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斉木光の観察記録  作者: マモシ
一年生編

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16/29

夏祭り後編[解決]

私は順序を整理して説明する。


「まず、怪獣白。これはそのままの意味だったんだ」

「白い怪獣ってことか?」

「うん」


そうして私は雑多の中にいる子供の白い風船の怪獣を指さす。


「なるほどな。でもほかは違ったのか?」

「正しくは勘違い」

「勘違い?」


私は一息入れて言う。


「緑の仮面ライダーも赤いスーパーマンもあってはいたんだよ。ただそれは()()じゃなかったんだ」

「??」

「私は無意識に考えていたけど、子供は箇条書きみたいに言葉を出していただけだったんだよ」


私は指をさす。そこにはお面屋さんがあった。


「緑の仮面ライダー……赤いスーパーマン!?」

「その子は風船のことではなくてお面のことを言ってたのか!」

「その通り」


佐藤君はまだ何か気になるのか、しきりに頭をかいていた。


「でも、どうやって母親がそんなの持っているって分かったんだ?」

「風船はつけてたんだよ。お面を」

「ああ、そういうことか!」


子供の言葉を思い出す。ぷかぷか…そうか、みんな浮いていたのか。ようやく謎が一つ解けて、胸のもやもやが少し薄れる。


「子供の言葉は難しいな」

その笑顔は少し暖かく感じられた。


「そうだね」


私も心臓の早鐘がゆっくり落ち着くのを感じながら答える。


「何の話?」

酒井さんが間に入って聞いてくる。


「おお、聞いてくれよ!」

「なんだ?なんだ?」


三船君も加わり、佐藤君は自分のことのように説明しだす。


「どうだ!斉木さんはやっぱりすごいよな!」

「何でお前が自信満々なんだ?」

「そのとおりね」

酒井さんも呆れて言う。


「いや!俺が初めに斉木さんと会ったし!」

「それは関係ないのでは?」

私もつい勢いで突っ込む。


「はい……」


佐藤君の肩ががっくり下がる。私は少し笑ってしまった。

「それより花火始まっちゃうよ!」

「おい!そんな急がなくても!」


酒井さんが佐藤君の手を握って走り出す。三船君も焦って追いかける。

私はしばし迷ったけど、自然と笑みが浮かび、後を追うことにした。


人混みの熱気、屋台の明かり、風に乗るかすかな匂い。全てが現実だと感じられて、胸が小さく高鳴る。

二人の後ろ姿はまぶしく、私の心まで光で満たされるようだった。


「ほら!斉木さんも!」

「え!?」


酒井さんに引っ張られ、私はその流れに身を任せる。

不安や迷いは、もうどこか遠くに消えていた。

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