Ⅲ-Ⅳ タイムリミットと氷
「「……」」
互いに口を開かないまま数分。
一番最初に静寂を破ったのは……
「それであなたは?」
リンさんの皆を代表したこの質問だった。
「……レイン」
名前聞いても性別分かんない!どっち!?多分女の子!ただの感!何となくそう思った!
「あんた達が誰か知らないけどここは今危険……長くいるとここの人達のように氷漬けになるよ」
「一体なぜここの人達はあんな事に?」
「知らない。僕が来た時はもうこうなっていた。あの時はまだマシだったけど」
こうなっていたのにまだマシ?どういうことだろう……
「周りの吹雪……どんどん強くなって……違う、狭まってきてる」
「「!?」」
その事に驚いたのは(いつ間にか戻ってきていた)キースとルークだ(ほか2人あんま喋んないな……因みにフェリが余り喋らないのは、実は妖精の声は普通聞こえないらしい。聞こえている私が異質なのであって、他は聞こえないらしいから、下手に返答できずにいるため、喋らないでいてもらっている……いやまぁ返答できないだけで喋ってもいいのだが……)。
確かに2人は街に入る際吹雪がどうとかの話をしていた。それがまさか重要な話だったとは……
「ねぇ、その吹雪が完全に狭まったらどうなると思う?」
「……私は多分この街が飲み込まれて終わると思う……そこからどうなるかは分からない」
まぁそうだよね、となるとさっさと解決するかこの街をでるかなんだけど……
「この街からは出られない。出ようとするといっそう吹雪が強くなって凍らされる」
「待て、俺たちは入ってこれたぞ?」
「入る時は問題ない、吹雪は辛いけど入ることは出来る。でも出ることが出来ない」
との事。
さて、どうするか……街からは出られない、でも今のところ解決策も見いだせない……どうしようか……
「……?」
この時、私は私のことを怪訝そうに見るリンさんに気づくことが出来なかった。
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結論としては、とりあえずこの街の中枢……とは言ってもどこかは分からないので分かりやすく城を目指す事にした。この事態になった原因が分からなくても何かきっかけさえ掴めれば問題ないのだ。
そして目的を定める前にもとある事を知った。
少し前にルークが勝手に突っ走って悲鳴をあげる羽目になったあの出来事。どうやらレインは関係ないらしい。
そしてルークはその時のことをできる限り説明していたのだが、そこでまた新たな発見があった。
どうやらまだ他にも人……しかも狐人族と思わしき人影が見えたらしい。それを最初レインと勘違いし、おっていた所周りをきちんと見ておらず、ただ屋根から落ちただけらしい。
結論から言うと……
「……私は罠なんて仕掛けてない」
との事。つまりはルークが馬鹿と言うことである。
「……おい、お前ら今何考えた?」
ナニモカンガエテナイヨ?
とりあえずは城に向かう……ようにしたかったのだが、氷が邪魔すぎる……どうにかしないと
元ヤン「頑張れ……」
姉御「んー?なんだろ……なんか来てる?」
元ヤン「どうした?」
姉御「……いや、知ってる気配と似てるんだけどいつもより禍々しいというか……何かやばい気配…」




