表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
世界調整『ティムルド神殿編』1  作者: スシェリー
第2章 妖精との出会い~オマケに最強の少女達とも~
9/35

Ⅱ-Ⅰ 逃走者と魔王城 (S)

あてもなくさまよい続けて遂に体力が切れたのか立ち止まる美雷。

元々どこへ行くなどは考えておらずがむしゃらに走ってきたため、ここがどこなのかが分からない。

だが美雷は後悔していない。

なぜならあのまま引き返す方が自分の過ちを再び思い出すことになるからである。(だからといって記憶を消すことは出来ないが。)


(しかし……本当に……ここ……どこだろう?……逃げないと……逃げないと……)


だが今は夜、さらに森の中ということもあり、あまりにも視界が悪すぎる。

こんな状態で歩き続けるのも危険だろう。


仕方なく休憩しようと思ったその時、奥の方で光が瞬いた気がした。


(……ここで止まってても仕方ない。行こう……)


美雷は疲れた体に鞭打って再び歩き出す。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「……なんだろ…ここ……」


そこは一面花に覆われた場所(……前にも似たような場所あったな……)であり、木陰から除く薄明かりが幻想的な風景を写し出していた。


だがそれよりも幻想的なのは……


その中心に1匹の妖精がいた事だろう。


その妖精は花畑の上でスヤスヤと、可愛らしく……かわい……何か気持ちよさそうにヨダレ垂らしながら寝てるんだが……


(幻想的な雰囲気が台無しだよ!)


……何か気が抜けた途端眠気が襲ってきた、やばい……これは……もう……………


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「……い……お…………」


何かが聞こえてくる……眠い……まだもうちょっと……


「おーい!起きろぉ!!」

「わひゃっ!?」


突然耳元で大声を出されてしまったため、驚きのあまり変な声が出てしまった……


「や~と、起きたかぁ……遅いよ!遅い!も~!私の近くにいると癒されるからってずっと寝てちゃダメだよ?」


………そしてウザイ……何だホントにこのダメ妖精………


「んで?あんたは一体誰?」

「え?ああ……」


態度が切り替わりすぎてホントについていけない……とりあえず諦めるとして互いに自己紹介をする。


「私は美雷。人間。色々あってこの森で迷子になってる。でも、後悔はしてない。」

「おっおう……何だか潔いね……でもそういうの、嫌いじゃないよ!」


一応勇者一行の1人だとか異世界人だとかそういうのは言わないでおき、所々事実を隠しながら説明していく。


「ぶっちゃけこの森がどこで、近くに何があるのか全然知らないから、少し困ってる。とりあえずお腹空いた。」

「……私もよく一度に色々言い過ぎとか言われるけど君も凄く詰め込んで喋るね……」


事実だし仕方ないだろう?ずっと走ってて何も食べてないんだし、今ホントにお腹が空いているんだよ。


「ん~……あっ!あったあった!!まぁとりあえずこれでも食べなよ。少し小さいけど美味しいし、数もあるよ?」


と言って出してきたのはドングリほどの大きさの黄色い果実だ。

1粒食べてみるとブドウのような味がして美味しかった。

とりあえずそれをいくつか食べたところで次に妖精の方の紹介を聞くことにする。


「私はフェリ。わかってるとは思うけど妖精だよ。……あと、こんな見た目でよく誤解されるけど、風を操る妖精だよ!」


確かに髪色は黒く、目は赤いため、操るのは闇か火に見えるがどうやら風らしい。

よく誤解されるというのは他の人間達にだろうか?


「因みに私も色々あって今ここに1人でいるんだけど、なんかここ日差しが良くて……気がついたら寝てたみたい!!いんや~うっかりうっかり!!」


先程からテンションが高く声もでかいがホントに妖精なのか?何だか私がイメージしていた妖精と大きくかけ離れているんだが……


「さて、とりあえず互いの自己紹介も済んだし!これからどうする?」

「へ?」

「だ~か~ら、これから何をするのかって話!」


ホントにさっきから言う事一つ一つの切り替わりが激しくて話のペースについていけない……


「何をするって……てか何で言わなくちゃいけないのさ……」

「へ?そりゃついて行くからに決まってんじゃん。」


……今なんつった?


「いんや~こんな所に迷い込むなんて普通じゃないし基本途中で死んでるよ~?」


チョトマテ……そういえばまだ聞いてないことがあったぞ?


「そういえば何だけど、ここ何処?」

「え?……あぁ、気がついたらここにいたんだっけ?ここは生命の山。色々な生き物が暮らす大きな山だよ!」


結構普通の名前だな……


「んで、この山にはいるためにはとりあえず魔王の城を抜けて「まって」いく……ん?」


……今なんつった?(2回目)


「今魔王の城って言わなかった?」

「え?言ったけどそれがどうしたの?」

「どうしたって……そんな所を私は通っていたの!?」


いやいやいや魔王って……魔王って!!(2回目)


「あー……そういえば、ここに気づいたらいたって事は無意識に歩いてたんだよね?」


……多分……走っていたのか歩いていたのかは分からないけど……


「ん~てことは敵として……確かにあの魔王の……でも確か……あーでも……」


ブツブツと何かを言っているがホントに何なんだ?ちょっと気になるんだけど……


「結局の所いったいどういう事なの?」

「ん~予想だけどね、無意識に歩いていたって事はつまり何かにあったとしても敵対意識が無かった。つまり戦闘意思を見せなかったから見逃されたんじゃない?今の魔王、平和主義者だって聞いたことあるし……」


魔王が平和主義者?どういう事?


「実を言うとね、ここに来る方法はもうひとつあるんだけど流石にそれはないかなって。そっちよりはまだ魔王の城を気づかず通った方が現実的かな~って思ったんだよね。」


魔王の城を通った方が現実的って……


「というか、後ろ見てみなよ、ぶっちゃけここからでも魔王の城、見えるよ?」

「へ?」


そう言われ後ろを見てみると、霧がかかってはいるが、シルエットが見えた……


「でっか……」

「まぁそりゃぁ沢山の魔物が住んでるからねぇ……その分大きくしなくちゃ行けなかったんでしょ。」


ここからだと遠いせいかはっきりとは見えないが、それでも雲を突き抜けている辺りとんでもないサイズなのだろう。

……というより………


「結局のところ私は今どこにいるの……」

「え?だから生命の……」


そこじゃない……そこじゃなくて


「一体私はどこからどこまで来たのかって話……」


そう、私は一体どんな距離渡ってきたのか、どこをどう通って今ここにいるのかという話である。

まさか……ブクマが少しづつとはいえ増えてくるとは……すごいありがたいです!これからもよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