追加業務
--- アルゴス シティ地区
1泊2日でテンペ大陸の最大の都市であり、マールス主要国家の1つ。 アルゴスに到着する。
リゾートと言えば、タツマ的には、パボニスよりこちらのほうが、イメージにあっている。
「太陽の都市、アルゴスかー 」
「荒事ではなく、観光で来たかったですよ」
オーソン嬢が愚痴ってくる。
「まーね」
マンダリン色の壁と屋根の建物が、この地域の特徴だ。住民がこの色が好きなのか、新築の建物もほぼ同色が、入っている。
都市部の高層建築物もマンダリン色のタイルや外壁が、一部使用されており、特異な風景を演出しているが、それが観光地と異国に来た感情を昂ぶらせる。
サバエア大陸のガレとティファー大陸のヴィノグラードフとのアルギューレ海貿易を介し、繫栄を築いた歴史がある。
軌道エレベータはないが、当初のマールスの窓口になっただけあって、※1マスドライバーが設置してある。
軌道エレベータよりも積算量や費用に難があるため、利用も減ってきているが、即座に対応できる利便性があり、未だに利用されている。
サクラメンサと比較してもテンペ大陸筆頭都市国家だけあるため、かなり大きな都市になる。 イスペリアと歴史的比較しても、こちらが上になるほどの歴史的規模的なものを持っている。
軌道エレベータが登場し、かつての勢いが衰えていても、未だテンペ大陸の主要都市国家筆頭に居座っているほどの影響力と権威は保っている。
「それにしても、いつ見ても見事な街並みですねー」
「ホントだよ」
「この地も初めて。 映像でしか見たことなかったけど……素敵ね」
サナエさん、ホントに感動しているようだ。
感動も束の間で、カーゴに乗車しているセレンからメッセージが届く。
アルゴス内の住所らしき記載がある。
――ここに来いってことか……
「オーソン嬢、ここに行ける?」
「どれどれ……、了解です」
カーゴが、ゆっくりとアルゴスの街中を走りだす。
周囲の街並みや色に目を奪われ、ホント観光で訪れたいよ。
しばらく、走るとカーゴ車が停止する。
「……あそこですけど……本当にいいんですか? 」
視線の先には、格式高そうなホテルがある。
「とりあえず、ロータリーに向かってくれ。そこで対応する」
カーゴ車がホテルのロータリーに入り、下車しドアマンに話しかける。
「あのー駐車場はどこですかね? 」
「あそこの地下道に入ってからの地下駐車場になります」
笑顔で応えてくれる。流石が、格調高いホテルのドアマンですな。
「ところで、ご予約はありますでしょうか? 」
タツマの格好は、格調高いホテルの一般客と違いかなり浮いている。業者の車両はそもそもこちらからではないので、完全に怪しまれているのだろう。
事実、作業着に近いため、ドアマンの方もいぶかしんでいる。
―― ここで、名前を言うのは、問題だな。偽名と言う訳にも行かないし……
タツマが、解答に窮していると、エントランスから一人の男性が出てくる。
「ああ、彼らは私の待ち人だよ。 大きな車両で業者と間違えただろう? すまないね」
男性は、ドアマンに労いの言葉を掛ける。 男性の服装はスーツであり、他の従業員とは異なっている。 となると下っ端ではなさそうだ。
「そうでしたか」
ドアマンも納得した模様だ。
サナエさんも降りてくる。
「何もたもたしてんの。 渋滞になっちゃうわよ。どこに行けばいいのよ」
「あの地下道から地下駐車場だって」
タツマが指を指す。 確かに地下に降りるトンネルのような場所がある。
「地下駐車場に停ってだってー」
サナエさんの合図に納得したのか、オーソン嬢が車両を地下に向かって動かす。
その光景を見届けたように対応した男性が、タツマ達をホテル内に招き入れる。
「さぁ、こちらへ」
内部は、かなり豪華なエントランスになる。
金色の装飾を中心に彫刻を配し、目も楽しませる情景が広がる。
タツマは、今までモーテルや安宿ばっかりだったためか、少々委縮する。
一方で、後からホテル内に入ってくるサナエさんは、その豪華さに圧倒されている。
「おとぎ話のお城のようね」
「ええ。非日常を演出するには、このくらい大げさにしないとダメなんですよ」
前を歩く男性が回答する。
ロビーの待合室で暫し待ち、トークン2体とオーソン嬢と合流し、エレベータで最上階フロアに上がる。
サナエさんオーソン嬢それに男性が、前を行きタツマとトークンは、その後ろからついていく形になっている。
最上フロアのいわゆるスイートルームになる。 部屋のスペースは格段に広く、一面ガラス張りの展望フロアになっている。
スイートルームだけあって広すぎて逆に使い難そうと考えるのは、間違いだろうか?
