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新しい生活


王都での新生活が始まった。

大学近くの小さな一軒家で家族は暮らしていた。



(最近、つまらないわ…)


引っ越しをして、暫くの後、エミリーが初等学校に通い始めた。

アーサーも大学での仕事が忙しく、夜遅くに帰ってくることも多かった。


娘のいない日中は酷く暇が出来てしまい、することがないのだ。

友人と話そうにも、何故か新しい街では友人が出来なかった。

そのため、アンヌ御自慢の裁縫を発表する機会もなく、それ自体を彼女は止めてしまったのだ。


それに加えて、アーサーは仕事三昧の日々。酷い時には、休み返上で仕事に出かける時すらある。

田舎で過ごしていた時よりも、ずっと暮らしは楽になったけれど、その分、家族で過ごす時間が極端に減ってしまったのだ。


(前はあんなに家族サービスが旺盛だったのに…

最近じゃあ、寝に帰って来ているだけだわ。朝食もとらずに出勤する時もあるし…これって夫婦って言える?)


アンヌは次第に、ストレスを抱え込み始めた。

それは、ある意味当然の事だった。新しい場所に越してきて、知らない人々に囲まれ、話し相手すらいない。そんな状態が数ヶ月も続いているのだ。鬱にならない方がおかしい。


ストレスのはけ口を買い物をすることで紛らわすようになったのは、とても自然なことであった。


エミリーの学校が休みの日には、毎週のように街でのショッピング。


(田舎町と違って、王都は最新の流行で揃っているわ。オシャレなカフェもあるし。

エミリーも買い物の楽しみに目覚めたみたいで、最近じゃあ、お友達と遊ぶよりもママと一緒にショッピングをする方が楽しいみたい!)


アンヌは気付かなかった。

自分が娘に対して金で釣っている事に。


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