秘密と進展
ミスでデータ消しちゃってビビりました。
少し考えてた内容が変わっちゃいました。
これで終わりです。
よろしくお願いします。
「先輩」
こっちを向いて。
+ + +
「という感じで小説を書きたいんですけど、どう思います?」
「それパクリでしょ」
「ですね」
「そこは普通否定するものだと思うけど」
「えっ、じゃあ違います」
「遅すぎるし下手すぎる」
ノリが合わなかったらしい。
こういうことはなかなか難しい。
「というかなんでいきなり小説なのよ?」
「ああ、僕の友達に小説書いてるやつがいて比べたいから書いて欲しいって言われたんですよ」
なかなか上手くいかないが。
ネタも見つからないし、書き方もよく分からない。
「嫌な友達ね」
「そうですか?」
「あなたこんなことでも鈍感なのね」
鈍感といわれてしまった。
小説を書いてと言われただけで嫌な奴になるのかね。
「ええ。素人に作品書かせて自分だけ優越感に浸りたいのよ。最低ね」
心底軽蔑したように先輩はそう言った。
そしてこう言った。
「私が書いてあげる」
「ええ・・・でも」
「いいから」
「はい」
この時の先輩は少し怖いと感じた。
でも可愛いとも思った。
+ + +
「先輩すごいんですね」
先輩の書いた小説を友達に見せてみたところかなり絶賛されてしまった。
もうプロでもおかしくないらしい。
その顔は少し悔しそうだった。
しかし先輩から見るなと言われてしまった僕は全く読んでいない。
「べた褒めでしたよ」
「そう」
何でもないように振る舞っていたが少し恥ずかしそうだ。
自分の書いた小説がこうも褒められると恥ずかしいのだろう。
「先輩って何か書いてるんですか」
そうでもなければあそこまで褒められるわけが無いし、先輩も書くときに自信がありそうだった。
「ん~、えっとね」
先輩は何か言い難そうだった。
そして何かに悩んでいるようだ。
「ねえ、これは秘密にしてね」
そう言って僕に耳打ちしてきた。
「私って作家なのよ」
なんと。
それならプロのような文章というのは当たり前だ。
だってプロなんだから。
もっと聞いてみると先輩は僕でも知っているような有名な作家だった。
「なんで教えてくれなかったんですか」
「恥ずかしかったのよ」
拗ねたように言ってみると先輩はおろおろとし始めた。
先輩の姿が小動物のように見える。
「じゃあなんで今教えるんですか」
「ずっと秘密にはしておけないでしょ」
最初から教えるつもりはあったのよ、と付け足す。
別に責めたつもりは無い。
「ねえ、先生」
「やめてよ」
「じゃあ先輩」
先輩に頼みたいことがあった。
しかしそれを言う前に先輩が先に発言した。
「先輩もやめて」
「え、でも」
「もう付き合ってるのにずっと先輩って呼んでて気になってたのよ」
先輩は赤くなっていた。
僕も赤かったのかもしれない。
「ねえ、書いた小説を見せてよ」
僕は敬語を使うのはやめた。
そして彼女の名前を呼ぶ。
+ + +
先輩から借りたあの小説を読んでみると思わず笑った。
その内容は僕たちの話だったから。
鈍感といわれる僕と先輩の話だから。
だから最後にこう付け足した。
『僕たちの話は終わらない』と。
勘違いされるかもしれませんが続編はありません。
へたくそですみません。
ここまでお読みいただきありがとうございます。