天下の日—フェンフ
「はぁ! 」
「.........」
あーたんは激しく雄叫びのように叫びながら強気の攻撃。ジジイは静かに受けの姿勢だ。2人は仲良く剣道をやっているよう—ではない。やはり殺し合いだ。前回眠っていた(ニコが起きていた? )あーたんはなんか互角っぽく戦っている。
「アブァ。俺らはあいつらのところ入っていいの
か? 」
「良い訳ないだろ。騎士王の名が泣くよ」
「でも.........」
アナは心配そうに言う。
「ああ。あいつは。あのじいさんは本気じゃない。
というか、生身で渡り合ってる時点であれは化け
物としか言いようがない」
あ.........。確かに。全然余裕なんて無いんだ。かの騎士王にも倒せないとは。
そんで、化け物じみてるのではなくて、化け物ねぇ。そう言われると、ジジイに同情もしたくなるかもしれない。
——
「アーサー。君はじぃさんを相手してくれ」
と、言ってから『火球』で鎧を簡単に倒す。
私とマーリンは3人を置いて道場に入った。門の内、道場の外には多くの鎧がいた。
確かに私がすべきだろう。恐らく私と剣でわたりあえる者などこの世にいないからだ。
「マーリンは? 」
私も、鎧をエクスカリバーで真っ二つにする。
「そりゃ援護するさ。でも後ろによるね」
器用にまた、喋りながら炎系の魔法でどんどん倒していく。
「3人もいるのです。皆、強いですから大丈夫です
よ」
外にいる兵はまだまだ出てくる。
「そうだけど.........」
ふぅ。と、一息ついてから、
「アーサー。少し下がってて」
「はい」
私は全ての鎧から少し距離をとる(2mくらい)。
「『火球連弾』」
と言って小さな炎が彼の周りに出てくる。その数、20個ほど。それを彼は上手く操って、1つ、また1つとどんどん倒す。
「.........」
そして敵はいなくなった。
「アーサー。大丈夫かい? 」
「ええ。しかし、貴方の強さは変わりませんね」
「はっはー。まぁね」
超ドヤ顔で言う。王に言われたのだから「光栄この上ないです」とかで終わるかと思ったら.........。それも変わらないなと懐かしく思う。
「じゃあ次です。マーリン」
「そうだね」
——
「居ないね」
「居ませんね」
じゃ、と言って何か銀色の何かを『創造』で作り出した。ビー玉位の大きさだ。それを水に入れると、ボガンと、とても大きな音と共に水柱が上がる。
——
「待っていたぞ」
道場に入ると、真剣らしいものを腰に携えた者が立っていた。月の光しかない部屋でもわかるくらいの存在感だった。—いや、それは恐怖感だったかもしれない。そこには鎧の姿も無く、1人で立っていた。
「ほほう? 余裕みたいだね」
「そう言ってられるのも今のうちだ」
私は、装具を展開する—と言っても、装具自体が私そのものが装具みたいなものだが。
質素だが、使い慣れた鎧だ。
大きく息を吸って、
「我が名はアーサー・ペンドラゴン! 騎士王なり!
ご老体よ。いざ尋常に勝負! 」
広い道場内によく響く。
「これはこれは。私は名乗る程のものでも無いです
が、この老害。騎士王ともあろう方と戦えるのは
光栄の至ですな」
そう言って、彼も私も剣を抜く。剣の強さも歴然だというのに、全くもって装具を展開する様子がない。
互いに走り出す。このまま行けば、正面衝突するような状況だ。私は余力を残して走る。
あと、2m程になったら私は急加速する。この体は小さいので、少し屈めば懐に入れるだろうという魂胆だ。—しかし、上手く行かなかった。
キン! と、2つの剣は交わる—思わぬ形で。老者は腹の前で剣を構えて待っていた。失敗した。速くする余り、相手の止まっていることにも気づかず、体重が上手くかかっていなかった。老者は私を剣ごと吹っ飛ばす。
壁にぶつかる前に、私はマーリンの力でか勢いが減る。
「ごめん」
マーリンは笑っているが、私はそんな場合ではない。
追撃が来ていた。一瞬だった。私は辛うじて剣で受けようとすると、次は老者が目の前から居なくなる。
もう一度探すと、10メートルほど遠くにいた。
「マーリン! 」
私は持てる眼力全てでマーリンを睨む。ゴルゴン魔眼ではないが、マーリンを少し止めることくらいは可能だと思う。
老者はもう走り出している。さっきのカウンターや、一瞬の攻撃など、とても老害や、老いぼれとは言い難い行動だった。
「マーリン。私と老者を閉じ込めてください」
「いいのかい? 」
早くしないと、貴方に剣が向くから。そう、心でつぶやくと、
「では、」
と、言って入って来た所から出ていく。
すぐに結界が貼られたようだ。ちなみに、この時老者はマーリンの空間転移のせいで動いても意味が無くなっている。そして、結界は外からの魔力が遮断される。だから動けるようになったようだ。
「これで対等でいいですね? 」
「ありがとうございました。では、やりましょうか」
「では、気を取り直して」
互いに剣を構える。
老者はまだ装具を使う様子が無い。私には十分だと言うのか。
私達の闘いは終わらない。
勝つまでは終われない。




