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斉木光ノ観察記録  作者: マモシ
一年生編

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後日談 甘酒がの匂い香る謎

「これでみんな同じだな」


佐藤君が改めてお願い事して満足げに言う。


「ふふ、だね」

「うん」


みんなで喜んでいると三船君だけが黙っていた。


「どうかした?」

「いや、俺微妙に違うけどいいのかなってな…少し罪悪感がな?」


少し顔には影があった。

私は口元に手をもっていって「しー」と言いながら人差し指を立てる。


「じゃあ、みんなには秘密にしておこう」

「!?」


三船君は呆気に取られて表情が固まっていた。


「どうかしたのか雄一?」

「い、いや。なんでもない!」

「お、おう」


三船君はいきなりの秘密発言で驚いたのだろう。

悪いことをしたかも。


「ごめん」


私は小声で伝える。


「いや、いい……」

「??」


三船君は体から力が抜けていた。その様子を見るに怒ってはいなさそうだった。


「なあ、最後におみくじひかないか?」


佐藤君が皆の方を見ながら提案する。


「それいい!」

「いいんじゃないか?」


酒井さんも三船君も賛成のようだった。


「斉木さんもそれでいいか?」

「うん」


そうして私たちはおみくじが売っているところに来た。

そこは長い列が出来ており、人の笑い声、赤くなった鼻、白い吐息どれも新鮮だった。


「わあ、ひとがいっぱいだね」

「まあ、そうだよな」

「……仕方ないな」

「仕方ないね」


そうして列に並び30分後みんな無事にくじを買えた。


「じゃあ一斉に開くぞ?」


みんなが頷く。その目は真剣そのものだ。


「いっせいのーせ!」


佐藤君の声が周りに反射して大きく聞こえた。それを合図にみんなが開く。


私は手元のおみくじを見る。小吉だ。


「誰か凶はいるか?」


みんな首を振る。


「……俺だけか」

「え、凶なの?彩人」


酒井さんは珍獣でも見るような顔で佐藤君を見ていた。


「…本当か?」


黙っておみくじを見せる佐藤君。

そこには凶の文字。私は目を大きく見開く。


「ほんとにいるんだ凶って…」

「私も初めて見た」

「ああ、俺もだ」


場がしんと静まり返る。


「ま、まあこんなの占いみたいなものだしね?」

「そ、そうだぞ。彩人気にするな?」

「……みじめになりそうだ」


佐藤君は余計に落ち込んだ。


「大体、内容はなんて書いてあるの?」

「うん?えっと…」


佐藤君は自分のおみくじの内容をよく確認していく。


「あれ?そんなに悪くないな?」

「そうなの?」

「ああ、ただ恋愛運だけ意味わからないな?」

「なんて書いてたんだ?」

「えーと、《《まちすぎまちびとさる》》。気をつけたしだな」

「え、彩人好きな人でもいるの!?」


目を大きく開き食い気味で聞く酒井さん。

その目には強い意志を感じた。


「い、いや。まだいないぞ?」


酒井さんから熱気がなくなる。


「そ、そう……ょかった」


最後は小さすぎて聞き取れなかったが内容は予想できた。


「まあ、そのままだな」

「でも、俺は好きな人なんていないぞ?」

「無自覚に好きな人がいるんじゃないのか?」

「うーん」


佐藤君は腕を組み考え込んでいたが諦める。


「……思い浮かばない」

「まあ、それなら気にしなければいいんじゃない?」

「まあ、そうだな」


佐藤君は納得したのか一人で頷いていた。


「で、みんなはどうだったんだ?」

「私は吉」

「俺は小吉」

「私も小吉」


「はあ、俺だけか…しかも恋愛は謎だし」


そういって肩を落とす佐藤君。


私は少し同感だった。


「……苦手だな。それは」


その内容は自分のことではないみたいで不思議だ。

私はおみくじの内容に心がもやもやしながらみんなの後を追った。


みんなが去ったその場には地面にひらりとおみくじが落ちていた。

誰のものか分からないおみくじには「待ち人迎えに行けば万事うまくいく」そう書かれていた。














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