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世界調整『ティムルド神殿編』1  作者: スシェリー
第1章 黒いカードと異世界召喚
5/35

Ⅳ 悪夢と魔物

めっちゃ遅れましたァァァ!すいません!

あと、後半ほとんど空白です。すんません……

「……やっぱキチンと着いてけば良かった……」


今、美雷は全力疾走中である。

そして筋肉痛にも耐えている。

痛い……ハッキリと言わせてもらいましょう。

何で筋肉痛はハイヒールで治らないのですか?

その理由は簡単だ。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

スキル:ハイヒール。

ヒールの強化版。

重度の怪我も治す事が出来る。ただし、部位欠損、病気、状態異常(デバフ)、怪我以外の痛みを治す事は出来ない。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ピンポイントですよ、怪我以外の痛みを治す事は出来ないなんて書いてありますよ。

治せよ。ハイなんて書いてあるんだからそれも治せよ。何だ?ギガとかそんな所まで行かないと治してくれないのか?


とか何とか考えているうちに、皆の元へ辿り着いた。

そこで目にしたものは……


何か超巨大なスライムが勇者勢にボコボコにされているところだった。


「おい!スライムはどうやら、魔法なら大抵効くみたいだぞ!!」

「物理も場所によっては効いてる!」

「あと少しだ!!いけぇぇぇぇ!!」


本当にボコボコだ、オラオラだ、逆にスライムの方が可哀想だ。

そんなスライムの見た目だが、どうやらドロドロした系のスライムではなく、丸く形が整っているスライムだ。クッションにしたい。

触っても体が溶けるということは無いらしく、口(?)から酸を出して攻撃してるらしい。

でもあまりにもボコボコにされて可哀想だ。


そして遂に月皇がスライムにトドメをさす。


「「「よっしゃぁぁぁ!!」」」


とか叫んでいるが戦った相手はスライムだ、この世界はどうだか知らないが、他のゲームでは、最弱キャラとして出ることが多いスライムだ。

でもすごい喜んでいるのでそれを言うのは無粋だろう。


更に、倒したスライムには興味が無くなったのか、早速探索を再開する始末。


しかし美雷にはどうしてもスライムが気になっていた。


(……あのスライム…どうにかクッションみたいに出来ないかな…)


だがどこか考えがズレていた。

と、足元を見るとそこには丸い石があった。


「?何これ、インベントリ。」


インベントリに入れると自動で鑑定もつくのでお得である。試しにその石をいれてみると。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

スライムの核石

用途:錬成を行うと、下級スライムを作り出す事が出来る。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


その文章を見て、すぐに美雷はガッツポーズ。


(今は錬成出来ないけど!!いつかは使えるかもしれない!!)


そんな変な気合いを入れている美雷が、偶然見つかった隠し部屋に皆が入っていったのに気づいたのはそれから数分後の出来事であった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「ここは何処だ?」


こんな所、ダンジョンマップにものっていない。皆が戸惑っている。

狭く長いこの通路で警戒しながら進むと大広間に出た。


「……花畑…?」


そう、その広間は1面花が咲き乱れた森の中だったのである。

まるで幻想的なその場所。だが、その中心にあるものが歪であった。


黒い影。


どうやらその影もこちらに気付いたようである。


「あ……は………い………………で………」


言葉にならない事を喋り、こちらに手(?)を伸ばしてくる。

美雷にはその行動に一瞬違和感を感じた。

だがここで月皇が動き出す。


「はぁッ!」


その影は一瞬揺らいだのだが、すぐ元に戻ってしまう。


「ど…………や……こ…いで……」


そして月皇に続くようにみんなも攻撃を始める。


「いける!」

「コイツ攻撃してこねぇぞ!!」

「ボーナスモンスターって感じか?」


(何だろう……ダメな気がする。

この魔物を倒すのは……でも一体どうやって皆を説得する?)


考えるが、はっきり言ってあって間も無い何者かも分からない魔物を助ける事なんて出来るわけもない。この魔物が人を襲わない確証など無いのだ。


だが時間もある訳がなかった。

無抵抗の魔物と最強の勇者。

決着が着くのは早かった。


「終わったぞ!!」


その声と共に魔物は倒れ、光の粒子となって消え去る。

結局あの魔物が何なのかを知る事が出来なかったのだ。


結局、美雷は1つの疑念を抱いたまま、その場を後にするしか無かった。


この選択が、後に世界を絶望の淵に落とす事になるとは思いもせずに。












ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

視点:???



