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彼女がついた一つの大きな嘘

よくある話26:出会って毎日LINEをして、四回デートしたけど手も繋いでないし、もちろん泊まっても体の関係を持ってもいない。CHiKAの中でAちゃんは特別だという何かがあって、きちんと付き合う前に手を出してはいけないと思う。それなのに旅行だなんて。もちろん避妊具持っていかないと。備えあれば憂



よくある話27:Aちゃんに欠点はなかった。一緒にいる時は、ほんとにずっと冗談を言い合いよく笑う。仕事中に思い出しても笑ってしまう。たまに夜連絡なくて0時過ぎに「寝てたっ」と言う。誰かと飲んでたのか少し不安になる。それにしても本当に会う時間をすぐ取ってくれる。アポの回数は好感度と指数関



よくある話28:土曜の大阪旅行に向けて水曜に髪を切る。マッシュ卒業。東京駅で何の駅弁を買って新幹線に乗るか、毎日LINEする。朝と夜。出勤前とCHiKAが寝静まった0時半頃。今まで23時には寝てたのに連絡を待って寝るようになる。人の習慣は変われる。居心地の良さも連絡心地の良さもこんなにしっくり



よくある話29:10月20日。土曜。朝4時半起床。待ちに待った大阪旅行。外は暗く、とても寒い。もうすぐ冬が来ると、はっきりと実感する。東京駅の駅弁屋に6時に集合。笑顔でキャリーバッグを引くAちゃんをCHiKAが待ち合わせで初めて、先に見つけた。何かが変わる気がしたし、楽しみで胸いっぱいになって



よくある話30:人で溢れた駅弁屋で一緒に悩み抜いて駅弁を購入。黄金のウニ・カニ合戦。時間に余裕なく慌てて新大阪行きの新幹線を二人で探すもなかなか見つからない。広島行きの新幹線しかない。新大阪行きがない。いや、途中下車じゃん、と二人で気づき笑い転げるも束の間、出発時刻の新幹線まで走っ



よくある話31:新幹線では寝かせてもらえなかった。「寝ちゃダメ!お話するの!」と笑う。本当にあっという間に新大阪に着いた。西九条経由でユニバーサルシティへ向かう。Aちゃんは躊躇したが、荷物はCHiKAが持ってあげた。馴染みのない町に天使と二人でいることで世界は煌々として、出来事すべてが輝



よくある話32:ホテルユニバーサルポートに荷物を預け社会人生活初のUSJ。折り畳み傘はすぐ必要なくなり、ハロウィン仕様の園内を楽しむ。二人でバタービールの量に苦しみ、レストランで遭遇した恐竜に驚き、毎回同じご飯や飲み物を注文し、真似しないでと笑い合う。夜にはゾンビに囲まれ、守ると手を



よくある話33:存分に楽しみUSJを後にする。初めてのツーショットでフォルダがたくさん、埋まった。ホテルへの帰り道、「まだまだこれから」とはしゃぎ合い、フードコートで大阪の象徴、たこ焼きを持ち帰り、コンビニでお酒を買う。並んでビニール袋を持って歩く中ちゃんと言わなきゃいけないと決心す



よくある話34:待って。何?真面目な顔なんかしちゃって!泊まる前にちゃんとしたい。うん。Aちゃんといると何気ない事一つ一つが全て楽しく思えるし、幸せ。うん。好きです。うん。これからずっと一緒にこうやって笑いたいし、大切にしたい、だから、結婚を前提に付き合ってください。はい、お願いし



よくある話35:テレビを見ながらワインで乾杯。部屋は綺麗だった。お風呂上がりのパジャマ姿のAちゃんは、あまりに綺麗すぎた。お尻に張りがあって思わず息を飲む。夜中の2時。ツインベットそれぞれ入った。暫く話して、CHiKAはAちゃんの方に潜りこんだ。また、暫く話した。それから無言になって、キ



よくある話36:初めて重なったあまりの幸福感とともに朝目覚めた。隣にはAちゃんがいて、窓から見える晴れた空が海を撫でる度にキラキラしてた。寝ながら後ろから抱き締めてたら、腰をもぞもぞ動かされ、お互い完全に素面のまま重なりあった。もう他のどんな女とも関係を持つ必要は全くないと自信を持



よくある話37:大阪観光二日目。交際後初めてのデート。やまちゃん本店でたこ焼きを食べる。通は何もつけないとの記事を見て真似するも普通がいい!とタレをつけ笑い合う。天王寺駅のカフェで時間を潰して、ゴンチャの長蛇の列に驚き、近くの静かすぎる串カツ屋でひそひそ話す。付き合うってこんなに楽



