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033 姫だっていっぱい甘えたい

「燐くん」

「何?」


「私、昨日本当の家族の絆というのは初めて見た気がします。燐くんと夜華さんが羨ましくて嫉妬してしまいました」

「本当に小さい頃から一緒だからな。弟にだってあんな感じだぞ。ま、男同士だからあそこまでベタベタしないけど」


「だから同じことをして欲しいと思いました。昨日の夜は恥ずかしくてお願いできなかったけど……今なら夢心地なのでお願いできそうです」


 姫乃は家族の愛情を求めている。

 最近はそうでもなかったが昨日の夜華とのやりとりで爆発しちゃったのかもしれない。

 姫乃に正面から抱きつかれて身動き取れない状態となっている。


「撫でてくれないんですか」

「……」


 姫乃の金色の髪を撫でてあげる。


「燐くんの撫ではなかなか良きですね」

「昔から小さい子によくしてやったからな」


「私は燐くんと同い年なので小さくないかと」

「男と女じゃどうしても身長差があるから。姫乃が小さいってわけじゃないんぞ」

「むぅ」


 背丈は確かに小さいんだけど、あんまり小ささを感じないんだよな。

 特に今みたいに目線の先に大きなモノがあったりすると特に大きいと感じる。隠れてる時は小さな同級生なのにな。


 しかしこんな所夜華に見られたらめんどくさいことにもなりそうだ。

 早く姫乃を甘やかしてあげて終わらせよう。


「燐くん、肩揉んでください」

「こってるのか? こんな感じでどうだろうか。痛い?」

「気持ちいいです。でも夜華さんと違って疑わないんですね」

「……家事してたら肩がこるのは当然だからな」


 そりゃそれだけ大きいならこってしまうだろう。

 なんてことは言えず若干苦しい言い訳をする。

 だけど姫乃は何だか戸惑ってるように思えた。夜華と違う展開になったからか。


「燐くん、首絞めてもいいですか」

「狂気的だなっ!」


 仕方なしという所か。姫乃が両手をあげて首を絞めてくる。

 もちろん優しく絞めてくるので痛くも痒くもない。その後の展開だが……いいんだろうか。

 姫乃が構ってほしいという意思表示で夜華と同じ流れを辿ってるなら……次はアレだ。

 正直今の状況でもわりとやばいのにこれ以上を進むと我慢できなくなるかもしれない。でも姫乃あの時の夜華と同じように首に触れてきた。

 仕方ない.俺は無防備になっている姫乃の脇腹をむにっと揉む。


「ひゃうっ!?」


 この声が本当にたまらないよな。

 嫌だったらすぐ離れていくのに離れない。手も下ろさないってことは多分間違ってないのだろう。

 姫乃のくびれた脇腹をつついたり、なるべく弱めに刺激を与える。


「くふっ! うううっ! やっぱり我慢できないです……」


 キャミソールだから腋も空いてるんだよな。

 もっと姫乃の余裕のない声が聞きたいのですべすべの両脇に5本の指を差し込み、ほじくるようにくすぐった。


「きゃははは! やぁんっ!」


 これは耐えられないようですぐに腋を閉じてしまう。

 まぁ指は入ってるからぐりぐり刺激は与えられる。


「やめ……やめっ!」

「止めて欲しい?」

「もっとやってぇ。きゃははは! やああっ!」


 体を震わせて笑い声をあげ、、夜華と時とは違う感情が強く呼び動かす。

 楽しくて愛しくてもっと笑わせてあげたい気持ちになる。

 腋を絞めた結果、ガードのゆるくなった脇腹に手をやりと力強めに脇腹を揉んでやった。


「やはははっ! はうっ!」


 そこでいったん止める。

 はぁはぁと息を切らす姫乃に俺は彼女の耳元でつぶやいた。


「姫乃ってくすぐられるの好きだよね」

「っ!」

「別に好きなんかじゃ! ふひひ!」


 もう一度指を動かして悶えさせる。前と違っていつでも逃げられるように拘束は緩めにしている。なのに逃げずに受け続けてるのは姫乃の意思だ。

 一番の弱点で泣き叫ぶくらい苦手なのに俺にされたがってるのは理由がある。しかも結構重ためな理由だ。

 俺が姫乃をくすぐる理由は声が可愛すぎるのとこの美少女の体に指を走らせるのが好きなだけなので求めてくれるならいつでもやってやる。

 逃げないのであればずっとやり続ける。


「きゃははははっ! あはははっ!」


 姫乃は俺の体に沈み込み、ただ笑い続けていた。涙目になりながらもずっと笑い続けている。

 本当は逃げたいのに力が抜けて逃げられないならこれ以上はまずいか? くすぐりもやりすぎは暴力だからな。いったん指を止める。


「はぁ……はぁ……」


