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034 お別れ

「お兄ちゃんやりすぎ」

「はい」

「あと姫乃もなんでその格好で迫ろうとするの」

「えーと」


 夜華は何かに気づいて姫乃のたわわな両胸を掴む。


「ひゃあっ!」

「ブラもつけずに何考えたの?」


 姫乃は後ずさって離れ、胸を押さえていた。

 そういえばハグした時も下着の硬さを感じなかったような気がする。まさか!


「もしかして昨日言ったお兄ちゃんに胸を揉ませたら何でもって言葉を間に受けて」

「い、言わなくていいです! それに燐くんはそんなことしなくても私の大切な家族になってくれましたから」

「何の話?」

「お兄ちゃんが惜しいことした話」


 何だろうか。そう言われるとすごく惜しく感じる。何だったんだろうか気になる。

 後で姫乃を吐かせてみるか? 姫乃をちらっと見てみる。

 すると目が合ってしまった。


「くすぐって吐かせようとしたらちょっと燐くんを嫌いになります」

「何もしません。すみません」


 嫌われるのだけは絶対に嫌なので止めよう。

 

 疲れ果てている姫乃の代わりに朝ごはんは俺が作ってあげることにした。

 汗をかいた姫乃はシャワーを浴び、すっかり着替えるといつもの学園のお姫様に変貌していた。

 今朝、下着姿で乱れ狂っていた姿はもう見えない。こっちの姫乃もやっぱり可愛らしい。


「姫乃って学校でもモテモテじゃない?」

「やばいくらいモテるな」


「ヨルカほどじゃないだろうけどね。ヨルカは十人同時に告白されたことあるし」

「芸能人とは比べてやるなよ。実際、姫乃って芸能人になったら通用するかな」

「ただ可愛いだけじゃやっていけないわよ。ただあの顔と胸でアドバンテージが取れると思うけど」


 夜華も可愛いのもあるが抜群のアイドル性により今の地位にいてる。

 やはり姫乃は今のままで十分だ.


「あ~。ヨルカももうちょっとここにいたい」

「明日はお仕事じゃないんですか?」


「お仕事だけどヨルカだって土日はもっと休みたいよぉ」

「燐くん、夜華さん大丈夫でしょうか」


 ソファで寝そべる夜華に姫乃はオロオロとし始める。

 まぁ夜華は中学生だし、弱音を吐く時だってあるだろう。


「本当に休みたいなら俺からマネージャーに言おうか? 変わってないなら番号は分かるし」

「……」


「どうする?」

「帰る」

「おう、頑張れな。兄ちゃんは夜華の味方だから」


 夜華は強い意志を持って仕事をやっている。プロ意識ってやつだな。

 それがある内は仕事は絶対休まないし、上を目指す努力をする。

 でもまぁ疲れてしまう時があるから……その時は家族として受けいたらいい。


 今回、夜華の来訪で俺も家族と向き合えるようになったんだ。



 ◇◇◇


 有名人の夜華は見つかると面倒なのでしっかり変装して、移動もタクシーを使うことにする。

 さすがに駅まで送りたかったので新幹線の最寄り駅に到着した。

 タクシーに新幹線はグリーン車。仕方ないにしろ湯水のごとく金を使っていくな。

 さすが芸能人。妹じゃななければもっと崇めることができたんだろうか。


 出発時間の合う、西行きの新幹線がホームに到着していた。


「それじゃありがとうね。姫乃、お兄ちゃん」


「はい、夜華さんもお元気で。連絡先ありがとうございます。またメッセージを送りますね」

「変な行動してヨルカだってばれないようにしろよ。今はSNSとか怖いからな。変装はしっかり」


「分かってる。姫乃、お兄ちゃんのこと宜しくね。くそ真面目でむっつりスケベだけど、自慢のお兄ちゃんだから」

「はい。よく知ってます」


 おいおい、泣かせる事言うんじゃない。そしてむっつりスケベは余計だが。


「お兄ちゃんも元気でね。ヨルカと朝くんはお兄ちゃんの味方だから」

「ああ」

「あと最近、御幸お兄ちゃんめちゃくちゃ荒れてるよ。お兄ちゃんと連絡取れない暴れててさ。一番大人げない長男だし気をつけてね」

「……ま、そうだろうな」


 兄貴の凋落は見て分かる。テレビ出演も減ってるし、おそらく学業も上手くいってないだろうな。


「……」


 少し考えこんでると夜華はばっと近づいてきて、俺の頬にちゅっとキスをした。

 その柔らかな唇に驚き、動揺してしまう。


「ちょ、まっ!」

「えへへ……家族だからとーぜん! じゃあね」


 夜華は明るい笑顔で新幹線の中へ入っていった。

 そのまま扉は閉まり新幹線は西に向けて発進していく。


「さすがの燐くんも動揺しましたね」

「動揺してない。家族なんだから……あんなの普通だし!」

「普通なんですね」


 不覚。赤ん坊の頃から面倒を見てる妹に対して動揺してしまうなんて……。

 芸能界に揉まれて大人になってるって所なんだろうか。あと数年も経てば恐ろしい存在になりそうだ。


「夜華さん、来月ライブのチケットを送ってくれるそうです」

「あ、ああ」

「私、ライブなんて行ったことがないので……楽しみです!」


 夜華の来訪は俺だけでなく、姫乃に対しても大きな力になったようだ。

次話は皆さんお待ちかねのお話となります。

さて……次は誰の話やら


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