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7日間のクリスマス  作者: 天河 弥月
5/6

5DAY

 炎久斗に想いを伝える為、彼の元へと足を運んだ冬華。ですが、中々冬華の思うようにはいきません。

 翌日、煇と揉め事を起こしてしまいますが、その後、生活指導部の雪国先生と話すと、冬華にも本当のことがわかってくるようです。


☆*☆*☆*☆*


 冬華と別れた後、余りのショックに一人泣き続ける煇に、雪国先生が救いの手を差し伸べます。

 翌日、冬華と喧嘩をしてしまいますが、雪国先生の機転により見事解決。

 ですが、今日も煇は自分の想いが一向に伝えられていないようです。


雪国ゆきぐに 氷汰ひょうた新キャラです!学校内をうろうろしている、謎の若手先生(生活指導の先生兼スクールカウンセラー)よろしくね!

 私は急ぎ足で炎久斗くんの元へと向かうと、炎久斗くんはファッション準備室の中で一人、新しい服の素材選びをしていた。


「炎久斗くん…あの、話たいことがあるんだけど…」


「ん?あ、ああ、冬華か。丁度良かった。今丁度女性モノのクリスマスの衣装の生地選びをしてたんだ。折角だし、冬華はどんな感じのデザインなら嬉しいか聞かせてよ」


「えっ…。私は…暖かくて、可愛い感じのモコモコしたデザインがいいな。ロングコートみたいな」


「そうか、ありがとう」


「あ、あの、それより…私も聞きたいことが…」


「ごめん、忙しいんだ。また後で」


 そう言うと彼はせわしく動き出し、私の話に聞く耳を持たなくなってしまった。

 …仕方ない。

 そして、クリスマスまで残り四日となってしまった。


○*○*○*○*


 昨日あんな風に彼に突き放されたお陰で、今朝は寝不足になってしまった。

 でも考えようによっては、あの作ろうとしていた服は私へのプレゼントかもしれない…。

 もしそうなのであれば、聞きに行っただけ損はしていない…!?

 そう考え直すと自然と眠気も吹き飛び、支度もテキパキと進んだ。

 身支度を整え、家を出ると、そこには煇の姿があった。


「あ、冬華。おはよ。昨日は結局どうなったの?」


「あー…うん。あのね、話、聞いてもらえなかった。なんかまたお洋服作ってて」


「…声、かければ良かったじゃん」


「いやでも…聞く耳持ってなかったから…」


「そんなどうでもいい話じゃないんでしょ?」


「…うん」


 言い返せない…。


「なんでちゃんと気持ち伝えないの?俺言ったよね。後悔しない様にちゃんと伝えろよって。それでもちゃんと言わないのってなんで?冬華の気持ちは、そんな浅いモンだったの?」


「…!うるさい…っ!!」


 私は煇の方を向くと、煇の頬を思いっきりビンタした。

 そして居ても立ってもいられず、学校へと向かって走り出した。

 学校の校門に着くと、生活指導部の雪国先生が驚いた様子で声をかけてきた。


「おいおい!どうした、そんな汗だくになって。まだ時間全然余裕だぞ?」


「時間じゃ…ないです…はぁ…はぁ…」


「なんだ、どうした?…あ」


 すると、雪国先生は突然ハッとした顔をした。


「先生、ちょっと僕、柊とカウンセリング室行くので抜けます。ここ、お願いしますね」


「え?あ、はい」


 カウンセリング室…?なんで…。


「じゃ、柊。行こうか」


「え、なんで、ですか…?」


「いいから。僕に話して欲しいことがあるんだ。色々と、ね」


 そう言うと、雪国先生は私をカウンセリング室へと連れて行った。

 部屋に入り二人きりになると、早速先生は真剣な目つきになって、私に問いかけてきた。


「朝、煇と炎久斗。どっちと話した?」


「…へ?」


「いいから」


「え、煇…」


 私がそう答えた途端に、先生の肩の力はスッと抜けてソファにドカッと座り込んだ。


「あ、柊もどっか適当に座って」


「あ、はい」


 なんなんだ…?