よくある話38:帰りの新幹線の時間が近づき、新大阪へ向かう。電車の中でお互いの恋愛価値観を語り合う。CHiKAは傷ついても嘘だけはついて欲しくないから、例え浮気しても許すから、これから全部正直に話してね、と伝える。Aちゃんは暫く考えて、口を開く「ごめんね、今まで1つだけ嘘をついてた事があ



よくある話39:半年前に別れたのは、本当だけど、それまで一年間同棲してた。そして、その家に今も私一人で住み続けてる。ごめんね。でも、もうちゃんとしなきゃと思うから、浦和の実家に帰ろうと思う。」そういつもにもなく真面目なトーンでAちゃんは声を振り絞った。帰りの新幹線はもうすぐそこに迫



よくある話40:以前田端の坂で自転車で転んでお酒が転がっていって大変だった、という話を聞いてドジなのか?と思うと同時に、お酒そんな飲む子だっけ?と疑問だったが、同棲してた事を知り、納得がいった。正直、少しショックだったけど、Aちゃんの事を理解して、もっときちんと知って、もっと好きに



よくある話41:翌日出社。もともと週末に街コンに一緒に行く予定だった稲葉先輩に、キャンセルしたお詫びの意味でお土産を渡す。付き合った事をきちんと報告する。Aちゃんは引き続き大阪に残り、実家の母と京都観光した後、九州に親友Nちゃんと2拍3日して東京に戻ってくる。暫く会えないのがとてもつら



よくある話42:仕事の帰り道、実はAちゃんの父が胆のう結石で昨日から入院していると連絡が入る。心配になると同時に、やっぱり健康が第一だと再認識する。きっと不安なAちゃんに電話したかったけど、母とまだ京都というのでCHiKAは10時には寝た。そういえば、Aちゃんと電話したことは今まで一度もなかっ



よくある話43:その日のランチ、稲葉先輩から色々聞かれる。元カノと夏に同棲解消した経験から「同棲した家に住み続けてるのは元カレと関係断ってないのでは?」「名義人や光熱費支払いは男が負担する事が多いけど切替か?」「半年も二人分の部屋の家賃を二年目のAちゃんが払う?」不安が押し寄せてき



よくある話44:「と、稲葉先輩に言われたんだけど」その日の夜にLINEを打つ。「そうなんだ。そもそも家賃10万も行ってないけどね。まぁ、なんでもいいけど」と珍しくそっけない返事が目に映る。ただ、否定してもらって、安心したかっただけなのに、心が曇る。本当に、普通に完全に断ってると聞きたかっ



よくある話45:名義は変えてない、光熱費はコンビニで支払ってる、家賃は元カレの口座に振り込んでる。滔々と流れる文字に頭の処理が追い付かない。これまで大切に積み上げてきた関係が嫉妬なんかで崩したくない。思わず電話していいか聞くと、うん、との返事。なんと大阪にいるAちゃんと5時間も話すこ



よくある話46:初めての電話開口一番「そんなに疑われてもね。私と稲葉先輩どっちを信じるの?」と、いつもの冗談のトーンは皆無。わかった、と引いて後は四時間他愛もない会話を繰り返してやっぱり楽しい。最後の一時間、改めてこれから嘘はつかないでね、という。Aちゃんは無言になり、やっと口を開



よくある話47:怒らないでね。私が未だ元カレとの家に住んでるって事は、心のどこかで好きとかそういう感情か分からないけど何か思っているかもしれない。でも、今CHiKAの事が本当に好きだと思えるし、この状態じゃダメな気がしてる。本当はちゃんと全部区切りつくまで付き合うべきじゃなかったかもし



よくある話48:10月24日。水曜。寝不足の朝。昨晩の言葉が耳にこびりついて心がざわついてる。全部断つとは、また元カレと会うつもりなのか。会うとしたらきっと同棲してた部屋じゃないか、と。未だ物も残ってるんじゃないか、と。「昨日眠くてあまり覚えてない」Aちゃんから、私は全部覚えてるよ、と



よくある話49:仕事も集中できず、帰宅後就寝前に一時間程電話。いつも通りふざけあい安心した。Aちゃんは明日から、看護師の親友Nちゃんと、日曜まで三泊四日の九州旅行という。宮崎空港現地集合。高千穂峡に、別府、湯布院温泉、糸島に、天神をレンタカーで回るらしい。CHiKAの故郷湯布院に行くらし



よくある話50:翌朝、2日続けて電話して寝不足でつらい。もともと夜型のAちゃんから「ほら!電話すると眠たくなくなる魔法!」と連絡が来ていた。熊本にいるAちゃんに、日曜泊まり行って月曜そのまま出社して良いか連絡すると「うーん、うちに泊まるは後日で!たぶん疲れてるから~!」と。やや落ち込

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