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受難続きのテラ惑星間貿易商  作者: 椎谷 急須
6章 大陸鳴動
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醒夢照現

--- 勝利から数週間後


敗戦国プロメンテの執務室には、テッサリアからの次席補佐官と首席補佐官との間で業務の引継ぎを行っている。


「これで全てですね」


丁寧さの中にも勝者としての威圧と敗戦国への優越感を出しながら事務対応を進めていく。


「ええ」

プロメンテ首席補佐官は、感情を面に出さず淡々と相手に言われるがままに業務を進めている。


「わかりました……それでは、ご苦労様でした」


その言葉により、この場所での(プロメンテ首席補佐官)の存在意義は、完全になくなる。 

しかし、執務室から退出していく、プロメンテ首席補佐官の顔には、悲壮感がない。


                     *


プロメンテシティ地区周囲は、まだ警戒態勢である。 旧政府から避難勧告が出ていたが、シティ地区には愛国者を標榜する“プロメンテ愛国同盟”なるレジスタンスによる散発的な抵抗が続いている。


しかし、感情だけでは勝てないもの。 政府軍が勝てない相手に市民の旧火器ではまるで歯が立たずに殲滅されていく。


難民キャンプ内では、リーリ執政官の早々の降伏宣言に落胆と伴に、役立たず・腰抜け・非国民 などの怨嗟の感情が広がっている。


とはいえ。即時降伏によりプロメンテ側のインフラの被害は、ほとんど発生していない。 そんな状況の中での、政務移譲が行われていた。


「しかし、国庫は、見事に空っぽだな。 商社プロメンテの上りが突出しているが――執政官殿は、プロメンテをテッサリアの衛星国にでもする気なのか? こんな国併合しても我々には、メリットどころか重荷にしかならないように思えるが……」


帳簿を見ながら、次席補佐官が悪態をついている。 室内には前線司令官もいる。


「それは、執政官殿も分かっておられる。 それに最終的には評議会の意見もある。 統治戦略によるコストをどう見るか、そこからの上りをどうするか? 


そもそも支配しようにも完全な飛び地だ。 管理が面倒この上ない。国庫も空っぽではこちらへの保証金すらない。 唯一の好材料は商社プロメンテの莫大な資源資産だけだからな」


「オガネソン鉱山か。 あの会社を手に入れられるとなかなか面白いのだが」

前線司令官が、折角の勝利で何とか美味しい思いをしたいため策を巡らせている。


「あそこの爺も逮捕できそうか? 」

次席補佐官もそれに同調する。


「ネス・ビャーネか? ……いきなりは厳しいな。 奴は完全な民間人だろ? 少し細工を考えないと」


「あの会社を乗っ取れば、中々の金づるになりそうなのだがな。 どうだ?」

「それができれば――我々としてもいい思いができるな――」

両名の中で悪巧みの感情が芽吹く。


そんな、2人きりの室内には、受像機からプロメンテ陥落とテッサリア執政官の今後の対応が、流れてくる。 情報番組は、連日この話題で持ち切りである。


悪だくみもすぐには思いつかないため、両名は受像機から流れてくる情報に反応する。


「しかし、この報道も飽きたな」

テッサリの次席補佐官もウンザリといった表情で感想を漏らす。


「それだけインパクトのある内容ですから。 この報道を契機に、落ちたテッサリの権威が上がれば上々でしょう」


「ところで、プロメンテ航空隊の対応はどうしている」

「奴らは、まだ基地内とのこと。 本国から砲撃の準備が入れば直ぐにも行うのですが――」


「何をためらっている? 」


「あの航空基地は、シメリア(鉱山都市)との共同利用のため、下手に砲撃を加えるとシメリアまで出てくるんですよ。 戦線の拡大はしないようにとの中央軍司令部からの厳命です。


それにイシディス海のエリス艦隊も撤退していないようで、効果的な攻撃が加えられないのが現状です。離陸した航空機を撃墜するしかないのが、現状の手段ですね」


「面倒だな」


「ええ。加えて、イスペリア(古の港湾コミュニティ)から大量の武器弾薬が、シメリアを迂回してプロメンテに流入しているようで、ロケット、ミサイル、その他武装が潤沢なようです」


「なんでイスペリアが、南部なんか応援するんだ。メリットなんかないだろうに」


「まったくです。 しかし、その豊富な物資のおかげでポンコツ戦力でもここまで粘られてしまっている状況です。 とはいえ、こちらに航空機が来ない限り、出撃もないようです。


