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Lost19 ブレイダス防衛戦  作者: JHST
第二章 最悪の現実
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⑫黒鉄の騎士

「この期に及んで逃げる奴らの壁になるなんざ、いい根性だ。その精神だけは褒めてやるぜ」

 だが、とアモンが左右の鋭い爪を腰の横で広げる。

「悪いが全殺しだ。せいぜい時間を稼いで俺を楽しませてくれよな?」


「ああ、楽しませてやろう」

 声はアモンの背後から聞こえてきた。

 アモンが振り返ると、焦げ茶色の髪をした男が草原から飛び出して来た。男は騎士とは異なる軽装備で、手や足、腰など様々な部分に革ベルトを巻き、そこに刺し込んでいた短剣を指で挟む。

「何とか間に合ったか」

「こいつ、いつの間にっ!?」

 アモンは男が両手で放った二本の短剣を右爪で弾き落とす。さらに、空中で抜いた男の剣撃を両手の爪で何度も弾いた。


 アモンの前に降り立った男は、全ての攻撃を弾かれながらも平然な表情で周囲を確認すると、改めて剣を構え直す。

「成程。お前も猫メイド達と同じ77柱とかいう類の一人か」

「ほぉ、俺達を知っているっていうことは………どこかの生き残りか?」

 騎士か、それとも冒険者か。アモンは首を鳴らしながら、目の前に立つ軽装備の男に名前を名乗らせた。

「銀龍騎士団………団長のデル」

 

 相手の名前を聞いたアモンは、何かを思い出すように一瞬空を見上げると、すぐに視線を戻して大きな口で牙を見せつけるように笑った。

「もしかして、お前か? シドリーの妹を殺ったとかいう黒銀の騎士というのは」

 相手の問いにデルは沈黙する。だが、それを肯定と捉えたアモンは『面白い』と何度も呟きながら両手の爪をぶつけ合った。


「ぶっ殺してやるぜ!」

 アモンが体を低くさせ、地面を蹴る。その瞬間、デルの懐には白と藍色の毛を持つ獣が飛び込んでいた。

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