ぼっちは勉強ができる。
ぼっちなおれ――――古ヶ岡友弥の後ろの席の人がついに教室に顔をだした!?と、思いきやその人は『ぼっちに最も遠い存在』だった!?
ぼっちでだめだめの友達が野良猫の俺と、ぼっち希望の弟子が送る青春系ぼっちラブコメディ!
「勉強ができるのは、友達がいなくて暇だったからだよ!悪かったな!」
「・・・・・X=5・・です。」
俺はチョークをおき、すたすたと自分の席に戻る。そして静かな中、教室に俺が椅子に座る音だけが響いた。先生も生徒もみんな、困った表情をしている。俺は何事も無かったようにシャーペンを手に持ちノートを写す。
こういうのは慣れていた。なぜかいつも俺が前に出て問題を解くと、『え?なに?あいつ頭よかったっけ?』『あんな人クラスにいた?』みたいな目線を送られる。悪かったですね、友達がいないせいで暇で、勉強くらいしかやることがなかったんですよ!
はぁ、と溜息をつきふと後ろをみる。空席のままだ。
―――――穂稀鞠斗。どんな奴なんだろう。初日に出席しなかったせいか、少しだけ興味がわいた。と、いうよりは自分に近い存在かも知れないという期待を持っていた。もし俺と同じ存在――――ぼっちだったら、友達になれるかもしれない=ぼっち脱出! など変な想像をしているときだった、
「失礼します。」
ドアを開ける音と同時に凛とした声が耳に入った。ドアの近くには、ここの制服をきた1人の女の子が立っていた。全員がその生徒を驚きの表情で見つめている。もちろん俺もだ。
「遅れてすいません。」
女の子は先生に向かってそういうと、黒板に背を向け歩き出した。
「あ・・・ああ・・・。」
先生は驚きを隠せない表情で、ただ立ち尽くしていた。
腰の辺まである髪は隙がなく真っ直ぐ伸びていて、瞳には力強い光があった。すらっと伸びた体形は出るところもしっかりと出ていて、モデル並みのスタイルだった。顔も整っていて、該当100人アンケートで「この人は美人?」と問われれば、9割は美人と答えるだろう。
しかし、あまり近づきがたいオーラよりは、どことなく柔らかな雰囲気があった。大人っぽいが少し幼い顔立ちだった。
まぁつまりあれだ、俺が言いたいことはただひとつ。
その人が「ぼっちに最も遠い存在」だってことだ。
そのぼっちにもっとも遠い女の子が、1つにまとめた少し青みがかかった黒髪を揺らしながら俺のほうに近づいてくる。
ふと、女の子の髪の毛が頬をよぎった。女の子が俺の横を通り過ぎるとガタンと、音がした。恐る恐る、後ろを振り返るとそこには女の子が座っていた。何事もなかったかのように平然と座っている。
まさか、こんな奴が後ろの席だなんて。
この学校は珍しい事に席替えを一切行わないのだ。つまり、1年間ずっと同じ席。後ろも前の席も変わらないということになるのだ。
俺が凝視していたせいか、女の子と目が合ってしまった。
「よろしく・・・お願い・・です。」
少しぼやけた声が耳に入った。
え?なに?もしかして俺に話しかけたのか?そうなのか?・・・いや!早まるな!俺!中1の頃を思い出すんだ!町でたまたまあったクラスメイトに手を振られた、と思って勇気を振り絞って振ってみたら、俺の後ろにいた隣のクラスの山本君に振っていたという悲しい事件を!いやしかし!あきらかに俺に言っただろ!もしそうだったら、『脱ぼっち計画』のため、このチャンスを逃すわけにはいかない!ぼっちに最も遠い人間なんか関係ない!とりあえず何か言おう!そして脱ぼっち!
1、「こちらこそ、よろしくお願いです★」
2、「僕、古ヶ岡友弥っていうんだ。ともともってよんでね★」
3、俺に話しかけてない可能性もあるので無視する。
さすがに、1と2はありえない。引かれることまちがいなしだ。3は、もし本当に俺に話しかけてくれたというのならば、それは申し訳ない。やっぱりここは、
「よろし――――。」
『キーンコーンカーンコーン』
俺の声を授業終了のチャイムがさえぎった。先生は、安心した様子で教室から出て行った。ほかの生徒も次はお昼なので、多くの人が次々と教室から出て行った。
女の子もすっと席から立ち上がって、教室から出て行ってしまった。
「はぁ・・・・。」
俺は大きなため息をついて、かばんからお弁当を取り出し教室から出た。
人生そううまくはいかない。俺はそれの繰り返しだ。
「今日もあいつ、いるかな?」
そう1人で呟きながら猫のところへ向かうのであった。
閲覧ありがとうございます。
久々に小説家にな((ryをログインしたらなんと!お気に入り件数が『6件』もつい
ていてびっくりしました。本当にありがとうです!
初めて友弥以外のキャラが出てきましたwww
次話もみてくれるとうれしいです。
なぜかこの小説を書いてると、自分のトラウマが蘇ってく((ry