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同居から!?始まる魔法戦争  作者: 月光月軍
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準備の日


 起床。時間はよくわからない。


「ぷにぷに」


 なんだこれ。柔らかい。てか......は?


「またか......」


 アナがいるようだ。暗くてよくわからないが。


「ん......ニクス? 」


 起きたらしい。何を触っているんだ?俺。


「ぷにぷに」


 顔は見えないが、殺気を感じる。


「ニクス! 」


「どうした? 」


「『どうした? 』じゃないわよ! よく平然と言えるわ

 ね」


「え、俺なんかしたか?」


「とぼけてるんじゃないわよ」


 俺は何をしたんだ?した覚えは......あるのか。さっきのやつかな......。


「ちょっと来なさい」


 廊下に呼び出される。さあ何をされるかなんてわからないが、ひとつ分からることがある。従わなければそれはそれでまずいと。

 彼女は廊下に出たところで振り向く。案外可愛い寝間着を着ていてアニメっぽいシチュエーションでちょっと朝からいい気分になる。

 髪を長くしている(ショートでは無いだけかもしれない)のも少しタイプだ。


「すー。ふー」


 深呼吸? なんだ? 告白か?

 彼女は腕を振り上げた瞬間。その振り上げられた手、いや拳で綺麗に顎にアッパーカットを入れられる。てか体が上手く動かない。

 脳が! 脳が震えてる!。てか喧嘩の王道技をよく常人に、しかも不意に軽々と出せるな.....。


「これでこりなよね。次はぶっ殺す」


 彼女は笑顔で言う。てかその笑顔の裏は、天使の裏には悪魔ですか......。表裏一体か? 怖えーな。てかこりる? 俺って何かを触った。多分あのお腹だと思う。てかそう思いたい。まぁでもあいつが夜に入ってくるのもいいかげんこりろよ。

 数秒すると、


「あーやっと治ったー。てかいっでぇな。アッ

 パーカットなんてやるか? 朝イチで」


 大きく。聞こえるように独り言を言う。


 兄ぃどうしたの? アッパーナントカがどうしたの?


「いやなんでもない。大丈夫」


 顎に傷はないみたいだ。きちんと弱点をついてきたが、あまり強くはしなかったようだ。まぁ本気でやられたら殺されると思うが。


—―


「アナ。今日は何をするんだ? 」


「そうね......。じゃあ罠でも作るかしら」


 物騒だな。この平和な時代に。


「まじか。でもさ、それって魔法でしょ? 」


「決まってるじゃない」


「じゃ俺は何も出来ないな。できることはやるけど

 さ」


「そうね。じゃあまた町内行ってきて。はいこれ。前

 回のアレね。さっさと行ってきちゃって〜」


「いいけどお前。いつまでここにいるんだ? 」


「まぁいいじゃない。気にしない気にしない〜」


 お前が言うな。


「じゃ行ってくる」


「行ってらっしゃいー」


 アナは手を振って送ってくれた。

 なんか新婚みたいで照れくさくなる。ラブコメはあまり見ても「いいなー」「こんな彼女いたらいいなー」って思うだけだからあまり見ないけれど、今俺はその主人公なのかもしれない。まぁ殺される可能性が否めないのが怖いところだが。