 なんで先生が、私たち三人の関係を知ってるんだ?恵梨香でさえも最近知ったばかりなのに…。

 というより、最近この関係ができたばかりなのに。

 炎久斗くんか、煇が自分から言いふらさない限り、周りの人が知ることはできないはず。

 だって、恵梨香は周りの人に言いふらすようなことは絶対しない人だし、私だって言ってないし。

 話した時だって、周りに人はいなかったし。


「ね、ちょっと柊のこと怒らせるかもしれないこと言っちゃってもいい?」


「…なんですか?」


 わざわざそのことを言う人がいるか?


「煇はさ、炎久斗のことめちゃくちゃ嫌ってるよ」


「…そうですか」


 そうだろうね。

 だって私が好きな人だもん。

 自分が好かれたいのに、別の男が好かれてるって知って、その相手が誰だか分かれば、その相手のこと嫌いになったり嫌厭けんえんしたりするよね。

 そんなの、当たり前だと思う。


「でもね。それは、柊のことが好きすぎて好きすぎて堪らないから、嫌いになっちゃったんだよ?」


「…っ!でも、そんなの先生の思い込み…」


「違うよ、これは煇本人から聞いた話」


「煇が…?」


 そんなこと、煇が?

 じゃあ本当に私の勘違いとかじゃなくて…煇は私のこと好き…?


「柊はどうなの?炎久斗と煇。どっちが大切なの?もし煇じゃないなら、ちゃんと煇にも気持ち伝えてあげなきゃ。煇も苦しいと思うよ」


「…私は…」


 すると、突然カウンセリング室のドアが空いた。


「冬華!」


「えっ!?」


 驚いて振り返ると、そこには煇の姿があった。


「なんで…?」


「さっきここに男子と二人で入ってくとこ見たって一組のヤツから聞いたんだけど…って、ゆきちゃんかよぉ…!なんだぁ…驚かせんなよ…!!」


「その呼び方やめろって…!女子の前で…っ!恥ずかしいだろ…」


「あの、さっきは…偉そうなこと言ってごめん。ただ…冬華は炎久斗のこと、大好きだって気持ちがすごい伝わってきたから…だから、俺の気持ち伝えられないなら…せめて冬華だけでもって思ってたのに…うまくいかないなんて悔しくてさ…」