つつかなければ無害。エリス艦隊が、いなくなるまでの辛抱ですよ。逆にそれが奴らのタイムリミットということです」


「なるほどな」


急に受像機の報道番組が慌ただしくなる。

「どうした? 」


             *** 緊急報道 プログラム 開始 ***


≪番組の途中ですが、緊急速報です! 失踪していたプロメンテのグルジョ執政官より声明が出ました! ≫


「今頃グルジョとは……馬鹿らしい。 敗残兵に何かできるものかよ? 」


「いいじゃないですか。 敗戦の将のお言葉です。 勝者側として聞いてあげるのも礼儀というものです」

両者には、勝者としての余裕がある。


グルジョ氏の映像と声明が流れ始める。

≪プロメンテ国民の方々。 グルジョでございます。シティ地区を放り出して何をいまさらと言われても致し方ありません。


リーリ執政官の立場は、本来私であるべきなのですが、私が不甲斐ないばかりに、彼女につらい目を背負わせることになりました。 リーリ執政官は、都市部の荒廃を避けるため、降伏宣言を出しました≫


映像では、グルジョは下を向きながら目をつむって何かを考えているようなためが入る。 しかし、直ちに目を見開き画面からこちらに力強い視線を向ける。


≪我々はこれから、テッサリアの支配下で過ごすのでしょうか? これでプロメンテの歴史は終わりなのでしょうか? これは決定的な敗北なのでしょうか?


違います。これからが始まりなのです。 今回の報道の目的ですが、我々は力による支配には屈しません。我々は、ここに “プロメンテ解放戦線”を設立いたします≫


ここで声のトーンが一気に代わる。


≪駐留しているテッサリア軍に告ぐ。 このままで終わると思うなよ。 我々にはまだ十二分な戦力、そして正義がある。 これから市内に国家内にいるお前達を排除していく。 昼夜関係なくだ。 せいぜい気を抜かぬ日々を過ごすことだ。 我々の目は常に貴様達を見ていると思え。 以上だ ≫


            *** 緊急報道 プログラム 終了 ***


報道が終わる。 番組内は、大慌て状態である。戦争はまだ終わっていない。

それを見ていた両名も漠然とした不安に襲われる。


「……奴らの戦力は、削り切ったのか? 」


「いえ」

前線司令官が回答する。


「推定戦力は? 」

「7000はいたはずですが、交戦せずにここまできています」


……なるほど。通りで、すんなりと降伏したと思ったよ。リーリは生贄か。

呆れるような感じと共に何かと不安がよぎる。


(罠にかかったのか? )


ドアがノックされる。

「入れ」


下士官らしき兵が、室内に入って来る。

「前線司令官殿、ここにいらっしゃると聞き参りました。 次席補佐官殿も失礼します」


「それで、要件は? 」


「南部の樹林帯に大規模な武装集団を確認したと司令部より報告がありました。気を付けられたしとのことです」


書類を数枚提出する。


書類には、衛星からの画像が載せられており、おおよその位置や砲塔の種類等が示されている。 


しかし、砲撃陣が樹林帯の中に形成されているため、木々の影になり鮮明に確認できない。との文言も付け加えられている。


何故こんなことを……。

やつらこの都市に我々を集めて集中砲火する気か。それとも襲撃か。


統括指揮官から伝令の下士官に指示が飛ぶ。

「各部隊に告げろ。 南部に敵砲撃陣を確認した警戒を厳となせ! 都市周辺からの侵入・攻撃に備えろ! 」


「了解です」

伝令の下士官は下がっていく。


(くっそ。兵員の一部はテッサリアに返してしまった。兵も終戦と浮かれている。

これが狙いか! )


                      *


樹林帯西側の丘の上からバイザー越しにプロメンテ・シティ地区を確認している白い影。


―― 中心部にプロメンテ市民はいないはず。 まぁ“愛国同盟”なるものもいるらしいが、いいか。とりあえず、今あそこにいるのは、テッサリア軍のみだ。


≪アルプ。 あいつらをつつき出す。 樹林帯からの空砲に合わせて第四ブロック周辺を爆破だ≫


夜に差し掛かる薄闇のなか、空砲が周囲に響き渡り、その後シティ地区内から火柱が上がり、爆発音と伴に煙が昇る。


火の手は、遠方からでも確認できる。

「さて、どう出るかな。 テッサリア軍? 」


『また、派手にやりましたね』

アルプから通信が入る。


≪第二幕の開始だ。 派手にいかないとな≫


白いコンバットスーツとトークンが闇夜に消えていく。


--- プロメンテ・シティ地区 執政官庁舎

庁舎にも揺れが感じられる。


爆発の振動は予想以上に大きい。 司令官が咄嗟に身がまえるほどだ。

(くっそ。緊急体制を敷いた直後に! )