 姫乃の体は汗ばみ、深く息をする。相当に疲れてるのに違いない。


「はぁ……けほっ、けほっ!」


 全身が汗ばみ、胸に汗の滴が流れると扇情的ですごく触れたくなる。

 学園一の御姫様のこんなあられもない格好していて襲ってないなんて俺すごくねぇか。

 でも正直、この姫乃の姿に同情心が芽生え始めていた。


「もっとこちょこちょしてぇ」


 姫乃がくすぐって欲しがる理由に思い浮かぶ所がある。昨日の夜華の一件がなければきっとわからなかった。


 それは家族に構ってもらいたい手段なんだろう。

 もう少しだけ笑わせてやった後、姫乃を持ち上げるようにして頭を撫でてあげる。こうしてあげればきっと話しやすい。


「私は……」


 その意図が伝わったのか姫乃の口が開く。


「昔、片桐家本邸の離れで暮らしていた私は基本一人でいて、必要な時は使用人を呼ぶくらいでした」

「前に言ってたもんな。一人で過ごすことが多かったって」


「腫れ物扱いでしたからね。でも本家にたまたま父だけがいて気まぐれだったんでしょうね。私の顔を見にきた時があったんです。私はそれがたまらなく嬉しかった」

「当時、唯一の家族だったか」


 姫乃は人生はきっと俺の想像を超えてるんだと思う。

 いくらお金があったってそんないない者として扱われる人生は嫌だ。


「父にはいっぱい甘えました。構ってほしくて抱きついたり遊んで欲しいとせがんだり……でも本家の義姉の方にはそんなことしないんでしょうね。父は戸惑っていました」

「義姉ってことは姉妹がいるのか」

「正当な片桐の血を引く()()()()()()です。彼女を孕った頃、遊びたくなった父が外国の女に手を出した結果が私ですから」


 重たいことをさも普通にいう。

 俺は姫乃の体を少し強めに抱きしめてあげることしかできない。


「父からすれば私も娘ですから。罪悪感はあったのでしょう。外に出ることは許されなかったので、私との遊びはくすぐられることだったんです」


 か弱い小さい子相手にできることは限られてる。

 普段接してないなら尚更な。姫乃の父も姫乃に対してどう対応していいか分からなかったんだろうな。


「くすぐられてる時は父が私に構ってくれてる証拠だから。私は父にたくさんくすぐられたいと願ってしまったんです」

「それが姫乃が覚えている父との思い出なんだな」


「それから私の所に通っていたことが義母にバレて、父は私の所に現れることが無くなりました。だから燐くんに目一杯くすぐられたおかげでそのことを思い出したんです」

「目一杯って所にいろんな感情を感じる」

「くすぐられるのが思い出って分かっても苦しいものは苦しいです。ここまで弱くなくて良かった。燐くんなんて声を聞きたいだけに容赦ない時ありますし」

「あはは……すみません」


 声だけじゃないんだけどね。悶える君の姿が本当に魅力的だったから。変な性癖の扉を開いてしまった自覚もある。


「みなもの時は嫌なのに燐くんにくすぐられて嬉しくなるのは父を思い出すからなんですね。その声で構われると嬉しくなって体を預けたくなる。やっぱり燐くんは私にとって唯一の家族なんです」

「姫乃」


「だからこれからもいっぱい私を甘やかしてください」

「じゃあさ」


 俺の姫乃の耳元でつぶやいた。


「もっと……こちょこちょしてやろうか?」


 いたずらっぽく聞いてみてやった。姫乃は振り返り、その綺麗な顔を赤く染めて頷いた。


「……。はい。にゃは!? きゃはははははっ! 好きなんですけど……やっぱりぐりぐりされるのきついですっ!」

「ほらほらっ。思い出のこちょこちょでしょ。もっと笑わないと」

「あははは! ち、力が抜けりゅ」


 姫乃が逃げ出そうとするのでマウントを取って上から覆い被さる。馬乗りに乗って体重で逃げられないようにして脇腹をせめる。

 これで姫乃は一切逃げられないない。おへそが見えてるキャミソールに手を突っ込み柔肌を直接くすぐってやった。

 その瞬間、姫乃の口からけたたましい笑い声で暴れ出す。

 はー可愛い。もっと行くところまで……。     


「あ~、うるさいなぁ。……お兄ちゃん何やってんの」

「あっ」


 暴れ回る姫乃をたっぷりくすぐってたら起きてきた夜華に見られてしまう。

 姫乃は今はうつ伏せになっていて、当然際どいキャミソールは着崩れて下着まで見えてる状態だった。


「はぁ……はぁ……、燐くん、これ以上は……らめぇ!」

「姫乃を犯してる!?」


「ちがーう!」


 後で思い返すと案外違わない気がしなくもなかった。

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