夏祭り中編[観察]
今回、日間ランキングに入ることができました。ありがとうございます。
※昔、自分は読むだけで、評価やブックマークの機能を知らなかった側でした。
今は書く側になって、反応が本当に励みになると知りました。
いつも読んでくださってありがとうございます。
まだ足りないピースがある気がして、私は再度子供に聞いた。
「他には何かあるかな」
「あかすーぱーまん!」
「赤いスーパーマン?」
「うん!」
つまり、この子のお母さんは、複数の色の風船を持っていることになる。
「怪獣?…白?…風船?…緑の仮面ライダー?…赤いスーパーマン?…こんなに風船あったかな?」
思い出してみるが、先ほど探したときにはそんな人はいなかった。
「何か引っかかるな」
胸の奥に、何かが引っかかって仕方ない。そもそも、本当に風船のことなのだろうか?
「ねえ、ぷかぷかは風船のことだよね?」
「うん!」
答え通りなら、風船は合っている。
「ねえ、怪獣白は風船のこと?」
子供は首を横に振る。
「違うの?」
「うん」
どういうことだろう。私はこめかみに手をやる。
「複数の色…複数のキャラクター…風船…でも、風船の種類のことではない」
視線を宙にさまよわせると、祭りの人混みに紛れて子供たちが前を通っていった。みんな、いろんなお面をかぶっている。
「なるほど」
手から力が抜けるのを感じた。
「お母さんのところ行こうか」
「うん!」
子供をお母さんのもとに送り届け、私は元いた道端に戻る。
「はあ、どうしようか」
連絡先くらい聞いておくんだったと後悔する。
道端は中央の道より暗く、下を向くとまるで足に根が生えたみたいだった。
「はあ、はあ。見つけた」
顔を上げると、そこには息を切らした佐藤君が立っていた。
祭りの光に照らされ、彼の姿はどこか暖かく輝いて見えた。
「な、なんで?」
「ここがわかったって?」
混乱の中、私は静かにうなずく。
「聞いたんだよ。いろんな人に。それで子供と一緒にこのあたりにいたって聞いた」
佐藤君の顔が少し赤くなる。怒っているようにも見え、頭から冷や水をかけられたような衝撃を受けた。
「ごめん」
肩をこわばらせ、道端の影が濃くなる。私は口を固く結ぶ。
「は?何でだよ?」
「え?怒ってないの?」
「心配はしたさ。でも怒るのは無しだろ?こんだけ人がいたら仕方ない」
「でも、迷惑かけて…」
「友達ならそれもありだろ?」
手の冷や汗が嘘のように引いていくのを感じる。
「そうか」
「ああ、そうだよ」
「ありがと、佐藤君」
「どういたしまして。さあ、行こうぜ!」
佐藤君が明るい世界から手を伸ばす。
私は静かで暗い世界から手を伸ばして、しっかりと握る。
「…うん」
足が嘘のように軽くなる。雑踏の音も、現実として確かに耳に届いた。
二人で歩き、仲間のもとに戻ると…
「あ!斉木さん!」
酒井さんは見つけるや否や抱きついてきた。
「もう、心配したんだから」
鼻をすすっている。
「ごめんなさい」
首を振る酒井さん。
「いいの。無事だったんだから」
やっと笑顔が戻る。
その後ろで三船君も笑顔で迎えてくれた。
「さあ、祭りを再開しようぜ!」
「うん」
金魚すくいをしながら、佐藤君が尋ねる。
「そういえば、一緒にいた子供はどうしたんだ?」
「ああ、その子ならお母さんのところに返したよ」
「よくこの人混みで見つけられたな?」
子供が言っていた内容を説明すると、佐藤君は少し首をかしげる。
「怪獣、白、風船、緑の仮面ライダー、赤いスーパーマン?なんだそれ?」
「ふふ、そうなるよね」
私は訳が分からず、視線の定まらない佐藤君に少し笑う。
「実はね、それは……」
息を整え、視線を少し逸らす。
胸の奥にはもやもやとした期待と不安が入り混じる。
佐藤君がじっと見つめるその視線に、少し勇気をもらいながら、私は口を開いた。




