Ⅱ-ⅩⅣ 日記帳と運命
「……ミライ、ここ、何か嫌だ……」
「フェリ?」
この部屋は一体誰の部屋なんだろう。少し部屋を見ていれば分かるかな?
「フェリ、さっさと出るためにも早く探索を済ます
よ」
「オッケーオッケー!とりあえず変な感じがする所を見てみる!」
「うん、気をつけて」
……フェリにはそう言ったが、実は私も何だか嫌な予感がずっとしている。
そうだ、このタンスの辺りから……これは?
そこにあったのは日記帳だった。この世界では紙は希少で高い。なのにこんなものがあるのはここの王様が与えたか、この部屋の持ち主が金持ちなのか……
だが日記帳を開いた瞬間、その考えが吹き飛んだ。
「?ミライ、何それ……うわ、これ、なんて書いてあるの?……ミライ?」
これは……書かれていた文字は……
日本語だった。
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日記帳、ここに僕の今日起きた出来事を書き記す。
なんて書いてみたけどこれ、後で見たら恥ずかしくてもだえ死ぬ奴だよね?
てか誰も見ないでよ?
とりあえず、いまの状況を書いていくかな?
簡潔に言うならば、何か異世界に勇者として召喚された。
これ、夢じゃないよね?ということで確認もかねて日記を書いていこうかなって思ったんだ。
ただ、ここの王様そんなに好きじゃないかなぁ……何か意地っ張りだし、ここの兵士たちにも僕を守るよう言ってくるし……そのために死ねくらいには。
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夢じゃないのか……起きても何も変わらなかった……
今日は僕の身体能力の確認として、訓練を行った。
ここに来る前は出来なかった動きができるようになっていたんだけど、これって勇者補正?
ただ、経験が足りないらしく、騎士団長には負けてしまった。相手の動きは見えるのに、行動に移せないんだよなー……
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あの王様うるさいなぁ……なんであんなに色々言ってくるんだろ?僕勇者なんだよね?なのになんであんなに偉そうにできるんだろ……せめて普通に接してくれればいいのに、僕が協力しなくなったらどうするつもりなんだろ……明日誰かに聞いてみよ。
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王子様の執事がどうやら似たようなことを思っていたみたいで、簡単に教えてくれた。
曰く、ただそこまで頭が回っていないらしい。つまりバカって事だね。
……うわぁ、こんなこと書いちゃって、より誰にも見せられないなぁw
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……今日、2人目の前で死んだ。
突然王様に街道の見回りをしてくれと言われて、行ってみたら変な魔物がいた。
初めて魔物を見たから驚いたけど、兵士たちも驚いていたから普通の魔物じゃないっぽい?
だけどそれで止まっているうちに1人殺されて……その人を助けようとした人も殺された……
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部屋から出たくない。王様がうるさい。
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王様が怒っているらしい、うるさい。
あの王様の配下も毎日色々言ってくる。
黙ってくれ……
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「あれ?ミライ、ここ、日付がかなり進んでるよ?」
「あ、ほんとだ。しばらく書いてなかったのかな?」
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今日は僕にとって特別な日になった。
少しだけ落ち着いてきたから外に出たら早速と言わんばかりに王様に今度は魔女が出る森の調査を頼まれた。
聞いちゃったものはしょうがないと思って仕方なく森へ行ったんだけど……そしたら魔物に囲まれて、そして兵士たちが沢山殺された。
とは言っても殺されたのは王様の命で仕方なく護衛着いた兵士で、いつも僕を助けてくれた兵士たちは無事だった。
……とはいえ、人が死んだのは辛いけど……
だけど!それを助けてくれたのがとある女の人だった!!
はっきりいって
恋しちゃった!!