テッサリアの統括指揮官に忌々しさに滲む表情がみてとれる。 

彼は急いで執務室を出て、同庁舎内の前線指揮所に向かう。


前線指揮所では、先ほどの爆発の対応で大慌てのようだ。


「場所と状況! 」

部屋の誰ともわからぬものに向かって命令をする。


「第4ブロックで爆発です……負傷者発生! 」

「工作員か」


「わかりません。現在、負傷者の救助と周辺の警備強化を実施! 状況として、砲撃音の直後に第4ブロックの爆発が確認されています! 」


砲撃陣からか? いや内部からの工作も考えられる。


「工作員の可能性も考慮しろ 」

「了解! 」


執務室に取り残された次席補佐官は、前線司令官の後を追うように指揮所に入ってくる。 モニターには、爆発による煙が昇っている映像が見て取れる。


「なんてことだ――終戦ではないのか? 」

「プロメンテ政府とは終戦です。しかし、プロメンテ解放戦線とは、戦闘継続です」


「馬鹿な!! 」

「執政官が向こう側にいます。民意で選ばれている以上、正当性はあります」


「どうする? 」

「本国に確認です。 このまま占領地に籠るか、南部の砲撃陣を破壊するか。そもそも プロメンテ解放戦線 をどうするか」


秋季の闇夜に、爆破された建物の火の明かりが、周囲を不安に照らしている。


--- テッサリア 執政官 執政官室


攻撃の第一報を受け取るフォシン執政官。

勝利による楽観的な雰囲気から、その行先に暗雲が立ち込める。 そんな状況の知らせになる。


「なるほどね。 簡単には勝利させてくれないか。 “白翼の騎士団”を侮っていたとは思わないが。 リーリを生贄に早期の降伏による、規律の緩みでも狙っているのか」


攻撃の第一報の書類を見ながらつぶやき、フォシン執政官が、何とも言えない表情になる。

となれば、エリス艦隊に動きがないのも理由が付く。


「エリスの奴ら情報を持っているな。 となると、敵は、やはりプロメンテとエリスになる訳か――」


書類を机に置く。


しかし、プロメンテ自身、戦争の敗北という巨大なリスクと引き換えにしてまで、何を手に入れる気なのかが不明過ぎる。


「前線からは、占領か追撃かの指示がきています」

秘書が現状の説明を追加する。


「軍務庁の見解は? 」


「追撃とのことです。 留まっていても事態の好転は見込めないとの予測も出ています」

一般的に考えれば、そうだろう。 “白翼の騎士団”相手にそれが通じるのだろうか?


しかし、問題なのはこれ以上の回答が生み出せないこと。

そして何を仕掛けてくるのか見当がつかないことだ。


「わかった。 戦時評議会で説明を受けよう。 まずは承認すると伝えておいてくれ」

「了解です」


--- プロメンテ解放戦線 どこかのキャンプ地 


シメリア(鉱山都市)の頭目が話しかける。

「白翼。派手にやったな。しかし、なぜ野戦砲を使わないんだ? 」


「せっかくのデコイを初手で晒すのはもったいないですからね。 テッサリアの衛星と野戦砲の連携で発射ポイントを絞った攻撃を即時に対応されてしまいますから」


樹林帯の中に隠しても、煙だけはいかんともしがたい。


「で、建物内部に仕込んだ爆薬で外部からの攻撃に見せかけて第四ブロックを爆破したと」


「そんなところです。 もっとも相手はテッサリア。 直ぐに内部の爆発と見抜くでしょうね。そうなれば内部犯やスパイを疑い出すかもしれない。 それも効果の一つですよ」


「搦手の搦手か……いやらしーね」

―― 晒されていない?


