プロローグ 御用改めであるっ!
初めましてこんにちわ。
若葉 美咲です。
初めましてではない方、いつも読んでいただきありがとうございます。
今回も毎日投稿を目標に頑張りたいと思います!
どうぞ、楽しんで行ってください。
ここは日本。
昔も今も侍の都。
しかし今、日本に闇の手が迫っていた。人の血と命を狙う百鬼夜行、魑魅魍魎が動き始めていた。
日本の小笠原諸島にこっそりと隠れ住んでいた霊感が強く、霊力が高い夜紅族がただ一人、残った純血の少女に世界の命運を託し、旅立たせた。純血の少女は一族の中で最後の夜紅族だけの血を受け継いだ者だった。その分、霊感も霊力も人一倍強い。
少女は一人、旅立っていった。世界を救うために。
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浅葱色の羽織を羽織った人が店へと流れ込んで行く。
「御用改めであるっ!! 手向かう者は容赦なく斬るっ!! 」
新選組だ。局長の近藤 勇が高らかに宣言する。
近藤と一緒に踏み込んだのは沖田 総司と永倉新八、藤堂 平助だ。4人とも新選組の中で幹部だ。
尊攘派志士は応戦してきた。
刀と刀のぶつかり合う音。火花と血が飛ぶ。
総司は得意な三段突きでかかって来る相手を切り倒していた。血の香りが総司の戦闘本能を刺激している。
「近藤さん、静かに入れば良かったじゃないですか」
勇と背中合わせになりながら、総司が言った。
茶髪の髪が揺れ、緑の切れ長の目が相手の動きを捕えて離さない。睨まれた者はその場から動けなくなってしまう。危険だと本能が言っているのに体が追い付かないのだ。
「いいんじゃないっ!? 近藤さんらしくてさっ!! 」
幹部の中では一番若い、平助が口を開く。灰色の長髪を揺らしながら平助は俊敏な動きで相手を翻弄している。刀が揺れていていつ襲い掛かるのか分からない動き。平助が最も得意とする動きだ。
「そんな余裕な話をしてるんじゃねぇ! 死にたいのか? 俺が引導渡してやろうか!? 」
緊張感が緩む会話をしている二人に新八が怒鳴った。筋肉質な体で黒髪は短くボサボサだ。茶色の目は鷹のように相手の動きを観察している。普段は俺様なところがある新八だが戦いになると一番頼れる存在に変わる。
「皆さん、こっちです!! 」
今の新撰組には一人の女がいる。監察方の柳澤 夕希だ。ある理由があり男しかいない新撰組で働いている。
芸子の着物を身にまとっている。もちろん敵方に潜り込むためだ。
黒い髪を男のように高い位置で一つに結んでいる。茶色の目は大きく可愛らしい。
夕希が集めてくれた情報を頼りに奥へと乗り込んだのだった。
______これは新選組と妖達と戦い続ける少女との物語だ_______