バタフライエフェクトの渦3 [解決?]
「ただいま」
「おかえりー」
「あれ、佐藤君は?」
「ふふ、あそこよ」
お母さんが指さした先にはおばあちゃんと将棋をしている佐藤君がいた。
「参りました……」
佐藤君は肩を落としていた。
「お主は自分のことをよく観察し、考えるのじゃ。そうすれば答えは出るはずじゃ」
「観察……」
おばあちゃんはとにかく賢いし聡明だ。
この言葉に意味がきっとあるのだろう。
「さあ、次は誰かのう?」
「はい!私やりたいです!」
そうして果敢に挑んだ酒井さんだったが…
「参りました……」
「ふむ、少し動揺があるのう?」
「!?」
酒井さんんの肩が少し上がる。
「まあ、おぬしはまっすぐに進めばいい」
「…はい」
酒井さんの目にはどこか憂いが含まれているような気がした。
ただ、迷いはなさそうだった。
「さあ、次は誰じゃ?」
「俺ですね?」
「ほほ、いい面構えになったのう?」
「……はい」
そうして開始される将棋だがすぐに決着はついた。
「参りました」
「ほほ、まったくもって弱いのう」
「……すみません」
「いいや、おぬしはそれでよい。とても気持ちのいい勝負じゃったよ」
「……はい」
そうしておばあちゃんは私に目を向ける。
「さて、最後は光かのう?」
「うん」
「さて、分かったかの?」
「多分」
そして始まる勝負だが……
勝負はすぐ着いた。
「おお、負けたのう」
「おお、すごい光ちゃん!」
「……全然だよ」
そう、これはきまっていた勝負だ。
「まただね。おばあちゃん」
「ほう、なんのことかのう?」
おばあちゃんはいつもそうだ。
私が答えにたどり着くと決まってわざと負ける。
そもそも、それ以外では、私がおばあちゃんに勝ったことなどないのだ。
「はあ、じゃあ正解なんだね?」
「はて、何のことじゃ?」
これはきまりだ。
今回二人に言ったのはきっとこうだ。
「そのままではいけない。早くあの女の子のことを解決した方がいい」とかだろう。
証拠はない。
ただ観察していて感じたのは、三船君の覚悟はここにきて急だったこと。
きっかけがあるなら、おばあちゃんしかいない。
そして、神社に行く前の佐藤君の様子。
きっとあれはおばあちゃんに言われて気にした結果なのだろう。
「はあ、おばあちゃんあまり若者をいじめないでよ?」
「ほほ、ほどほどじゃよ」
楽しそうに笑うおばあちゃに私は呆れる。
だけどその笑顔はきまって私の心を温かくする。
そうしてみんなでにぎやかに過ごして一日は終わる。
「さあ、寝る準備をするかのう」
「そうですね」
「はーい!」
そうして酒井さんはおばあちゃんとお母さんの手伝いに行く。
「俺も行くよ」
三船君も手伝いに行く。
そうして私は佐藤君と二人残ることになった。
少し佐藤君からあの雨の日にも似た感じがしていた。
「気にしなくていいからね?」
「え?」
「おばあちゃんに言われたんでしょ?酒井さんのこと」
「な、なんで、それを?」
「まあ、観察した結果かな」
「……そうか」
少し佐藤君は黙る。
そこには虫の鳴き声だけが響いていた。
「俺、どうすればいいんだ?」
その目にはいつものまっすぐな目はなく、縋るような目が合った。
「知ってるはずだよ。佐藤君は」
「……それおばあちゃんにも言われたよ」
「うん。私も同じだよ。答えは自分で探さなきゃ」
「……そうだよな」
そこで目から縋るような目がなくなる。
「すまん」
「いいよ。友達でしょ?」
「…そうだな」
少しにっこりする彼の姿に私は安心するのであった。
そうして私たちは男女別れて寝ることになりその日は就寝した。
だが、その日は以上に暑い気がして私は夜中起きてしまった。
そうして水を飲もうとおばあちゃんの部屋の前を通ると明かりがついていた。
誰かは分からないがおばあちゃんと話していた。
「そうか、光が好きなのじゃな?」
誰かは返事はしない。
だが、その沈黙が肯定しているかのようだった。
「……」
私はその場に固まってしまう。
だが、すぐに聞いてはまずいとその場を離れる。
私は水を飲み部屋に戻ったが寝れなかった。
人生で初めて自分の恋について考えていてしまった。
「……どういう感情なのだろうか……」
好きになるとは。
好意を寄せるとは。
夢中になるとは。
私はただひたすらに想像することしかできなかった。
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