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プロローグ

そろそろ日常というジャンルが欲しいです。全五話

 シスターコンプレックスという言葉がある。

 『コンプレックス』という言葉が本来通り示すならば『姉妹の劣等感』と直訳できるはずなのだが、どういう訳か『身内の姉もしくは妹好きの兄もしくは弟』という意味でつかわれている。これが本来かどうかは知らないが。


 まぁ頭の悪い俺の戯言だと思っておいて結構だが、『身内の姉もしくは妹好きの兄もしくは弟』という意味でつかわれるシスターコンプレックス――通称シスコンだと、俺はよっく言われる。


 さて。そろそろ俺の自己紹介をしよう。俺の名前は新垣孝徳(たかのり)。現在進行形である意味憂さ晴らしとも言える言葉を羅列している者である。

 シスコン、と周囲に呼ばれるということは姉妹のどちらかがいるというのは容易に想像がつくだろうから言っておくが、俺には妹がいる。


 その名は新垣良家(りょうか)。『良き家に嫁ぐように』と意味を込めたそうで、実際良き家というのに何ら問題なく嫁げるぐらいに成長している。


 同じ高校に通っている故に教師たちに比べられるぐらいには。


 俺は自他ともに認める不良だ。授業なんて当たり前のようにサボるし、出席日数なんて当たり前のようにギリギリ。学校よりバイトの方を優先し、喧嘩なんて生きてきた中で百を超える。

 さすがにたばこは吸わないが、人相が悪いのも相まって周りの教師からは忌避されている。


 対して良家は自他ともに認める優等生。品行方正、成績優秀、容姿端麗と三拍子そろっている上に気遣いも気前もいいというチート張りの妹。

 今一年生で俺が二年だが、あいつのファンは学園に広がり、もう生徒会長に就任している(と、同時にファンクラブが結成された)。


 と、水と油、犬とサルぐらいに対照的な俺達。

 にもかかわらず、俺の周りの奴らが俺の事をシスコン呼ばわりする。


 その度に俺は睨みを聞かせながらこう言う。


「俺はシスコンなんかじゃねぇよ」


 これは、そんな俺達兄妹とそれを取り囲む奴らとの日々の日記となる……だろうか。

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