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初めてのデートとその成果

今回はメタネタを多く含みます。

苦手な方はご注意ください。

「ごめん、待った?」


「いいえ、今来たところです」


ここはテンプレというものに従った方がいいだろう。

ここでいちいち外す方がどうかしている。


「ふふ」


先輩が楽しそうだ。

テンプレというのはやはりいいものかもしれない。

僕もなかなか楽しい。


「じゃあ行きましょうか」


「ええ」


今日はいい日になりそうだ。


+ + +


「楽しかったですね」


「・・・ええ」


先輩が少し怪訝そうだ。

どうしたのだろうか。


「ねえ、今なぜか私たちの場面が省かれなかった?」


「気のせいでしょ」


そのはずだ。

かなり張り切った成果が省かれるなんてことはないはずだ。


「色々行きましたね」


「ええ、別に描写してたなら言わなくてもいい気がするんだけど」


「はは、先輩。何を言ってるんですか」


描写なんてそんなことを言うなんて。


「ショッピングのときとかいろいろありましたね」


「そうね」


僕はそのことを思い出す。


+ + +


「ねえ、あそこ行かない?」


「いいですけど、先輩はしゃいでますね」


「あまりこんなところ来ないのよ」


「へえ」


なかなか珍しい。

あまり町から離れてもいないのに。


「というか先輩の家ってどこらへんですか」


先輩を送ったことならあるがそれも途中までだ。

先輩の実際の家は知らない。


「ああ、△△△町の方ね」


「へえ、結構遠いですね」


「そう?」


「今度遊びに行ってもいいですか?」


「いいわよ。じゃあ私もあなたの家に行ってもいい?」


「別にいいですよ」


その時先輩が何かに気付いたようにはっとしたような顔になった。

少しニヤニヤしてすぐに顔を赤らめた。


「どうしたんですか」


「な、何でもないわよ」


挙動が不審だったが気にすることでもないだろう。

というか地雷な気がする。

君子危うきに近寄らず、だ。


「そういえば先輩」


「何?」


「化粧してます?」


「ええ」


「可愛いですよ」


「ありがとう」


先輩が笑った。

本にあった知識が役にたった。

姉に今回のデートがばれて渡された本だ。

確か題名は『これで君も男になれる~女性を扱う方法~』だった気がする。

なんで姉がそんな本を持っているんだろう?

男になりたいんだろうか。

想像しようかと思ったがやめた。


人が増えてきた。

はぐれてしまうかもしれない。


「先輩離れないでくださいよ」


「分かったわ」


そう言って体を近づけてくる。

先輩の髪の匂いが香る。


「ねえ、どうする?」


先輩が顔を上げた。

体が近いので必然的に顔も近くなる。


「わっ」


すぐに離れようとするが人ごみの中に居るのでうかつには動けない。

だから先輩の顔を見ないようにする。

それでも先輩の息遣いは聞こえた。


「ねえ」


そして先輩が僕の手を取った。


「!」


「こっちの方が安全でしょ」


僕の体が熱くなった。

しかし先輩の手からの温もりはかなり熱いように感じた。

これが普通なんだろうか?


そう、思いながら先輩と一緒に歩いていく。


+ + +


「ねえ、別にこれがあるなら省く必要なかったんじゃない?」


「そう言えばそうですね」


もう取り繕うのにも疲れた。

僕は悪くない。


「でもなかなか楽しかったわね」


「そうですね」


そう言って先輩が歩き出す。

そして僕もそれについていかないといけない。

だって僕たちの手はまだ繋がっているから。

タイトル変更しようかな。

あ、あと2話くらいで完結予定です。

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