしわが集まった。

 数十秒もすると、全員が街から何本も上がる煙を何本も見る事が出来た。


「おいおいおい! こいつぁ、もう蛮族の仕業というより戦争っすよ、隊長!」

「どうしますか!? 隊長!」

 ボーマとエコーが風の音に負けないよう、大きさな声を投げかける。


「カエデ! 煙の他に何か見えるか!?」

 タイサも声を張り上げた。

「えぇっと! 街の上で何かが飛んでる! 他には………あ、街の南にある森で何かがいっぱいいる気がする! 多分街の上で飛んでいるのと同じ奴らだよ!」

「多分、バードマンです! お師匠様が言ってました!」

 カエデの報告に、イリーナがタイサの背中から答える。

「例の空からゴブリンを降らせたってやつかっ!」

 ただでさえ厄介な上に、放置も出来ない。タイサは再び妹に顔を向けた。

「カエデ、お前はそのまま上空から奴らを狙えるか!?」

「多分出来るよ! トリーゼさんから貰った武器もあるし!」

 カエデが背負っている弓と矢筒を軽く叩く。


 よし、とタイサは覚悟を決めた。

「カエデは飛竜に残って上空からバードマンを撃ち落としてくれ! 俺達は低空飛行から城壁に取り着いて降下、そのまま敵を攪乱させる!」

「隊長! 城壁はどこにしますか!?」「東だ! あそこが一番敵が多い!」

 エコーの問いにタイサが即答する。敵が多い部分に突入し、混乱させる。その後、相手が態勢を整える前に撤退し、生き残っているであろう王国騎士団、又は冒険者ギルドの集団と合流する。タイサは全員に対して、決して無理をするなと最後に付け加えた。


「隊長! あの時の分までしっかり暴れて見せますよ!」

 ボーマは布で覆われている巨大な球体を叩きながら、お先にと飛竜を降下させる。

「行くぞ!」「「了解!」」

 タイサの号令で、残りの飛龍も一気に降下を始めた。

 

 カエデは弓の張り具合を最短で確認すると、背中の矢筒から矢を三本取り出した。そして飛竜の背中に取り付けられているあぶみに足を通し、さらにベルトで足を固定させると、やや前傾姿勢で立ち上がる。

「エコーさん、機を見て飛び降りてください!」

「分かったわ! カエデちゃん、よろしくね!」「はい!」

 カエデは弦に矢を一本かけると、両手を開きながら弓を顔の横へと構えた。トリーゼから貰った矢じりの先端は赤い結晶で作られており、彼女が集中すると当時に赤い結晶が僅かに光り出す。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