052 鈴華の気持ち
片桐鈴華
名家片桐家の令嬢で黒髪ロングの可憐な美少女。
その美貌は圧倒的で学園一の姫にもひけを取らない。
スタイルも抜群で均整の取れた身体は非常に魅力的だ。
やべっ、見惚れてる場合じゃない。
「おい、鈴華! 何を考えてるんだ」
「燐……燐!」
「おわっ!」
鈴華は強く抱きしめてくる。
スタイルの良い肉感が全身に伝わり、長い黒髪が揺れて手に伝わってくる。
姫乃と違い、身長差がそれほどないため結構ボリューム感がある気がする。本気でこられたらちょっと物おじしてしまうかも。
「さすがにこれは。っ!」
鈴華は姫乃が着ているようなセクシーなネグリジェに身を包んでおり、そのスタイルの良さが見事に強調されていた。
片桐の女はどっちもなんてすけべな格好してるんだ。これが平常なのか。
胸の大きさは姫乃ほどではないが世間一般からすれば十分大きい鈴華のそれは俺を惑わすには十分だった。
それを胸に押し付けられてとんでもなく感情を揺さぶられる。
「わたし……何にもできないけど、顔と体だけは褒められるから。燐、お願い」
この状況流れに任せるわけにはいかない。
それにこれ以上うるさくすると姫乃が起きてこちらに来てしまう。家主がいない所でこんなことをしてたらとんでもないことになるだろう。
それだけは避けなければ。
「鈴華落ち着け。なんでそんな自暴自棄みたいになってるんだ」
「自暴自棄じゃないわ。わたしは望んで燐に抱かれに行ったの」
鈴華は覆い被さって体を擦り付けるように揺らす。
「姫乃とは家族なんでしょ。だったらわたしは燐の恋人にして」
「はぁ!?」
「やっぱりわたし……燐のこと好きみたい。燐と共同生活できるって聞いた時、すごく嬉しかったの。自分でもびっくりなくらい燐のこと慕ってる」
「鈴華」
「この学園に来た時不安だったのはほんと。燐がお世話係になってくれたことは嬉しかったし、姫乃と仲直りできたのは燐のおかげ。だから」
鈴華ははらりと肩にかかったネクリジェの紐を外して、上下パープルの下着姿へと姿を変える。
ブラもショーツも綺麗で思わず。
「綺麗だ……」
そんな言葉が出てしまった。
「ほんと? 嬉しい」
はにかみながら言う鈴華がとても可愛いらしくて、俺はその姿に見惚れ、視線を外した先にいた鬼のような顔をした姫乃が視界に入って、もう一度鈴華を見た。
ん?
それに気づいた時、俺は血の気が引いた。
「どうしたの。綺麗って言ってくれるならこのまま……」
「鈴華さん」
「なぁに……あんぎゃっ!」
振り返った鈴華の顔面に姫乃のアイアンクローが突き刺さる。
思った以上の力なのか鈴華は鳴いてわめくが姫乃は意に返さない。
「同居の初日に夜這いとはいい度胸してますね。本当にベランダに犬小屋作ってそこで住まわせましょうか」
「あたたたたたっ、ごめんなさい! あたたたた」
「ほら、スタンドアップ! 部屋に戻りなさい!」
そのまま立ち上がらせて姫乃は十センチ高い鈴華を部屋へと戻した。
その後錘か何かを持ってきて、鈴華の扉に前に置いてしまう。
「ちょ、姫乃! 出られないんだけど」
「うるさい。さっさと寝なさい」
ドンドンと音がするが、姫乃は構わず、俺の部屋へと来る。
そして仁王立ちのまま俺を見下ろしてきた。
「燐くん?」
「は、はい!」
「はぁ……まぁいいです」
怒られるかと思ったけど、姫乃は冷静だった。
「鈴華さんは顔と体だけは魅力的ですからね。燐くんが惑わされるのもわからなくはないです。でも」
姫乃はぎゅっと俺に抱きついてくる。
「燐くんは誰にも譲りたくないです。この家にいる間は……燐くんは私だけ見てればいいんです」
そんな姫乃の言葉に俺は姫乃の金色の髪に触れ、頭を撫でた。
「最初から俺はずっと姫乃しか見てないよ」





