第三回〜桜井玲
次の日、私は憂鬱でした。
休み時間の度に桜井くんが私の所にやってくる。
クラスも違うのに、わざわざだし。
面倒だからほっといてほしいのに・・・。
私はふと、
「ねぇ、なんで毎回私の所に来るわけ?」
と聞いてみた。
すると、
「蓮ちゃんと一緒にいたいからに決まってるじゃん。
それ以外に何があるの?」
と返された。
「なんかたくらんでる?私と一緒にいたいなんてありえない。」
でも私は少し嬉しかった。
あの事故以来、人と接してないからこんな事言われたの初めて。
きっと、皆といても、一緒にいたいなんて大胆なこという人はいないだろう。
「別にたくらんでないよ〜だ。昨日も言った通り、蓮ちゃんが好きなの。
だから、問題ナシ!!じゃ、休み時間終わっちゃうからまたあとね!!」
なにそれ・・・
問題大有りだよ・・・・・・
休み時間に毎回来られて皆に注目浴びるし、なんか桜井くんて人気あるらしいから
桜井くんのこと好きな人が嫉妬してくるんだよね〜。
ていうか『また』って次もくるつもりかなぁ〜
来ても楽しくないじゃん。私、しゃべるわけでもないし。
そしてなにより、男子がしゃべりかけてくるってだけでも、
胸が苦しいよ・・・。
だから、ホント・・・迷惑なんだけど・・・・・・
次の休み時間、私は中庭に逃げた。
中庭以外にもいつも人が少ない。
だからこの場所が好き。
ずっとこの場所にいられたらいいのにな〜。
とその時、
「蓮ちゃん見〜っけ!!」
と、声がした・・・・・・。その声のした方を見る。
「なっ!桜井くん!?」
そう、しつこい事に、桜井くんがまた私の元へ。
「なんでここにいるのが分かったの・・・?」
「なんでって・・・。
恋の勘!?」
「サイテー!!ストーカー!!どっかいってよ!!」
と私は怒鳴り散らしてしまった。
そのせいで、周りにいた人たちに注目された。
その中に桜井くんが好きなグループがいて、 この後、呼び出された。
「なんで玲くんにあんな口のきき方してんの?」
あ・・・めんどうくさいのに巻き込まれたな・・・・・・