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パパっ子
この作品は、日々、並々に生きる人々の、日々、並々ならぬ出来事や思い出を綴った超短編小説集です。
「パパ、私、彼氏できたんだ!」
キャミソールに短パン、下着同然のような格好をした十九歳の娘が、嬉しそうにスマホに表示した彼氏とのプリクラを俺の目の前に突き出した。
「おう、この前よりいい男じゃねーか」
俺はぶっきらぼうにそう言い焼酎をグイッとひと飲みする。「でしょう?」とにやける娘を見て思う。元嫁には悪いがこいつはパパっ子だ。
「俺もお前に報告があるんだ」
チラッと俺を見た娘が「なに?」と太い声を出した。何かに感づいたのだろう。ゆっくりと居酒屋の中を見渡してから、改めて面と向かう。
「ガキができたんだ」
娘は「ふーん」とだけ言った。複雑なんだろう。こいつはパパっ子だ。娘がフッと微笑む。
「じゃあ、孫と同い年になっちゃうね」
複雑な気分だ。でも、どこか嬉しい。孫はおじいちゃんっ子になるに違いない。
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