「はーすごいっすねー」
オーソン嬢の感想。
「……素敵……」
うっとりするサナエさん。
遠方には海が見える。海上には何か建物っぽいものがみえる。灯台か?
「聞いていた通り、美女2人との旅とは羨ましい限りです」
男性が、タツマに話しかける。
――肩身が狭い思いをすることになりますけどね。
「ははは……」
愛想笑いで何とか誤魔化す。
「ホントよ。 もっと自分が如何に恵まれたポジションなのか再認識した方がいいんじゃないの? 」
サナエさんが追い打ちをかけてくる。
「そうですよ。 もっと我々の美貌に貢ぐのです!! 」
それに乗っかるオーソン嬢。 なんか、変な性格が移っているようで困る。
「でっ。奴とは、ここで連絡をとれるんですか? それとも貴方がメッセンジャーですか? 支配人」
アルプとセレンの情報網でエントランスの人相から対象者の情報を割り出していた。
このトークン達は、本当に優秀である。
「……さすがですね」
「商売が充実しているのは結構だけど、いい加減。 本業に力いれたら? 」
≪ほんとよねー。 事業収益で黒字だから、工作活動は成功しているとの報告も困りものなのよね≫
―― 急に出て来るな。
*** ☎ 通信開始 ***
「ご登場ですか。女帝」
≪その2つ名。 あまり気に入っていないんだけど≫
「そうですか? いいじゃないですか? かっこよくて」
≪まぁいいわ。 キャミャエルさん から聞いている? ≫
スピーカでの会話であるため、6人全て聞こえている。
彼女を見ると、少し下を向いている。
「ええ、随分なことをしてくれましたね。 しかし、これを実施しようとする根幹がみえませんね。 今回は詳細を教えてくれるんですよね」
≪もちろんよ。 目標の名前は、ゴルディー元少将。 軍にいた時の任務は、人質や捕虜の救出が主だったの。 軍人だけでなく傭兵も救出していったそうよ。 彼に命を救われた軍人、傭兵はかなりいる。 それに人格者であったため部隊の士気も常に高かった≫
「元少将ねー。 今は? 」
≪反乱嫌疑の前に除隊している。 彼は内部から劣悪な軍部内の腐敗を取り除いて、環境改善、恩給、年金支給額の増加、医療保険などを正規軍だけでなく傭兵にも対応するように護民官に進言していたそうよ≫
「他の将校が、黙ってないでしょ」
≪彼の凄いところは、政治的センスもあるところ。 退役軍人や傭兵の票を取りまとめて議員の後ろ盾を得て、それで軍部の改革を内外両面から実施したの ≫
「本当に軍人さん? そのまま政治家にでも転身したら? 」
タツマの感想を流し、スキュレスは続ける。
≪しかし、腐敗は多少改善しているけど、兵士の待遇は一向に改善が見られていないの。特に傭兵は戦場で負傷したら、保険も使えないし、職に付けなくなってしまう。 完全に使い捨てね。 彼自身、退役傭兵への職の斡旋等のボランティアもしていたらしいわ≫
「なんとも献身的ですね。 しかし、それらの行動も予算がないと、何もできないでしょ」
≪彼の論文では、軍自体の合理化と予算の透明化、加えて不必要な計画を削除することで、予算が十分に賄えたとのことよ。もちろん、この論文は、握り潰されているけど。
これを実施されたら甘い汁を吸っていた、高級将校は面白くないでしょうね。護民官もわざわざ蜂の巣は、つつきたくないし≫
「そうなるよね。 政治家が、今の地位を捨ててまで他人のために動きたくないだろうし」
スキュレスに対しての皮肉も忘れない。
≪あら言うわね。 アルゴスは、傭兵や海陸軍中心の都市国家。親戚に傭兵や軍人が多い文官も多いから、元少将の件で、文官府も総出で軍改革に動いている。
