Ⅲ-Ⅶ 避難民と王子
元々俺はただの一般人だった。だがある時、突然■■として目覚め、城に仕えることとなった。
『流石、今日も精が出ますな』
『えぇ……いつどこで命を落とすか分からないものですから。だとすればやはりいつでも対応できるよう鍛えておくのがいいじゃないですか』
前半は本音、後半はあくまで建前だ。
ただ自分が死にたくないだけ。それだけの理由だが、その理由を糧に俺は少しづつ強くなることが出来た。
今まであまり使ってこなかった敬語を使い、宰相と話をした俺は再び鍛練を続ける。
そんなある時、俺はある通達を受けた。
『西にある森。その森で”魔女”が出たのと話が入った。早急に調査し、見つけ次第殺せ』
それは唐突だった。今まで人を殺すどころか故意に傷つけたことも無い自分がいきなり相手を殺しに行くのだ。
出来るのか?
そんな思いを胸に俺はその命を受けたのだった。
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「こんなに人が?」
たまたま見つけた隠し通路では大勢の恐らく今の状況を打開するため協力しあう人達でひしめき合っていた。
皆が皆、自分のことでいっぱいいっぱいといえどもこの数ともなると数人は変化に気づく。
「誰だアイツ?」
それは1人のつぶやきだった。だが、そのつぶやきが広がり、その場にいる全員に知れ渡る。
もちろんそのアイツというのは美雷のことである。
つまり。
「人がきた!?助けか!?」「わからん!同じく避難者かもしれん!!」「そしたら更にくいもんが減るぞ……!」「どうするんだ?ただ追い出すのも……」「だがそうも言ってられないだろ!」
予想通り軽いパニックになる。だがまぁ軽く済むだけでマシなのだとは思うが、それでも少し心苦しい。
だが1番意外だったのは、すぐに追い出そうとはせずに、迎え入れることも頭の隅に入れてくれている事だ。それだけでここの人達がどれだけ優しい人なのかが分かるだろう。
迷惑はかけられない。
「いえ、避難という訳では無いです。ですが助けという訳でもなくて、ただ、この事件……?が解決できないか探ってる状況です」
「それは本当か!?」
突然この中でも1番長身の男性が話しかけてきた。
「ルドリア様!?そのような正体も掴めぬ者に近づくのはおやめ下さい!!」
「だが貴重な探索者だ!!この国の問題を解決してもらえる可能性があるのならどのような者でも手伝って貰いたいだろう!?」
この人はルドリアというのか、様付けされている辺、かなり地位が高いように思える。
「しかしこの吹雪の中本当に探索出来るのか?」
確かにこの吹雪は辛いが魔法を使えば少しは抑えることができる。
「大丈夫です。このフェ……相棒の妖精が吹雪をある程度弾いてくれるのである程度なら探索が出来ます。ただこれ以上酷くなると困難になるかもしれないですが……」
今フェリの名前を言わなかったのはまず妖精の声は聞き取れないという事、として妖精の真名を知るということはそれほどまでに信頼、又は特殊な契約をしていることとなるらしいからだ。
その為、出来うる限りフェリの名前を出すことは控えている。厄介事は勘弁だ。
結果、また外の探索を続行することとなった。
最初は誰かしらが着いてくるのかと思ったが、今、王子が外にいたモンスターに怪我を負わされ、治療に専念しなくてはならない状況らしい。その為、人員が割けないため、誰かを私達につけることは出来ない……という建前で、実際は色々見られたくないものが多いから遠慮しておいたのだ。
得られるものは多くはなかったが、それでも生き残りがいるだけでも大きな収穫だった。
姉御「なんか少しづつ人数増えてきてるが作者は区別出来るのか?」
元ヤン「下書きとかなんもやってねぇしヤバいんじゃね?」
金髪「そういえば私の設定どうなってんだろ……」
『NGワード連発やめれ』




