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斉木光の観察記録  作者: マモシ
一年生編

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20/30

後日談 破かれるドレスと破れる恋

「エントリーナンバー10!酒井美幸さんの登場です!」


アナウンスとともに酒井さんが舞台に出てくる。

会場は熱気に包まれていた。


「……すごいね?」

「あ、ああ」


三船君は好きな人の美しい姿に見惚れていたのか。反応が遅かった。


「三船君写真撮らなくていいの?」

「そ、そうだな!」


三船君は慌ててスマホのカメラを起動さす。


「う、うまく取れない……」


三船君を見ると手が震えていた。


「私が撮るよ。悪いけど少し持ち上げてくれる?」

「あ、ああ。わかった!」


私はカメラを酒井さんに向ける。

すると酒井さんは私に気付きピースをする。会場は熱気が強くなる。

その瞬間をカメラで撮る。


「もういいか?」

「うん。いいよ」

「ど、どうだ!?」

「うん。いい感じ」


写真を三船君に見せる。


「お、おお!」

「気に入った?」

「ああ!ありがとう!」


よほど嬉しいのか写真を食い入るように見ている。


「酒井美幸さんありがとうございました!」


そうしているうちに酒井さんの出番は終わった。


「さあ、いよいよ今回のミスグランプリとミスターが決まります」


会場は暗転した。


「今年のミスグランプリは……」


アナウンサーは一息入れてためる。


「酒井美幸さんです!」


会場は大きな拍手でうまる。


「そしてミスターは……」


会場は改めて沈黙する。


「佐藤彩人さんです!」


会場の熱はピークに達し大きな祝い声や拍手が起きる。


「ま、そうだよな」

「だね」


私たちは驚きはなかった。

それも仕方ない。

二人はオーラから違っていたのだから。


「お二人おめでとうございます!ご感想お願いします!」


佐藤君がマイクを渡され顔を赤くして言う。


「なんかとにかく恥ずかしいです」


みんなから笑いが起きる。


「とにかく、こうして盛り上がってくれたことに感謝しています!どうもありがとう!」


佐藤君はそれだけ言って酒井さんにマイクを渡す。


「えっと、私も恥ずかしいですけど、それよりこうしてみんなが盛り上がって楽しんでくれていることが嬉しいです。ありがとうございます!」


会場は花が咲くように明るくなり会場のすべてに一体感が生まれていた。

そうして二人は舞台上で笑顔で並んで立っていた。


「……」


三船君は先程から喋らない。

だけどその顔を見ればわかる。


「違う世界の人みたいだね……」

「……ああ」


私たちは偶然同じことを感じていた。先程まで近くにいて日常を一緒に過ごしていた二人だが、改めて思い知る。二人が普通ではないと。


「少し寂しいね……」

「そうだな……」


こうして私の文化祭は静かに幕を閉じたのであった。

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