事実、裏側では、武官府軍務部はかなり劣勢に立たされているの。出納帳から金の流れ、食料備蓄量など、多くに不正が見つかっていてね。
しかし、ここで 元軍人の反乱 でも起きたら、彼らの努力も水泡に帰してしまうし、彼の願いも一生かなわないでしょうね≫
「その将軍とやらは、そのことを知っているの?」
≪知らないでしょうし、それが無理だと思って、追い詰められてクーデターもどきを画策しよとしているんじゃないかしら≫
「これの黒幕って……高級将校達? 」
≪さすが惑星間貿易商。 そっ、高級将校達よ。 内通者を通して出来もしない反乱計画を立てて、生活に苦しんでいる多くの傭兵達や退役軍人を唆して巻き込んだのでしょう。
そして実行役のリーダーとして、彼らがゴルディー将軍を祀り上げたってところかしら。
軍改革の妨害、邪魔者の一掃、彼の提案の消滅を図る計画よ ≫
「追加で食糧計画への圧力と排除の一石三鳥かー。 やるねー」
≪ホントうまいこと考えるわよね。 でもね、彼は退役軍人や現場からの信頼は絶大よ。恐らく、現行の将軍や執政官の命令は無視しても、彼の命令には従う兵は相当数いるでしょうね≫
―― 一か八かの博打は、大概失敗するんだけどな。
≪私としては、当初こちらの工作員で十分に対応できるものと踏んでいたのよ。あなた達は問題が起きた際の、保険と言っところかしら。端的に言えば、サブプランの人材なの≫
――おうおう正面からサブプランと言ってくるか
「こっちは便利屋では、ないんですがね。それで状況でも変わってきましたか? 」
≪その通り。 反乱に対して、タニアの武器供与の噂がながれてきたのよ。 悪いけど武器供与があれば、反乱から内戦までエスカレーションする可能性まで考えられる。 こちらもアルゴスの内戦化は、望んでいないの≫
「なるほど。それで、ゴルディー将軍とやらを止めるというわけですかね? 」
≪その通り。彼の場所は掴んだわよ。 そこから海が見えるでしょ? ≫
「ええ」
≪海上に何か見えない?≫
「なんか灯台、見たいのがありましたね」
≪それ宿泊施設なの≫
……うそだろ? いやかなり大きいぞ。 それに周り海じゃん
「そこにいると」
≪そっ。ようやく見つけたんだから。周りが海で鉄壁の要塞でしょ。ホテルだけど。全室オーシャンビューよ≫
―― それはすごい。是非ともリゾートで行ってみたいところですね。
「それで、この社員証ですか? 」
≪どこかの組織に属していることで、相手からの信頼は担保できるでしょう? ギャップリバートランスポートの社員じゃ、信頼感がね。 動いて貰うにも相手の信頼を手っ取り早く得る手段よ≫
――確かに、惑星間貿易商では地位が高すぎる。 同じ大陸のサービス業についている体にしたほうが駒として動かしやすいというわけか――相変わらずの性格をしているな。 故に女帝の2つ名か
≪あの場証を突き止めるにも苦労したんだから。 幸いに、工作員でホテル経営なんてことをしているのがいるから、その伝手でようやくよ≫
トリフィナの言葉を継ぐように支配人が、語りだす。
「それでも、苦労しましたよ。 同じホテル協会といえども個人情報は絶対に流しませんから。 ホテルの威信にかかわりますからね。 治安隊にも情報を与えないのがホテル道です」
――すげーなプロ意識。 しかし、工作員の業務ではないよね。
≪アルギューレ・海洋城。そこに彼らの一味がいるわ。今から、1週間後に6周年パーティーのイベントがあるから、それに合わせて潜り込んで対応して≫
―― 6周年って。毎年やっているのか?
