トリックアート
その日、ヨメは仕事でしたので、ワーキャワーキャとうるしゃいジャリどもの面倒を見なくてはなりませんでした。
とんでもないストレス。
ばーさまから言付かれた買い物をしておりますと店内に「ハロウィン」のお菓子群が。
あら、もう、そんな次期?
と思いましたが一月程先じゃねーかよ。
気の早い店だな~。
と思ってますと、我らが若大将。当家の惣領の甚六と言えば彼。
息子のご登場でございます。
「これ何?ヾ(´ー`)ノ」
と聞いてくるので
「これは、ハロウィンつって、西洋のお祭りだよ。子供たちが、お菓子をもらえる日」
「ウソ!? お菓子もらえるの?? ウチは7人家族だから7つもらえる!ヾ(´ー`)ノ」
と見事な計算をしておりますが、内一人は自分。いとあわれ。
「ま、その日になったら、お父さんがお菓子をあげるかもね。」
この“かもね”がクセもの。
キチンと約束をしたわけではございません。
その辺の高等テクニックは親になると誰しもが身につけるもの。
早急に忘れさせようつって、公園に行って遊びます。
そして家に帰って餃子を作ります主夫な一日。
そうしてますと、ヨメが帰ってきまして。
息子がヨメの顔を見るなり
「おかーさん、ハロウィンって知ってる? お菓子もらえるんだって!!」
とのたまいますと、ヨメの方は胸を張りましてですね、
「知ってるよ。そんなの。
トリックアート!!
トリックアーート!!」
と鼻息荒く言ってらっしゃいますので、
「ずいぶん、難しいこと知ってるね」
「そうでしょ?
こうやって、お菓子もらうんですと?(なまり)
トリックアート!
トリックアート!!」
「トリック オア トリートじゃね?」
「(´゜ω゜):;*.’:;ブッ
そうでした…。>+◯」