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同居から!?始まる魔法戦争  作者: 月光月軍
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退治の日—燚


 また来たようだ。真っ白な空間。何故真っ白なのか、自分がどうやってここに立っているのか、どうしてここで生き返ることができるか、どうしてここが明るいのか、俺は知らない。


「じゃあ、教えてあげよう」


「え? 」


 振り返ると、そこには赤髪で長髪の女性がいた。着崩した服からは若者らしさが感じられる。

にしても違和感がする。さっきまではいなかった。......気がするからだ。


「だから教えてあげよう。あ、でも、代償は貰うから

 ね? 」


「は、はぁ」


彼女は手を目の前に突き出してくる。

話が急でよく分からない。返事も気のないような風になってしまう。まぁ実際気のない返事のいい例だが。

彼女は理解力の遅い俺なんか気にせず、


「ちなみに出世払いでいいよ。というか、出世するこ

とが1番の代償と言ってもいい」


「え? 出世って? 」


「いや、大丈夫。直ぐに払えるようになるさ」


「は、はぁ」


「本題に戻ろうか。何を知りたい? 」


「......」


 謎すぎだろこの人! なに者なんだ?

 にしても俺は何を知りたいのだろうか。別に知らないことが無いなんてことも無く、ここの世界については何も知らない。聞きたいことが多すぎて、もう何を聞いていいか分からない。


「? 無いの? さっきは沢山あった筈なのにねぇ」


「.........」


「遅いね。そんなに待ってて貰えると思ったら違う。

時間は有限だし、ましてや気分なんては1秒後にでも

変わる。でもねぇ、お姉さん。君からとりあえず代

償を貰っておきたいの。だから1問だけならシンキン

グタイム1分を取ってあげよう」


 聞けないよりはマシだよ? と、笑って続ける。その笑顔は年上の人(一人称お姉さん)からすると、嬉しくないのかもしれないが可愛かった。そして、少し恐ろしくもあった。そんな無防備な姿を使って魅せられているようで。


「じゃあ、質問します」


 俺の質問が早かったのが驚きだったのか、「お?」と、少し取り乱したような気もした。


「神具ってどこにあるんですか? 」


——


「ほぉ。もっと別のことを質問してくると思ったよ。

じゃあ、お姉さんが教えてあげよう」


「はい。お願いします」


「あー。かしこまらないで。お姉さんだからね。君の

妹が君を呼ぶ時「兄ぃ」と言うように「姉ぇ」とで

も言ってくれ」


「あ、姉ぇ。で、どこにあるんだ? 」


「君、凄いね。どうしたらそこまで飲み込みが早くなれるのかな......。神具はね、今では多分

 少ないけれど、ニクス、好きな神話とか、偉人とかいる? 」


「えーと」


 あれ?名前教えたっけ......?まぁいいや。さっさと決めなきゃまた切り捨てられる。腕を組んで考える。


「じゃあ、ヒンドゥー教のシヴァは? 」


「ほぉ。またマニアックだね。私からすると、あまり

おすすめは出来ないが、いいと思うよ。『破壊と再

生の(シヴァ)』か〜。強気だねぇ」


「傲慢だとは思うけど、どうですか? 」


「だから恭しいのはなし。タメ語でいいって。で、神

具は基本、その神/英雄が使っていた本物から生まれ

るのが多いのだけれど、私はちょっと人外という

か、世界外でね、そういうルールは通用しない。だ

から私は君に創ってあげよう。いわゆるDIYだね」


「.........」


 いや、反則にも程がある。基本、何にでも例外は存在すると言う(たぶん)が、にしてもおかしい。DIY(do it yourself)できるなんて馬鹿か! と、言いたくなるくらい頭おかしい。

 選定戦争この人が参加したら勝てなくね?