≪聞いているかと思うけど、目標は絶対に始末しないで。それと、これも勘なんだけど……≫
急にトーンが落ちる。
≪説得すること……思いとどまらせることは、……可能だと思う≫
――なるほど。 話し合いの余地があるのは良いことだ
≪彼は、国への愛と共に自分の部下が、犯罪者になることを良しとしないはず。 しかし、現状、犯罪の一歩手前まで来ているこの状況は、何かあるはず。
それを解決できる手段があれば、思い留まるはずよ。出来れば無血での対応をお願い≫
「了解だ」
*** ☎ 通信終了 ***
オーソン嬢の何気ない質問が来る。
「ところで、女帝ってだれなんですか? 」
「ああ、エリス護民官、スキュレス・トリフィナだ」
タツマが回答する。
「……嘘でしょ? あいつのために動いていたんですか? 」
途端に可愛い顔が、怖い顔に変容していく。
「まぁね」
「あいつは! あいつは! プロメンテを戦乱に」
オーソン嬢が今までのぽわぽわから感情をむき出しにしている。
――まぁ正確にはタニアの陰謀に掛かったテッサリアが問題なんだけど……
といってもそこはタツマである。人の負の感情に晒されるのも慣れている。
「でっどうする? この地をプロメンテのようにする? 」
オーソン嬢は、その言葉を聞き、まずは感情を飲み込む。
「……私にできることがあるんですか?」
「ああ」
「分かりました。 タツマさんに従って欲しいとの社長からの命令もあります。 従います」
「助かる。 ミッションは、アルギューレ・海洋城への侵入後、目標の確保か説得でいいんだよね」
折角のリゾートホテルなのにおっさんの確保とかワクワクがないんだけど。
支配人に目を向けると彼が頷く。
「でっ。 策はあるの? 」
支配人は、机の引き出し部に冊子上の図面が多数出てくる。
「まずこれを見てください」
「こりゃまたすごい。 本物か? 」
「コピーになりますが、ホテル アルギューレ・海洋城 の建築図面になります」
一拍おいて支配人が説明を始める。
「アルギューレ・海洋城は、海上の孤島に地下3Fと地上10F建てのリゾートホテルになります。上階の2フロアは分譲として住宅として割り当てられ、恐らくそこに目標が潜伏しているものと考えられます」
ホテルで分譲住宅っておかしいだろ。
「1Fから3Fは催事場やレストラン、4F~9Fが宿泊施設。10Fが分譲になります。 この分譲に住んでいる場合、全ての郵便はフロント留めで、部屋番で送付が可能であるため、まったく個人情報が漏れないんです」
―― スゲーな。高級ホテル。 分譲ってなんだよ
「何で分かったの? ここにいるって」
「お客様の安全を考えて、ホテル周辺には監視カメラがあるんですよ。ホテル協会に入っているとそれを自由に操作や画像閲覧ができるんです。
スキュレス様の勘を信じて、全てのカメラの画像を常時解析に掛けてようやく釣り上げた感じです。
特にアルギューレ・海洋城付近には、海上からの不審船対策為多くカメラが設置されていたことが幸いしました」
スキュレス様ねーそれにしても随分な力技だこと。
「で、この図面の他に情報は? 」
「まず、9Fまでは、宿泊客であれば自由に移動できるのですが、10Fは特殊なキーをエレベータの制御パネルに差し込まないと行けない仕組になっています。まずはそのキーの入手です」
鍵の入手ねー。
「次に彼がここにいることは判明しているのですが、上のどの部屋にいるかが突き止め切れていません。最上部のペントハウスは全部で4世帯が入居しておりまして、そのうちの一つには間違いがないのですが」
「どうして、パーティーに潜りこんでの対応に? 直ぐにでもホテルに確保しに行けばいいじゃない」