「そっか…」


「ていうか、なんでゆきちゃんと冬華はここにいんの?」


「あ、さっき色々話してて」


「色々って?」


「お?じゃあ僕はそろそろお暇するかな…ゆっくり二人の時間楽しんで!」


「「あ…」」


 それだけ言うと、先生は部屋を出て行ってしまった。

 それから少し気まずい沈黙が続いた後、一番最初にその沈黙を破ったのは煇だった。


「俺さ。やっぱり、冬華のことは好きだけど、これからも友達でいようと思うんだ。なんか、この関係が今回の炎久斗の件みたいなことをきっかけに崩れるのが嫌だからさ」


「…そっか。わかった。じゃあ、これからも、友達」


「おう。友達!」


 そう言って伸ばした私の手は、どことなく震えていた。





☆*☆*☆*☆*


「…良かったの?煇」


 突然ドアの方から声がすると、そこからは雪国先生こと、ゆきちゃんが立っていた。


「…っるせーよ。先公(センコー、先生)には関係ねーよ…。どーせお前には俺の気持ちわかんねーだろ…」


「ああ。けどね、寄り添うことはできるよ」


「…」


「なんでも聞くよ。僕も偶然通っただけで、全然状況わかってないから…さ?」


 そう言うと、ゆきちゃんはそっと俺の肩に手を置いた。

 その手の温もりから、安心して余計涙が溢れ出してくる。

 いつもゆきちゃんには悲しい時、苦しい時、学校で手を差し出してもらって、助けて欲しい時に助けてくれた。

 そして今も…。


「僕は、いつでも煇の仲間だよ」


 そう。

 ありきたりのこの言葉が、いつも俺を救ってくれる。

 根拠なんて、なくたっていい。

 ただそこにいて話を聞いてくれるだけで、自然と気持ちが晴れてくる。


「俺は…」


 俺はさっきまでここであったことと、冬華に対する気持ち、炎久斗に対する思いを全部、ゆきちゃんに話した。

 すると、ゆきちゃんは意外にも首を捻った。


「うーん…本当に煇はそれでいいの?今の言い回しだとすごい未練タラタラに聞こえるけど」


「え?」


「だって、煇はまだ柊のこと好きなんでしょ?」


「そんなこと…」


 ある、かもしれない…。

 結局冬華がどうなったのかもわかんないで、この思い終わらせる訳にはいかないよな…。


「うん、俺…やっぱりちゃんと冬華に気持ち聞くよ」


○*○*○*○*


 俺は冬華に気持ちを聞くため、朝から冬華の家の前で待っていた。

 そういえば…昨日もこんなことあったような…。


「行ってきまーす!」


「あ、冬華。おはよ。昨日は結局どうなったの?」


「あー…うん。あのね、話、聞いてもらえなかった。なんかまたお洋服作ってて」


 もしかしてそれって、炎久斗は本当は冬華に対して気がない…?


「…声、かければ良かったじゃん」


 そう言うも、冬華は言い訳をしてはぐらかす。

 だったらアイツとちゃんと向き合って、もっとしっかり話し合えばいいのに。

 流されたとしても、そんなどうでもいい話なわけじゃないんだから…。


「冬華の気持ちは、そんな浅いモンだったの?」


「…!うるさい…っ!!」


 冬華は最後のその言葉に敏感に反応すると、一思いに手を振り上げて俺の顔を叩いた。

 そしてそのまま、学校方面へと走り去る。

 …まぁ、当たり前だよな。

 俺、結構最低なこと言っちゃったし…。

 でも冬華…わかってくれ…。

 冬華がはっきりしてくれないと、俺…どうにもこの気持ちのやり場がないんだ…。

 学校に着き、昇降口で靴を履き替えていると、突然嫌な会話が耳に飛び込んできた。


「…そういえばさっき、柊と誰かがカウンセリング室に入ってったんだけどさ、あれなんだったんだろーな」


「さぁ?まー、柊ちゃん純粋だし、犯されちゃったりして??」


「あー!それなーー!!!」


 冬華…!!!!


「おい!!冬華と、誰だ!!!」


「し、知らねーよ…。顔ははっきり見えなかったし…。ただ…三年じゃねーの?あの感じからして…」


「…っ…そうか、冬華…今行くからな…!!」


 冬華、どうか無事でいてくれ…!!

 俺は猛ダッシュで廊下を突っ走り、カウンセリング室のドアを勢いよく開けると、俺の突然の介入に驚いた様子の冬華の姿があった。

 そしてもう一人は…


「さっきここに男子と二人で入ってくとこ見たって一組のヤツから聞いたんだけど…って、ゆきちゃんかよぉ…!なんだぁ…驚かせんなよ…!!」


「その呼び方やめろって…!女子の前で…っ!恥ずかしいだろ…」


 俺は冬華に向き直ると、真正面から自分の気持ちを素直に伝えた。

 けど、それは表向きの気持ちだけ。

 本当の腹の底にある気持ちは伝え切ることはできなかった。


「そっか…」


「ていうか、なんでゆきちゃんと冬華はここにいんの?」


「あ、さっき色々話してて」


「色々って?」


「お?じゃあ僕はそろそろおいとまするかな…ゆっくり二人の時間楽しんで!」


「「あ…」」


 ゆきちゃんが部屋を退出すると、俺と冬華だけの二人っきりの空間となった。

 暫くの沈黙が続く。

 その沈黙に堪えきれず、俺は真っ先に口を開いた。

 けど、その時に口にした言葉は、俺の想いとは裏腹の言葉だった。

 なぜか、いつも冬華を前にするとどうしても本音を言えない…。

 

「…そっか。わかった。じゃあ、これからも、友達」


「おう。友達!」


 そう言った俺の胸は、もう、我慢できないほど苦しかった。

 今回もお読みいただきありがとうございました!

 もうこんな時間だ…!深夜ですね!

 深夜帯に来てくださった方いらっしゃいましたら、ご苦労様です、ありがとうございます!((_ _ *)


 そして今日も新キャラ!雪国氷汰先生!

 実はね、新キャラ…というより、私が作品作ってる時、キャラクターって、一人一人モデルいるんすよ。

 知りたい?…教えない!

 気になる人は、コメントしてね!評価してね!

 待ってまーす!!


 それでは!最後までお読みいただき、本当にありがとうございました!またね!

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