「じゃあ、創れたらまた登場するから今日のところは

これまで」


 と、言って彼女は俺にハグをしてくる。バックでもなければ頬ずりでさえ直ぐに始められそうなくらいに強く。特に胸の感触 が思春期の高校生には少し刺激が強い。暖かい。


「!?」


 ハグの時の接地面が熱い。まるで焼けるように。そう考えたときには俺の目の前で、


「アデュー」


 と、言って姉ぇは炎の中へと消えていった。 いつ付けたか知らない帽子を深く被り、有名ようつーばーのような仕草をして。


「.........」


 フェニックスの炎が俺を包む。俺はこの炎症を痛みに感じない。感じられない。痛くないし、痒くない。強いて言うなら俺の体は勝手に収縮を始める。

 そして、プツンと意識が途切れた。


——


「.........?」


 覚醒した。目を開けると、そこには青い空があった。左手を握る。違和感なし。確認終了。

 右腕を使って半回転してうつ伏せになり、次は両腕で立ち上がる。


「ふぅ」


 体に着いた砂を払う。


「ニクス君! 危ない!」


 咄嗟に手が出た。まるで俺の反射神経ではないように。そして、飛んできたもの(アナの槍)を軽々と俺はキャッチした。これまた俺の手とは大違いだった。


「え? 」


 アブァは口開けて驚いている。


「ニクス! 帰ってきたのね!」


「おう!」


 俺は槍を掲げて叫ぶ。

 アナは走ってこちらに来る。槍がないからかいつもより数段速い。


「お帰り」


「ただいま」


「で、ニクス君。感動の再会のとこ悪いんだけれど、

その右手どうしたの? 」


 俺の手を震えた指でさす。あわわわわと、漫画だったら書いてあるかのように。


「俺の手そんな変か? 」


 と、言ってから確認する。

 アレ? いつもより赤い。というか、装飾のされた(武器としての)爪をつけているようだった。触ると、それはそれはゴツゴツして、触りすぎると、指を切ってしまいそうだった。そして、暖かく生々しい感覚もあった。


「ニクス......。まさか悪魔と......」


「いや違う。断じて違う。俺が契約したのは不死鳥と

の......はず」


 再登場してないのが違和感だ。


「不死鳥ねぇ......。興味深いね」


 アブァはいつもよりキラキラした目をしながら言う。

 これがシヴァの神具か? こんな手が。神様だから人外もいいところだが、俺の手になるとは。


「ちょっといらないものあるか?」


「切れ味を試したいのならいいものがある『対物理障壁リフレクター』」


 目の前に紫色で、2mくらいの壁が表れる。


「これを割ってご覧よ」


「これは、本気でいいのか? 」


「もちろん」


『増長』。右手に力を集中させる。


「『完全破壊(フルバースト)』使ってご覧? 」


 あれ? 俺にそんな(スキル)あったっけ? とりあえず、『完全破壊』。


「君は馬鹿かい? 『増長』と違ってスマッシュ時に使

わないと意味ないだろう? 」


「.........」


 返す言葉もないな。

 気を取り直して、俺は勢いをつけて単純に壁を殴る。紫色の壁はまるで自動車のガラスかのようにクモの巣状にヒビが入ったあと、崩れた。

 そして、神具。いや、この場合は装具か。まぁシヴァの手は消えた。


「流石だね。まぁ今はもう魔力がないようだから休む

といいよ」


「.........」


 休ませてくれなかったのお前だろ......。


「ねぇ、さっさと帰りましょうよ。済んだでしょ? そ

ろそろ帰らないとニコちゃん心配しちゃう」


「そうだな」


「じゃあ、僕があの子をおぶっていこう」


 と、言って少し遠くに寝かせていた子供を指さす。


「まさか......。あの鬼? 」


「まぁね。ニクスが居なくなったあとに倒しておいた

わ」


「流石お強いな」


 俺は皮肉混じりで言ったつもりが、


「そうでしょ。強いでしょ?」


 と、切り替えされたことを俺は別に反応をせずに、


「ちなみに大丈夫なのか? 拘束とかしないで」


 という感じで話を逸らした。


「大丈夫大丈夫。多分あと、3時間は起きないわよ。ち

ゃんと眠らせて置いたから」


「じゃあ行くよ。ニクス君、アナ君。装具『破壊剣ブレイカー』」


 そう言って、呪剣ブレイクで空を切る。結界が破られる。いとも簡単に壊れた。代償があると言っていたあの武器を彼は躊躇無く使った。


「あー代償は気にしないで。もう、先払いしたから」


「「.........」」


 代償を先払いするとは......。ただ全てを破壊できる使いやすい武器になっちまったな。圧倒的チートだ。


——


 夜11時頃。ニコはあーたんへと代わり、カメオは『子守唄』で、朝までは起きない。......らしい。


「.........ことで.........」


 俺は気を失っていた時の話をした。みんなは信じてくれた......と、思う。まぁ信憑性が低すぎる点については否めないが。


「ふぅん。じゃあ次は私が喋っていいかしら? 」


 と、軽ーく流されてアナの武勇伝を聞く。ぼーっとしていて、よく覚えてはいないけれど、1つ覚えていることがあるとするならばアブァは立ちながら寝ているところを、


「聞けー! 」


 と、背中にとびひざげりを食らっていたことくらいだ。


 いつもどうりに終わった日を境に死闘は激しくなる。


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