1話 オカマよりクレイジーなSっ気エルフ美少女だな
異世界にきてテンプレの、冒険者ギルドを探してると、近くから叫び声が聞こえた。
「助けてーーーーッ!誰かーーーーー!」
俺は声のする方に走って行った。だってこれは俺が街にきてのモテイベントだからさ。
「助けを求める声に答える、これも転生者のテンプレどおりだな。そしてそれを颯爽とたすけて、あなたステキみたいな感じで、可愛い女子が俺のパーティーとして共に異世界ライフを満喫するんだ」
そして俺は声のした路地へと入って、襲っている人へ向けて言った。
「やめたまえ、いたいけな女子に襲いかかるのは誰だあぁ! この転生者リュウタ様が成敗してくれるぅ!!」
しかし、状況は俺が思っていたものとは違った。
「女が脅迫して、おっさんが襲われてる?! なんて甲高い声出してんだよ変態衣装のおっさん」
襲っていたのは、青く鮮やかな手入れされた髪を腰まで伸ばしていて、本で読んだようなエルフの耳がある、美少女だった。で、甲高い声を出して襲われてたのは、一言でいうとオカマだった。
「助けてぇーそこのお兄さん、この女の毒ナイフで殺されちまうよ。助けてくれたら体を使ってお礼をしてあ、げ、る❤」
「ただの性別不詳のオカマ野郎かよ、おいおい、この街オカマ狩りでも流行ってんのか? そこの美しいSっ気のあるエルフ耳美少女よ、金目のものがほしかったら、俺のパーティーで悪性モンスターをレッツゴートゥーヘルしないか?」
Sっ気エルフ美少女は毒ナイフを回しながら、間髪いれず答えてきた。
「え?! あなたのパーティーに入れてくれるの? だったら是非とも入れてもらいたい。いや、入れないとお前もこの毒ナイフで……」
なんだこのエルフ、何事も脅さないといけないのかよ。
怖いなこの街は……
「わかった、絶対パーティーに入れるからその危険な物をおさめてくれないかい」
「決定ね!」
とっさにパーティーに入ってと、言ったけど大丈夫かなあ、心配だ。だって毒ナイフなんて持ってるんだよあんな可愛いらしい子が。いや心配とかそういう話ではない、これは決定事項なのだ。あのSっ気エルフ美少女を前にすると、少し恐怖心がわいて逆らえない気がする。
俺にマゾっ気があるなんてそんなの嘘だーー!!
「私はアルタリスというの、種族はエルフだから。よろしくね・・・」
「よ、よろしく俺はリュウタだよ。よろしく毒エルフ様」
「毒エルフって呼ぶな!」
俺はシリアスにならないように少しふざけたが、
毒はまずかったな。と思った。
「じゃあ、アルタリスって呼べばいのか?」
「そう、それでいいのよリュウタ」
「じゃあとりあえず、冒険者ギルドに行って登録しにいこう。・・あと、今みたいな脅迫はやめよう、頼みます。俺のパーティーは穏便に行きたいので」
無理を承知でアルタリスに頼んでみた。あんまり卑劣な手段を使ってると、他の冒険者の信用が無くなると思った。
「いいよ、やめるよ。もう脅迫なんてやる意味ないしね」
ふぅ、俺の話を聞き入れてくれたようだ。安心だ。
俺達は冒険者ギルドの建物に向かっていった。
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俺たちは冒険者ギルドに登録した。登録費用は全額アルタリスが出してくれた。
銀貨2枚目の登録費用がかかるみたいだか、無一文な俺に出せるわけがなく全額出して貰えると、ありがたい
「本当にいいのか? 全額出してもらって」
俺は申し訳なさそうにするしかなかった。
「いいの、いいの、私をパーティーに入れて貰えるならこれくらい払うわよリュウタ」
こいつ以外といいやつなのか? と俺は思った。あんな、オカマを脅迫してた奴が登録費用を全部出してくれるなんて。
「いやー、すまないねアルタリス」
冒険者ギルドではステータスの提出をしなくてはいけないので、俺はまた念じることでステータスを表示させた。
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リュウタ
レベル2
能力
『超爆速振り向きバックラン』『ガールボイス収束イアー』
スキル
なし
スキルポイント 3
逃げスキル
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「あれ、レベルが1あがってる何でだ?クエストもしてないしモンスターとも戦ってないぞ」
アルタリスは教えてくれた。この世界はモンスターの戦闘以外でレベルが上がる事があるらしい。1つ目はクエストの報酬、2つ目は経験だ。
経験て、オカマとの喧嘩を止めたことか?
それとも女の子とパーティーになったからか?
あまり深く考えたくなかった俺はスキルを振り分けることにした。
「相変わらず変なんスキルだな。スキルポイントが3あるから、逃げスキルに入れてみるか。というより、逃げスキルにしか振り分けできないんだけどな、それスキル振り分けだぁー!!」
新スキル『パルクール』を獲得
「おおー、これで逃げれないものはないってか!! 役にたたねーよこんなスキル」
俺は嘆いていると隣のSっ気毒エルフはからかうように言ってきた。
「あはは、なにそれ変なスキル。逃げスキルって、でもこんなスキル見たことないわ、世界で一人しか持ってないんじゃないの」
逃げ魔法が世界で一人って、この世界に俺ほど逃げに執着した人は居ないという事じゃないか。
「よけいなお世話だよ。アルタリスお前はどんなスキル持ってるんだよ、見せてみろよ」
「・・・嫌よ人に能力を見せるなんて」
そのときアルタリスは顔が険しくなる。
俺は地雷を踏んだのか? と思いすぐに切り返して言った。
「わかったよ聞かないよ能力なんて」
俺はそう言うと、アルタリスの表情は元に戻った。
分かりやすい奴だな顔ですべて判断つくぞ。
「ありがとう、ねぇさっそくクエスト受けにいきましょう」
「そうだな、いくか!!」
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リュウタ
レベル2
能力
『超爆速振り向きバックラン』『ガールボイス収束イアー』
スキル
『パルクール』
スキルポイント 0
逃げスキル
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アルタリス
レベル不明
能力不明
スキル不明
スキルポイント 不明
所持武器
毒ナイフ
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