Ⅱ-ⅩⅤ 城の表と裏
「あれ?ミライ、ここから先は破れてるよ?」
「あ、ホントだ」
あんなに何か情報があるかと思って読んでたのに最後ノロケで途切れるとかなんなの?時間返して欲しいわ。
「ねぇ、もうそろそろ良くない?早くここから出たいんだけど……」
「んー、確かに、見た感じは無さそうかな?細かく見れば何かしらはあるのかもしれないけど、んじゃ、さっさと出ようか」
そういうと、フェリはさっさと部屋から出てしまう。どんだけこの部屋が嫌だったんだよ……!?
この部屋から出た途端、私の体が一気に軽くなったような感じがした。
え、何これ。
「あ、もしかしてミライは気付いてないと思ってたけど、意外と身体の方は無理してたんじゃない?」
「え?あ、フェリの言ってた嫌な気配ってやつ?」
「多分」
えぇ?てことはそれに気が付かない私は一体なんなんだ?ちょっと鈍感にも程があるぞ?
「とりあえずどうする?もうどこ行けばいいかわかんなくなってきたんだけど」
「んー、もう一度行った場所をあたってーー」
と言い切る前に、突然床が抜けた!?
「ちょっ!?」
「えっ!?ミライ!!」
そのまま私は落ちていった……フェリも着いてきて。
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「……痛ッ……」
バシャンという音がする。下を見ると水浸しになったクッションがひいてある。
辺りを見回すと、やはり水浸しになっていた。ここは何処だろう?
「ミラーイ!!!!」
「あ!フェリ!!私はここにいるよ!」
遠くからフェリの声が聞こえてきた為、居場所を伝える目的で返事をしたのだが、よく考えてみたらフェリは風で物体の場所を把握出来るからあまり意味なかったりする。
「ミライ!!良かった~…怪我はない?」
「うん、大丈夫、しかし、ここは何処だろう?暗くてよく見えない……」
「……見えないのが良かったのか悪いのかは分からないけどね」
「え?」
「ここはさっきの場所とは別の意味であんまり居たくない。さっさと行こう?」
「う……うん」
フェリが珍しく落ち着いた声……何かを堪えてる?ような感じで先へ進むことを促す。一体周りに何があるというのだろうか?
「こっちだよ。こっちがいい」
なんだかフェリがルートを細かく探しているような感じがある。本当に何なんだろう?
「ねぇ、フェリ、聞いてもいい?一体周りに何があるの?」
「聞きたい?聞いても後悔しない?」
「……できるだけしないように頑張る……ちょっとまってて」
そう言って私は1度深呼吸をする。何があっても驚かないようにする。
「ふぅ……ん、いいよ。お願い」
「分かった……言うよ?周りにあるのはね?
拷問器具と使用された人達だよ」
は?なんて言った?
「つまりここは何らかの理由で酷く殺された人達のいる場所だよ」
「……それじゃ、この近くにも?」
「落ちてるよ……首や腕が」
「ヒッ!!」
思わず悲鳴をあげてしまった私は悪くないだろう。
なんでそんな物がここに?
この城、やっぱり何かありそうだな……
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side:勇者一行
「なんか魔物増えてね?」
「さっきからこんな感じじゃない?」
「な~んか変な感じすんだよなぁ……こいつら、ほんとに魔物か?」
「とりあえずさっさと手を動かす」
勇者一行、魔物の想定より多めの妨害により進行停滞。
到着時間残り3日