5日前………



……ここはどこだろう……

自分は一体何をしていたのか……



……記憶が無い。自分が今まで、何をしていたのかの記憶が


■■■■■■■■■■『憎い』■■■■■■■■■■


一つだけ覚えてた……自分は何かを憎んでいた。

何を憎んでいたのかは覚えていない。だが、確かに憎しみが心に残っている。


ふと、

自分の手を見てみた。


無い。


いや、手はあるのだ。だが、まるでその手が影と同化してしまったかのように不定形にユラユラと揺れている。


分からない。

何故こうなってしまったのか、一体自分は何者なのか。


周りを見てみる。

花畑。

自分を中心に花が広がる。

そこはまるで幻想的で、心の中の憎しみが少しだけ薄れていったように思える。


考える。

自分は何故ここにいて、何をすればいいのか。



………だが、答えは出ない。出るわけが無い。



………寂しい。


何故だかは分からない。

だが無性にそう思った。


誰でもいい、自分以外に生きている何かに会いたい。


そう思って過ごしてしばらく、1人寂しく花を見つめていると、声が聞こえた。


「……花畑…?」


この場所は基本音がない。

花の揺れる音。それくらいしか聞こえるものがないため、その声は鮮明に聞こえた。


そちらに視線を向けると、複数の人がいた。


孤独に飢えていたそれは無性に生き物の温もりを感じたかった。


自分は何者か分からない。

だが、自然に頭の中に言葉がよぎった。

初めて生きてるものにであった。

それが不意に言葉に出る。


「あ……は………い………………で………」


それは言葉にならない言葉だった。

だがそんなの関係がない。

温もりが欲しい。

その思いに身を委ねて手(?)を伸ばす。


だが底で先頭にいたものが突然剣を振りかざしてきた。


「はぁッ!」


突然の攻撃をくらい、体が揺れてしまう。


どうして?嫌、こないで!


そう叫ぼうとした。だが、実際口に出たのは


「ど………い…こ…いで……」


である。

だがそんな言葉が通じる訳もなく攻撃は続く。

増えていく。



何で?突然襲いかかってくるの?

何で?話を聞いてくれないの?

何で?こんな目に会わないといけないの?何で?ここに来たの?ナンデジブンハウマレテシマッタノナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデ?






意識が薄れる。体が消えていくのを感じる。

だが思いは薄れない。



人間が憎い



この思いは。


自分を襲った人間が去っていく。

後には何も残らない。


アイツらを殺したい


それはこの思いを募らせて募らせて。



1枚のカードを呼び寄せた。


そのカードに書いてある番号は……








ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

視点???

とある街のとある酒場

そこにいるとある4人組


「あっれ~?どこいったかなぁ……」

「どうしたの?何か無くした?」

「いやぁ、ちょっとね、大事なものを……」

「ちょっとなのか大きいのかよく分からないわよ……」

「まぁかなり重要なものかな?」

「一体何を無くしたのよ……」

「タロット」

「「「へぇ…………て、えええええええ!!!!????」」」

「……うるっさいなぁ……」

「いやいやいや!!タロットって確かあんたがよく自己強化に使ってたヤツでしょ!?しかもかなり強力な!」

「いや……まぁ確かに使ってたけど本来の使い方とは違うんだよなぁ……」

「そういえば、今までそんなに気にしてなかったけどあれってなんなの?」

「ん?あぁ、元々タロット自体には本来なんも力はないよ。けど、それに無理やり力をのせられたもんだからなぁ……」

「じゃぁさ、タロットの本来の使い方って何なの?」

「占いだよ」

「「「占い?」」」

「ん、タロットには大アルカナってのと小アルカナってのがあってね、結構有名なのは大アルカナかなぁ……」

「いや、有名とか言われてもわかんないから……」

「まぁ元々私が”本来いた世界”であった道具だしねぇ……」

「ふ~ん」

「てか皆もそうじゃん」

「まぁそっか」

「んで、大アルカナってのは全部で22枚あるわけなんだよ、で、1枚1枚意味が違う。」

「それって結構覚えにくそう……」

「……まぁざっくりとでいいよ、私もそんなもんだし」

「でも占いで1枚1枚意味が違うのなら、複数持ってたアンタはどうなの?」

「簡潔に言わせてもらえば、私の所持タロットは1枚。てか全員1枚だもん。」

「え!?沢山使ってなかった!?」

「あれは私の所持タロットの効果だね、ある程度なら他のタロットも力を発揮出来るから……」

「全開ではないと……」

「そりゃぁ勿論チートになるし」

「「「今でも十分チートだよ……」」」

「で、そのタロットが2枚ほど無くなっているわけだけど……」

「「「はぁ!?」」」

「えっちょっ、2枚って何!?そんなに無くなってたの!?今何枚もってんの!?」

「2枚。てか多分1番ふさわしいと思った持ち主の元へ行ったんだろうね」

「うへぇ……じゃぁアンタが持ってんのは確か……」

「メインはあれだからねぇ……あと、タロットは自分の示す意味と似たような力を持った人んところに行くから」

「どういうこと?」

「さっきも言ったけど、タロットは1枚1枚意味が違って、そのタロットの意味と相応しい人物ん所に行くんだよ。」

「へぇ……」

「因みに1枚は数日前にどっか行くのを見たからなくなってたのは知ってる。」

「さいですか……」

「んじゃ、今回無くなってたのは?出来れば意味も」

「あぁ、あのカード悪人に渡ると色々面倒臭いんだよなぁ……」

「どんなカードなのよ……」

「タロットNo.XX、審判。意味をざっくり言わせてもらうと……」














「復活」

次回で第1章は終わりにする予定です。そしたらタイトル回収もさっさとしたい……

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