決意の日—参の三
ボゴン!
と、いう音が俺の大きく後方で、した。
俺は反射的にその方向を向く。
その方向らへんに砂煙が舞っていた。
何かが落ちて来たようだ。
小さな人影が砂煙に映ったと思ったら、小さな金髪の男児が出てきた。
「にんげん。こんかいはまけた」
「お前、誰?」
「ねぼけてんじゃねぇよてめぇ。そんでかったから
っていいきになってんじゃねぇ。ころすぞ」
「あーカメオだったな。悪りぃ悪い。忘れてた」
「おまえ。ふざけてんのか? ふざけてるんだよ
な?」
心配するような珍しく優しい声で言う。
「勿論。俺は真面目だ」
「わかりづれぇな。ぶっころすぞ」
カメオは指をボキボキ鳴らして威嚇行動を取る。
流石にこれ以上は不味いと思ったからやめる。
てかさっきまでのやさしそうな声はどこいったんだよ。
「ところでカメオ。ここからどうやったら帰れるん
だ?」
「さんかいくらいしんどけ、にんげん。きゅうにし
ょうきにもどられるとそれこそころしたくなる」
俺は一瞬で戻ったってのにこいつは忘れる気配がないな。
まぁ、俺のせいだが。
「おれさまのわざか、あのまほうつかいにでもきけ
ばでられる」
それいがいにぬけれるやつがいたらおれさまもこまるがな。と、微笑しながら言う。
魔法使いとはおそらくアブァのことだろう。
あいつどんな手を使ったんだよ——俺の知る限り1番なんでもありなのはアイツだから何となくわかるけれどやっぱありえねぇな。最強か。
「じゃあ帰らせて貰えるんだよな」
「ああ。おれさまもいろいろあるんでな」
パン。
という手を叩く音と共に俺は自分の部屋。それも宿題に向かっている状態で帰ってきた。
「......は?」
何が起こったんだ?まさか夢か?夢オチか?俺がカメオに勝ったというのは夢なのかぁ......。
そう思って。思い込んで真面目にシャーペンで紙に向かう。
「うるせぇな。おまえはかったぜ」
その声に回る椅子でゆっくりと反応する。
身長は伸びていないことを確認して俺は胸を撫で下ろす。
そういえば腕が痛くない。
まぁ、夢だからそうか。
「お前何やったんだ?」
「べつに。じかんりょこうをすこししただけだ
が?」
お前と俺が今日会う前に——遭う前にもどっただけだ。と、続ける。
時間旅行?回復ではなく、旅?
こんな会話自体が結構パラドックスを産んでいる気がする。
SF風なのいいね。これ。
「まぁ、まりょくがこかつしたからおれさまはね
る。おこすんじゃねぇぞ」
「お、おう」
朝からいろいろあった日だった。
「さーて宿題かな」
俺はインク以外の色の無い冊子に向かう。
愛でたし愛でたし。




