030 のんびり夜時間
風呂を終えた二人はほっかほかの状態でリビングに出てきた。
体が火照っているのかすぐにエアコンの前に行き、扇風機もつけて体を冷やす。
「涼しいー」
「気持ちいいですねぇ」
どうやら姫乃も夜華もすっかり打ち解けたようだ。
風呂で険悪になったらどうしようかと思ったけど、本当に良かった。
「お兄ちゃん」
「何?」
「ヨルカは別に下着姿で歩いてた覚えないんだけど」
「……燐くんに騙されました」
「姫乃に家族らしく下着姿で出ましょうと言われたから慌てて止めたわ」
またアレをやろうとしたのか。残念……。いや、姫乃の下着姿を拝みたかったわけじゃないぞ。
「でも夜華は普段からショーツ一丁で歩いてるじゃないか。中学生なってからも」
「上はちゃんと着るようにしてたし」
「何で上は着てたんですか?」
小学生までは上もよく晒していて、母親に怒られていた。
ただ中学生に入ってから上は隠すようになった。その理由はわかっている。
「貧乳なのバレたくなかっただけだろ」
「言うな死ねっ!」
ばきっと思いっきり蹴られてしまう。
だからこそ胸の大きい姫乃が外に出た時は興奮がおさまらなかった。
「それより……二人とも何で俺の服を着てるんだ」
夜華も姫乃も俺のシャーツに身を包んでいた。
「しゃーないじゃん。姫乃のは入らないんだし」
「ですです」
「夜華はいいけど、姫乃は着なくていいだろ!」
「ですです?」
回答になってないが小動物のように小首を傾げるので可愛すぎて許してしまいたい。
なぜか姫乃まで俺のシャツを着ていた。
学校のお姫様が俺のシャツを着ている事実に何だか不思議な高揚感が芽生えてくる。
150センチほどの姫乃がLLのシャツを着てるんだぞ。
「男の子のシャツ……着てみたかったです」
「彼シャツってやつ?」
「この場合は兄シャツでしょうか」
丈が長すぎて、太もも近くまで伸びていた。
袖も肘くらいまであって、ゆるゆるの襟から体を動かすたびに胸の谷間が出来て、すっごく覗き込みたくなる。
「姫乃、胸覗かれてるよ」
「ちょ、燐くん!」
「してないってっ!」
「言ったとおりでしょ。お兄ちゃんおっぱい星人だって」
「何の話してたんだよ!」
「まったくもう!」
姫乃は腕で胸元を隠そうとする。
無防備なせいでつい見てしまうんだよ。まったく……夜華がいるとやりにくいな。
「二人とも、飯出来てるから。さっさと食べよう」
◇◇◇
「あ~、お兄ちゃんのご飯美味しかった」
「お好み焼きも悪くないですねぇ」
俺がよく作ってやった夜華の大好物のお好み焼きを作ってやった。
姫乃もお好み焼きを作ることはあまりないらしく、もの珍しそうに食べていた。
自分で作るのもいいけど、食べにいくのもいいんだよな。
モダン焼きやとん平焼きとか。鉄板の火力で作るとマジで美味い。
近くにも美味しいお好み焼き屋があるから是非とも案内したいなって思う。
「ねぇ姫乃」
「あ、夜華さん。私のこと姫乃お姉ちゃんって呼んでもいいですよ。私、妹が出来るのに憧れていて」
「自分より背が低い姉はいいや」
「生意気なこと言う妹ですね!」
本当に仲良くなったよな。
今もソファに並んでテレビを眺めていた。
ちょうど夜華が出演しているドラマが放送されており、それを見ていた。
「夜華さんはどの役なんですか」
「主人公の妹役。エゴサしても演技が上手いって好評でね。ヨルカ、本当に女優になっちゃおっかなぁ」
実際に夜華は才能に溢れており、歌も上手ければ演技も上手い。
これで中学二年生なんだから先が恐ろしいよな。
「現場では謙虚でいろよ。どんなに上手くてもまだ14歳なんだからな」
「分かってるわよ。そーやって駄目になった人よく見てきたし」
「しかし本当に上手ですね。お兄ちゃんに甘えるシーンとか演技とは思えないくらい」
「そうでしょそうでしょ」
「心の底からブラコンだってことがにじみ出てますね」
「その言い方やめてくんない」
ドラマは終わり、良い時間となった。
まだちょっと寝るには早く、手持ち無沙汰な時間帯だ。
「ねぇお兄ちゃん。プレステ持ってきてるんでしょ。家に無かったし」
「ああ、俺が買ったやつだしな」
まだこの家ではプレイしたことなかったのでに部屋に置きっぱなしだ。
「姫乃、ヨルカとやらない?」
「私、ゲームはほとんどやってなくて……」
「大丈夫。ヨルカが教えてあげるって」
部屋からプレステとコントローラーを持ってきた。
姫乃がプレイするなら家主の許可は必要ないだろう。
さっそく電源を入れる。
「何やる。一通り持ってきてるが」
「と~ぜん!」
実は夜華は意外にゲーマーな面があったりする。
4人兄弟で3人男で女が1人の関係ゆえにどうしても男子好みのゲームをやらせる傾向があった。
俺はFPSとかやるようになっただけど、夜華だけは新しいゲームをやるよりも古いゲームをずっとやりこんでいく傾向にある。
「エクバ!」
このゲームやってる時、口が悪くなるんだよなぁ
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