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第三章「これまでにない感覚」
オレは極度の心配性であり、情に厚い性格。
故にそれが仇となり失敗する事もしばしばある。
その後、彼女とは友達6人のグループとなり
キャンパス内でも気軽に話ができる関係になった。
彼女は容姿端麗で、気さくな性格ゆえ
男女間とわず友人は多い。
しかしながら、ふとした時に彼女はこう言う。
「君と話をしていると、他の誰かと
話をするよりも一番楽しい」と。
正直オレは、彼女が「闘病中」である事実に、
先々どうすればと言う、
いつもの性格で考えながら
それでも彼女が望んでくれるなら
繋がっていたい思いが込み上げてきた。
「闘病中」の意味すら理解せずに。
しかし、これまでのオレなら・・・
逃げていたであろう事から
逃げることも無く、むしろ惹かれている。
沢山話をして、美味しい物を食べて、
遠くへ出かけて。
共有できる時間は限られていても、
共通した何かで共に感動したいと
思うようになった。
意識を失いそうになる暑さの中・・・
何がそうさせるのか。
何が心を動かすのか。
その答えを探す旅が始まる。