 自転車で、とりあえず道場と学校へ行く。前回の復習というか、そこに行くだけでいいだろうという、浅はかな考えだ。


「あれ? 反応が」


 道場に行くと変な反応をした。点滅してる。


「まぁ反応があるってことだよな」


 道場は今日、練習はないらしく、誰かいるとしたらクソジジイくらいだと思う。


——


「学校つったってなー。ほんとなんで反応が俺の母校

 の中学なんだよ」


 高校生になってからもう他の学校となったせいで何故か入りずらい上に、校門の前にいるだけで罪悪感が襲う。


「こっちは普通に反応アリだな」


 じゃ、帰ろ。と、心で呟く。

 俺はちょっと用があって、家に1番近い大書店によることにした。


——


「人多いな」


 嫌いな訳では無いが、人が多いとあまり来たいと思わなくなる。


「よう」


 背中を叩かれる。「なんだよ」と言おうとしたら言えなかった。理由は、


「元気にしてるか? 」


 先程行った中学にまだいる先生ー俺の元担任で、今のニコの担任。織田先生。通称ノッブ。まぁ社会科で、織田ときたら信長、そして有名ゲームのあだ名からノッブになった。


「ノッブ先生。お久しぶりです」


「ほうほう。その調子だと大丈夫そうだな。まぁ高校

 頑張れよ」


 やけにあっさりしてるな。まぁそのほうがこっちとしてはやりやすい。


「光ってる? まぁ気のせいか......」


 レジに攻略本と漫画を持っていった。


――


「結局、道場と学校は変わらずに反応があったわけ

 ね」


「そゆこと」


 麦茶を飲みながら言う。


「まぁ今日は道場においては点滅したけどな」


「ふーん。そっか」


 そっけない返事。


「え、なんかないの? 」


「知らないわよ。変な反応はそれ相応の何かがあるん

 だと思うけど、私初めての選定戦争だから分からない

 ことが多いのよ」


 あーそうゆうことね。てかなんでも知ってると思ってたけど知らないことも多いんだな。


「ご飯〜ご飯〜」


 ニコが階段を降りてくる。てか昼にはまだ早いだろ。


「昼には早くないか? 」


「え、私今起きたんだよ? 」


 二度寝で11時まで寝てるなんてすごいな。俺には出来ない。


「ご飯つったってなー。早いから先にブランチしと

 け」


「えー。じゃあいい。まだ食べない。あ、お菓子あ

 る? 」


「うま〇棒でいいか? 」


「もっと大きいの」


「じゃゼリー」


「あ、いいなー」


「はいはい。2個だろ」


「「ありがとー」」


 笑顔で2人はハモった。てか、俺いいように使われすぎか?


「美味しいわね」


 今はその笑顔に免じて労力は許そう

 てか、ホムクルは飯がそもそもいるのか?


「兄ぃー。今日はひゃんか。ゴクッ。あるの? 」


「お前は食べるか喋るかどちらかにしろ」


「食卓で会話はしちゃいけないの? 」


「ぐ......」


 「ぐ」は出たが「ぐぅ」の音は出ない。まぁ言われてみればそうだけど......。なぁ。


「今日はデートだよね」


「へ? 」


「デートだよね?(圧)」


 うんうん。そうだよね。って言えるか!


「お、おう。そ、そうだな」


 ニコが顔を寄せてくる。


「お兄はん。やりますなぁ。行く方がいいんどすえ?

 」


 耳元で囁く。

 言ってることは分からなくもないが、なぜ京都弁? そして多分間違っとる! どっかのアニメの妹みたくちゃんと使えよ!


