表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/48

第5章 襲撃とアラーム

 すると突然けたたましいアラームが鳴り響いた。訓練開始の合図だろうか。ニーナがテオを見るとその驚いた顔に自分も驚くことになった。

「このアラームは何なの?」

 焦って聞くとテオが繋いだ手に力を込める。

「襲撃だ!影がこの町で発生したんだ!」

 ニーナは突然引っ張られたテオの手について行けず床に手をついた。テオはすぐに戻ってきて立ち上がらせる。そして改めて手を握った。

「シャドウアタッカーは今大半が遠征してるんだ。僕達も手伝わなくちゃ」

 ニーナは突然のことで混乱していたが、戦闘員の人数が少ないのはよく分かった。ドアに向かって走り出すがすぐに問題に直面した。

「待って!私魔法も何も分からない!戦力にならないわ」

「え、嘘だろ?」

 二人はドアをくぐり抜けて長い廊下を走っている。テオの表情がどんどん暗くなるにつれて、ニーナの自信も萎んでいった。外からは人々の悲鳴や物が壊れる音が聞こえてくる。アラームも鳴りやまずにその仕事をまっとうしている。


「分かった」

 テオの手から黒い炎が伸び上がる。魔法だ。

「君の身体能力を最大まで引き上げる。足も速くなるし筋力も上がるからそれで住民の避難を頼みたい。分かった?」

 黒い炎はニーナにまとわり付くとフッと消えた。確かに力が湧いてくる気がする。

「これが魔法!すごいね!」


 ドクン。

 ニーナの感動していた顔が強張る。目の奥が針を刺したように痛み、また発作症状に似た動悸が起こる。先程のように。

「うっ」

 暴れる心臓を押さえて呻くと、テオが走る足を止めてニーナの肩を掴んだ。

「どうしたの?!」

「元々身体弱いんだ。でもいつものことだから大丈夫……」

 ニーナは汗が頬を伝って落ちるのを目で追いつつ、また足を前に出した。

「行こう。私達にできることをしないと」

何故こんなにも身体が弱いのだろう。自分を呪いながらゆっくりと這うように進み始めた。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