表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界転生したら、世界の敵になりました。【続】  作者: 篠原 凛翔
【第1部】 うつろう世界

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

29/56

【1-8-1】 祈願

「これはまた、なんだかご無沙汰でしたね?」


 久方ぶりに戻ったバルディアだが、ひとまずはマーニャさんに会いにきた。挨拶もだがお金の返済もあるためだ。


「まあねー。おかげさまで今も忙しい毎日ですよ」

「うちらも助かっとりますよ。リムさんは評判がいいですからね」


『まあ実力はそれこそ折り紙付きですから』と言いながらに渡した聖貨を数えていた。


「……ふむ。確かに受けとりました」


 マーニャさんは聖貨を袋に入れ、隣に控えていた男性に渡している。きっとどこかに預け入れをするのだろう。


「随分といいペースで返済は進んどってこっちとしても有り難い限りですわ」

「……でもさー。まだ山のように残ってますし? いったい何年いや何十年掛かることやら」


 本当にその事を思うと気が重くなる。


「いやー前も言ったかもしれませんが、冗談でなく普通の人だったら百年くらい掛かるかもしれませんよホンマに。ただ、あなたのペースならかなーり早く返せるんじゃないかとー、期待しとりますよ?」


『はい……』としか返しようがない。またフレイとかガリオン達に割りのいい仕事を紹介してもらうかぁ。


「マーニャさん側でなんか最近面白い話とかありましたー? 特に景気のいい話ならなお良いのですが」

「おもろい話なんてうちが何か聞きたいくらいですわ〜。でもそやね。良い話ならありますよ?」

「え? なんか報酬の良いクエストとか?」

「いえいえちょっとお持ちくださいね」


 そしてマーニャさんが隣の男性に目配せをする。彼は部屋の奥から何やら小さな箱を持ってくる。


「え、なに? なんか貰えるの?」


 心当たりがあるわけでもないが一体なんだろうか。


「ええ。貴方に向けてですよ。ひとまずどうぞ」


 彼女からその箱を受け取る。随分と綺麗な箱だ。花の刺繍がなされ、ツルリとした手触りのそれは上質なものであることが伺えた。


「えっととりあえず開けていーのかな?」


 どうぞという意味だろう。マーニャさんが手を向けてくる。箱を開けてみると中には冒険者のブローチが入っていた。


「……うん? あれこれって?」


 よくみるとそれは銀で作られている。確か銀色となるとBランク冒険者の証明だ。


「え、割と最近Cランクになったばっかりだと思ったけどもうBランク?」


 有難い話には違いない。高ランクであればあるほど報酬の高いクエストに参加できる。Bランクであればパーティを組めばSランククエストも参加可能だったはずだ。


「実はですね。フレイさんやガリオンさんから直接お話があったんですわ。リムさんをとっととあげてくれって」


 え。そうなのか。でも今のままでも別にあの人達にとっては問題なかったと思っていたのだけれども。


「Bランクくらいからなら個人指名のクエストも多いですからね。多分貴方に直接お願いしたい事もあるんでしょう」


『種族の代表がわざわざCランク冒険者を呼ぶ事なんて中々ありませんから。前のだってだいぶ話題になっとるんですよ?』という言葉を聞くとそういうものかとも思う。まあ私は別にあまり周りの目も気にはしないので、関係のない話ではあるのだが。


「ま、ひとまずこれからはもっと実入りのいい仕事も受けられるみたいで嬉しいよ。ガッポガッポ稼いでとっとと借金生活から解放されるぞー」


『おー!』なんて隣にいるリーザと一緒に手を挙げる。彼女も恥ずかしそうにしながらに手を挙げていた。


「とりあえず早速Sランクのクエストとかないの? なんでも受けるけど?」


 私の言葉にマーニャさんが露骨に困ったような表情を浮かべる。


「そう言うとは思いましたけど。ただ新人Bランクの方をいきなりSランククエストに出させるのはちょっと……」

「えー。でも規定上は問題ないんでしょ?」

「そりゃそーなんですけどね……。こっちも体裁というもんが」


『うーー。でも色々とこなしてもらう分にはこっちも都合はいいんで悩ましいところですわ』と頭を抱えておられる。まあ組織のバランスやらなんやらがあるのだろう。


「ま、とりあえず報酬の良いやつとか優先的に回してください?」

「そりゃ勿論。貴方の実力は折り紙付きですし」


『出来うる限りの便宜は計らせてもらいますわ』と言ってくれているので内心ガッツポーズだ。これで無事に返済のスピードも早くなればいいのだが。


「ちなみにマーニャさん。一個だけいいですか?」

「はい? なんですか?」

「魔法の扱いに詳しい人って誰か紹介してもらえません?」


『リーザに魔法を教えて欲しくて』と言葉を加える。かねてより考えていたのだがやっぱり誰かの力を借りた方がいいという結論だ。


「そんなんご自身でも出来るんじゃ?」

「いや、ちょっと私だと特殊すぎてですね。基礎からしっかりしている人って誰かいませんか?」

「ほー、そうですね。勿論冒険者の中には魔法に精通している人が多いです。その中で誰かを紹介することはできますが」


 んー、と悩んでいる。だれか都合のいい人はいないものだろうか。


「……いや色々考えてみたけれども、とりあえずこれが都合いいかもですね」


 ぼつりと何やら言っている。小声だけれども内容は聞き取る事ができた。何か案があるのだろうか。


「ちょうどいい人がおりまして」

「お! ちなみになんて人ですか?」


 知っている人だったら都合いいのだが。知らない人でさらに気難しい人だとほら、少しやっぱりやりづらい。


「リムさんはよくご存知の人ですよ。まあ教え方がいいのか悪いのかは私もよく分からんのですが、でもそこらへんも貴方の方が詳しいですし」 


 はて? 一体誰の事を言っているのだろうか? そんな思いつく人なんて特にいないのだが。


「実はちょうどそろそろくるはずなんです。なんで、――あ話題をすればってやつですね。来たみたいですわ」


 トントンと扉を叩く音が聞こえる。随分とタイミングの良い事だ。リーザは待ちきれないと期待した眼差しをむけていた。


「ん? あれ? 貴方がどうしてここにいるんですか?」

「……ホント。久々ー」


 入ってきたのは二人の猫耳少女で、私の顔を見て驚いていた。私もまた驚いて咄嗟に反応ができなかった。確かにリーザを訓練して貰うには私よりは適任だろう。ただ、若干特殊過ぎるのではと思わないでもないが。


でも一先ずは、この再会を喜ぼう。


「――久々ー!! モノ、ジー!!」


最後まで読んでくださり、本当にありがとうございます。

この物語が、ほんの少しでも心に残ったなら――

評価・ブックマーク・ご感想という形で、どうかあなたの想いをお残しください。続きを書く励みになります。

(……でないと、力尽きるかもしれません)


※評価は星マーク、ブクマはお気に入りからお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