「じゃ行くわよ」


——


 着いたのはいつもの。いや最近は行ってないからいつものって言うのもなんだが、廃工場に着いた。

 廃工場でデートなんて、マニアックもいいとこだ。


「で、確認だけど、魔術の特訓だよな。ここに来たっ

 てことは」


「そうだけど」


「なんか文句ある? って言う顔するな」


 普通にデートは出来ないのかコイツは。


「どうかしたの? って本当に思ってるけど」


「あのな。こうして上半身を脱げと言われて脱いでる

 が、それをなんとも思わず見てるのが不思議なんだ

 よ」


 本当にコイツは欠けてるのが2つか心配になる。人に戻ったら、いや人になったら色々教えないとな。


「今日はそう! 楽しい楽しいサンドバッグです!」


「は? あーサンドバッグで腕力強化か〜」


 多分。てかそうであってほしい。


「違うわよ? 」


 ですよねー。サンドバッグです! って普通言わないよね。


「ということで今日は『増長(ブースト)』によって防

 御訓練です! 」


 マジか。


「えーと、俺は死なないよな? 」


「まぁ私は殺す気でやるけどね」


「冗談キツイぜ」


「そうね。冗談だったらいいわね」


 うん☆ 今日俺死ぬわ。


「俺は『増長』を使うとして、詳しく教えて。とりあ

 えず今回の体を強くするためにはどうすればいい? 」


 言うことには従おう。


「今回は基本的に耐久なので、まずは体全体に防御を

 敷きます。あまり倍率がかからないのよ。だから」


「だから?」


「だから叩いて叩いて固くする」


「ん!? は? え、何を言ってんだよ」


「そんまんまのことよ。あなたは幸い魔力を使えば即

 回復。そして、そうすれば体が少しだけど強くなるか

 もよ?」


 俺の皮膚は鋼鉄か。てか鋼鉄にしたいのか。


「かもって......。てか俺は鉄でもなければ不死である

 だけ。即回復なんてしないし、初めて死んだときは復

 活に結構時間かかったぜ」


「ふーん。でも、体を護る魔法は覚えて損はないでし

 ょ?」


「でもどうするんだ? 叩くの以外で」


「んー。じゃまずは1発。1発耐えられるようにしよ

 う」


「ちょっと待て、心の準備させ......」


 肋骨中心を殴られる。多分魔法を使い損ねたからか、1本折れてて不思議はない。


「あんたねぇ。すぐやんないから」


 始めます→5秒後にパンチ。どんなスパルタ教育をさせようとしてるんだ。


〜1時間後〜


「そろそろ大丈夫そ? 」


「おう。まぁ痛むとこはあるけど、どうにか。多分ち

 ゃんとやればどうにかできると思う」


 『増長』。体全体に、薄く、少しでも固く。イメージは前にバリアーを張るみたいにする。そして、最終的にはいつでもこうしてられるようにするらしい。


「行くわよ。私はとりあえず高威力、低範囲の技

 『衝撃(ショック)』を使うわ」


 おいおい。技使うのかよ? まぁ集中集中。集中しなきゃ最初で潰れる。


「『衝撃』はね、音魔法のひとつで、手の周りに音波

 を発生させて、小刻みにすることで、触れた部分が、

 なんというか破壊されるっていう技。すごいでしょ」


 コイツ。まじか。何言ってるんだ? マジで俺を殺す気やん。


「すごいけど俺に向けるのは......。なぁ」


 本当にやばいって。


「行くわよ! 『衝撃拳(ショックナックル)』」


 K-1ファイターみたいに速攻&弱点の腹を狙ってくるなんてコイツほんとどうかしてる。


「ぐへぇ! 」


 俺は吹き飛ばされる。やばいな。壁にめり込む。死ぬつったじゃん。


「ボヨン」


 壁にめり込んだと思った瞬間、俺はめり込まずに衝撃を吸収されて前に倒れた。


「なんだよこの壁」


 ズボンの埃を叩きながら言う。


「そんで、痛ってぇな。ちーとばかり手加減しろよ」


 まぁ結局は『増長』のおかげで身体的に外傷はなく、壁も魔法で補強されて、練習用の壁だったらしいから大丈夫なのだが、腹パンは結構食らうと痛いことからされてなくても、痛い感じがしてならない。


「死んでないならOKよ。あと、どう? 『増長』での

 体の保護は? 」


「痛いことは無いが、殴られたりすると結構痛くなく

 ても嫌なのがわかった」


 そう。やはり怖いものは怖い。嫌なものは嫌なのだ。


「どうする? このまま続けるのもいいわよ」


「パス。てか楽しい楽しいってお前が楽しいだけと今

 気づいたよ!」


「さーて、なんのことだか」


 アナは首を傾げる。

 コイツめ。とっちめてやりたいくらいだが、それは男として気が引ける。というか出来てたら今頃監禁でもしてやってる。


「じゃあさ、今日はなんか武器とかないのか? 」


 まぁ一種の願い。男のロマンとも言える剣はこういうのにつきものと思って言った。まぁ案の定というかそんな感じで、


「ないわよ。しかもニクスは剣の腕前もそんなじゃな

 いとニコちゃんに聞いたけど? 」


 あいつはどこまでコイツに話したのやら。てかいつ喋ってんだ2人は。


「そうだけどよ。まぁあったらいいなぐらいだから気

 にすんな」


 主人公ならあってもいいと思ったんだがなー。剣なしの魔法使いか......。いや普通におかしいジョブだが。学生から転職すると魔法使い。勉強終わったー(色々な意味で)。


「もう遅いから帰れば? 」


「あ、そういえば。もう6時だな。帰るかな」


「ねぇねぇ。今日の晩御飯は......?」


「はいはい。あと1週間。あと1週間ならうちでゆっく

 りできるから。でも1つ条件がある。お前の持ってる

 黄金の槍。預からせろ。うちで暴れられるたり、俺や

 ニコを殺すことも出来るお前の槍は危険だ」


 アナは顔をしかめる。


「まぁ、うん。んー、うん。わかった。はいこれ。正

 しくは女神の槍ね」


 女神の槍を手に入れた。ってドラ〇エ又はゼ〇ダ風に言いたいくらいだが、苦悩の果てに女神の槍を渡したアナに言うのをやめようと思った。


「じゃ今日は焼肉よね! 買って帰りましょうよ」


「いやそんな予定は......」


 いや、やめい。その顔。言葉をつけるなら「え、違ったっけ? 朝言ってたよね? 」っていう顔だ。


「しょうがねぇな。よし、買って帰るか」


 贅沢もたまにはいいのかもな。普段は親からの予算から上手くやりくりしてるしな。


「あ、私黒毛和牛ー」


「最安値か、半額のカルビとかだ。和牛なんて高嶺の

 花だよ」


 いや、高値の花だな。到底買うことは許されない。


「はいはい。わかったわよ」


 こうしてるとカップルみたいでなんかもういいかと思った。


「まぁ1パックくらい良いかもな。黒毛和牛」


「やったー! 」


 飛んで喜ぶアナは可愛かった。笑顔で、その銀髪のロング。いやセミロングって言うのかな? その髪がファサッと上がる瞬間がベストに良かった。


「ちゃんと人間なんだな」


「ん? なんか言った?」


「なんでもねぇよ」


 ホムクルは人造人間。でも、人間だとわかった。


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