濡れてない傘の秘密[解決]
私は車に乗って去っていく姿を目で追いながらそこに引っかかりを感じる。
「……もしかしたら」
「何か分かったのか?」
「多分ね」
私はコーヒーを飲みゆっくり目を開ける。
「おそらく、これは悪意じゃない」
「でも、なんでだ?」
店内は私たちの会話だけが静かに響いていた。
「車だよ」
「車?」
「そう、その子は車で帰りは迎えに来てもらっていた。だから帰りは傘をさしてなかった。それで私の傘は濡れてなかった」
「そうか…親が迎えに来ていて急いで帰っていたってことか」
「うん。だから偶然、間違えて持って帰ってしまった」
私は無事、違和感が解決して胸がすっきりしていた。
「ふ、よかったな」
三船君が少し微笑みながら言う。
「うん」
窓からは少し光が差しだしていた。
「あ、晴れたみたいだね」
「ああ」
外出ると雲の切れ間から光が差しだしていた。
「じゃあ、行くか」
「そうしようか」
そうして私たちは帰路に着く。
外は雨粒が電線から落ちて地面で跳ねていた。
「傘持つよ」
「え、いいよ?」
「いいんだよ」
そう言って私の手から一つ傘を取る。
「ありがとうね」
「……ああ、気にするな」
そうしてその日はすっきりして家に帰れた。
翌日。
「違和感の謎が分かった?」
「本当、斉木さん?」
「うん」
私は酒井さんと佐藤君に謎の真相を話す。
「ああ、なるほどな」
「確かにそれなら納得ね」
二人も納得のいく答えを得られてすっきりしていた。
「なあ、斉木さん」
「うん?なに?佐藤君?」
佐藤君は少し真剣な顔になる。
「え?なに?」
「えっと、その……」
少し下向きに顔をしながらも話を続ける。
「そういうのは俺にも言っていいんだ。話くらい聞くから」
そう言って顔を少し柔らかくなる。
「わ、私もいいからね?」
「もちろん、俺もだぞ!」
「う、うん」
なぜかみんな必死になって伝えてくる。
でも不思議と嫌じゃない。
心は温かい。
「ふふふ」
なんだかそれがおかしくて笑えてくる。
「笑った……」
「ああ」
「うん」
三人が驚いている。
「そんなに驚くことなの?」
みんなが頷く。
「私人間だよ?」
「そうなんだけど、斉木さんだからな」
「そうだね。斉木さんだからね」
「斉木さんだからな」
満場一致で私は別らしい。
「まあいいか」
そうつぶやき外の景色を眺める。
外は快晴そのもので雲一つなく一面青色だった。




