とある貴族の婚約事情
ある意味、“あなたは誰に恋をする?”というのがメインストーリーのサブタイトルです。
乙女ゲームというジャンルの恋愛小説を読んでみてリアル乙女ゲーム何ぞあったらたまったもんじゃねぇな。…と思い書いた作品です。今作の投稿は人間模様、重視で書きます。
※尚、何らかの作品を参考にしている訳ではありません。私なりにこんな乙女ゲームがあったらなと書いてみました。「実際の乙女ゲームに、これは無いだろ!」と思われるかもわかりませんがそこら辺はご容赦を。
悪役令嬢の婚約者(でも、乙女ゲーム内では攻略対象では無い)の胸中を書きました。
好き嫌い好き嫌い好き嫌い
人には好き嫌いがある。
勿論、私にも…
唐突だが私には婚約者が居る。
婚約者との関係はまあまあだ。強いていうなら苦手なタイプのご令嬢。だが、今まで共に戦い絆を深めた戦友…の様な感じだろうか?
彼女に初めて会った時は今でも鮮明に思い出せる。私と彼女の顔合わせとも呼べる御茶会でのこと、二人きりになったとたん「私、貴方が嫌いだわ。」化粧の濃い派手なご令嬢はハッキリそう断言された。
正直、最初は何を言われたのか理解できなかった。初めて会う婚約者になぜ、そのような事を言われたのか?思わず目が点になり無言となった。「(私達の婚約は双方の合意と利益があるから結ばれたもので…ハテ?今日は何の茶会に来たのだ?)」思わず現実逃避してしまった。
それから彼女は「私はこの婚約を認めて無いわ!!だいたい私は○○様が好きで!(なんたらかんたら…)」
その時の私はかなり間抜け面だったと思う。彼女の話の半分も聞いていない。まぁ、今思えばそれで良かったと思う。ハァ~その後、私は恐らく無難な…挨拶を?恐らくして退散した。どのように切り上げたのか記憶が曖昧だ。まぁ、致し方ないと思う。私はまだまだ若かった。それから向こうの親御さんが謝罪に来られ贈り物を貰い結局、今の今までに至るという処だ。
後から聞いた話、彼女はどうも我が国の王子に一目惚れして常々、彼のお方の妻になるのだとよく言っていたそうだ。そこでこの婚約だ。私はとばっちりを受けただけ。本来ならこの様な婚約は破棄するべき処だ。だが、やむにやまれず婚約は続行する事となった。
それからというもの彼女と定期的に御茶会が開かれ彼女との攻防?おさまる事なく何とかせめて慣れるまではかなり苦労した。
早く彼女が王子を諦め、またはいっそのこと私は全く有り得ないと思っているが万が一にも玉の輿に乗って婚約破棄を申し入れてくれるなら、喜んで私の今までの苦労と婚約する事で発生する筈だった諸々の我が家の利益をキッチリ払って頂きたい。
私は諸手を上げて祝福しよう。
「だからミレティ早めに婚約破棄をしてね。僕も忙しい。」
「フンッ!そんな事、言われずともわかっています!貴方との婚約など早々に解消して私の愛しの王子様の元へ行きますわ!!」
「そう言いながら何年たつのかな?もう、諦めて現実を見たらどうだい?ちょっとはその空っぽの頭でよくよく考えてみたら…あ!そうだ。君の頭はそんな事も考えられない程に空っぽなんだね。ハハハッ(嘲笑)」
「キッ~、何ですって!!」
そんなこんなで今日も一日、平和です。…僕の周りでは
お読み頂きありがとうございましたm(__)m