サナエさんからの指摘が入る。
「このパーティーは、10日間通しの海洋城の毎年恒例イベントになります。加えて参加者はVIPが多いのですが、物々しいと楽しめないとの要望で、外部からのセキュリティは向上しますが、内部セキュリティが甘くなる傾向があるのです」
「ほー」
「故に目標を連れ出すにも好都合のイベントと考えています」
「なるほどね―連れ出すには、打ってつけのイベント訳ね! 」
「はい」
サナエさんが納得している。
「で、図面もある。おおよその障害もわかった。これで終わり? 」
今度は、タツマからの質問になる。
「作戦としては、タツマさんには清掃員といて、キャミャエル様とオーソン様には、お客として対応してもらおうかと」
―― また清掃員……
『よくよく清掃員の職業に縁がありますね』
アルプからの突っ込みが入る。
「それだけ、自由度のある職種ということだ。 了解だ」
支配人は話を続ける。
「それとお嬢様方には、パーティー会場への侵入ということでドレスをご用意しております。 本日、見ていかれますか? 」
「へーいいじゃない。 見て見たいわね」
「凄いっすね。 ドレスですか」
先ほどの女帝からの下りから、ドレスと聞いて少し機嫌を良くするオーソン嬢。
「まぁ、私が着たら、下手なモデルも逃げ出すだけよ」
相変わらずのその自信には、感服するばかりです。
「こちらです」
支配人が奥に案内していく。
「セレンさんついて行ってやって」
『了解です』
支配人のエスコートで両名とセレンが、別の部屋に向かっていった。
室内には、アルプとタツマが残っている。
『やられましたね』
「完全にね。アルプ盗聴器は? 」
『一つだけなので破壊しておきました』
「流石の手際の良さだね」
『恐縮です』
「それにしても、オーソン嬢は案内係か。 サナエさんが行きたい場所に円滑に連れていく役割だったのか――それでテンペ大陸に詳しい人間を寄越した」
『そうでしょうね。 私やセレンでは、もたつく可能性もありますし。 加えてですが、彼女たちが、荒事に役に立つとは思えません。 彼女達をわざわざ工作任務に就かせるのもスキュレス氏からの軛といったところでしょうか? 』
「そうだろうな。どう思う? この作戦」
『行き当たりばったり感がありますね。 詳細が詰められていない』
「同感。 問題点は2つ。エレベーターキーの入手と目標の確保……」
『作戦は、構築できそうですか? 』
「何となくねー。まぁ、ホスピタリティとかでは無理だな。施設管理員程度にならないと上階に行くのがきつそうだな。そこをどうするかだな」
ソファに座り社員証を見ながら答える。
『……』
「サナエさんから例のスーツを借りるか。それとバクドローンの準備だな」
『どの程度ですか? 』
「うーん10体もあれば」
『了解です』
「それと今回は、オーソン嬢に対象の説得に動いてもらう」
『サナエさんではなく? 』
「彼女は、あまりに目立ちすぎる。 オーソン嬢の純朴さと怪しまれない美貌は、説得のための武器になるからね」
『なんか。女性を利用する悪い男性のようですね』
「何ということを。 まっとうな商人ですから。 誠実と信頼、第一ですから」
窓から見える アルギューレ海洋城。あんなのを離れ孤児末くるとはな
―― よくあんなものを作ったな。
「それと、先程の内部図面を取得しておいて。 後で詳しく見たい」
『了解です』
奥からは、キャッキャッと騒いでいる声が聞こえる。
余程気に入ったものがあったのだろうか。
こっちはまた清掃員からの出発だ。
※1 電磁力(リニアモーター技術など)を利用して、ロケット燃料を使わずに物資や宇宙船を高速で宇宙空間へ射出する仕組み