テーブルの上に置いてある、飲み物に手を付けるシメリア(鉱山都市)の頭目。

一方でタツマは、バイザーメットを外すことが出来ない為、皆の前で飲食は出来ない。


一口飲んでリラックスして、話題が変わる。

「しかし、リーリさん。 行っちまったな――大丈夫かな」


「大丈夫でしょう。 プロメンテの執政官です。ここで暴力的に扱ってテッサリアの名声を落すことはしないでしょう」


「しかし、敗軍の総司令官。 死刑だってありえるだろう」


「それも問題ないでしょう。 始末するにしても裁判が必要ですから。 それに感傷的な放送は、彼女を一躍、悲劇のヒロインにしています。 


故にテッサリがキンメリア大陸の盟主を気取るなら、誰が見ても正当であるとの証拠が必要になるはず。 でっちあげるとしてもそれなりの時間が掛かるはずですよ」


「尋問とかに耐えられず口を割ったらどうするんだ」


「それも杞憂でしょう。 顔に似合わず、女傑を地でいきますから。 それに今回捕まったことで少なからず周辺都市国家で彼女のファンが出てきているようで、その状況を無下にはできませんよ」


「どうゆうことだ?」


「あの風体ですからね。女優並みのルックスであれば、彼女の扱いは、ことさら慎重にしなければならない。 もし顔にあざでもついて要れば、プロメンテへの同情者から何を言われるか分かったものではない。 彼女の扱いは、おそらく厄介そのものはず」


「外見でそこまで優遇されるかね~。 外見至上主義もここまではとは――ヤダ。 ヤダ」


「それが人です。 それにメディア戦略としてその映像も流していますから、我々の今の立場は囚われの姫を助ける、ヒーローの図になっているんです。 結果、テッサリアをより悪く見せることに成功している訳です」


「お前、リーリさんの外見まで使うとは――性格悪いな」

シメリア(鉱山都市)の頭目がジト目で見てくる。


―― そうでもしないと勝てないんですよ。 ほんと。 誰か代って欲しいんだけど。


一通りの会話が終わったことに、室内にグルジョさんが入って来る。

彼に北部砲撃隊の指揮を任せ撤退まで行っている。


正規の野戦砲を扱うため、北部隊は全員プロメンテの正規軍になる。 執政官になってなお、彼への信頼は厚いようで、負け戦であっても士気が高いのが幸いしている。


「お待たせしました」


―― 実戦を経験して、多少は覇気がもどってきたか?

ヘスベリア(キンメリア港都市)の御人は? 」

グルジョ氏がこの場にいない、ヘスベリア《キンメリア港都市》の頭目に気を掛けている。


「第三防衛線の構築でドルサ地方に出張中。 それとメレア地区の塹壕の方は、ほぼ完了とのことだ」

シメリア(鉱山都市)の頭目が回答する。


「それはよかった」

多少の会話が行われた後、グルジョ氏とシメリア(鉱山都市)の頭目とアルプが揃ったところで、タツマが、後半戦の説明に入る。


因みにグルジョ氏が、プロメンテ軍を指揮している。


「それでは、後半の作戦説明をしますね。 運よく状況はこちらの筋書き通り進んでいます。 当初の作戦に大きな変更はありません。 第二防衛線は樹林帯で構築済みです。


シティ地区の第四ブロック地域を破壊したことで、彼らは現在浮足立っています。 加えて、終戦との考えから部隊の幾つかは、帰還し、緊張感もなくなっている。


しかし、テッサリアとしては現状を打開するために、第二防衛線の撃破に移るはずです」


「士気が緩い状態で兵を動かすのか? 」

「それも我々が降伏した狙いの一つです」


一拍。タツマが沈黙して、話を続ける。


「砲撃陣は樹林帯中なので衛星からは確認が難しい。 攻略には、樹林帯での攻防になる為それなりに手こずると考えます。といっても、嫌がらせ程度で彼らを叩いた後――」


「撤退か? 」

「はい。今設営中の第三防衛線(ドルサ地方)まで後退です」


「兵もモヤモヤしているが」


「暴れるのは最後です。 引き続き規律の徹底をお願いします。 決戦の場面はあります。 そこで兵力不足で返り討ちでは、作戦が台無しになるので、いまは、命を大事にで、お願います」


「了解した」

「結構です。 では、作戦を開始しましょう」


                     *


テッサリア軍に動きがある。おおよそ1000人の規模の威力偵察部隊が結成され、シティ地区から兵力が、続々と樹林帯に入っていく。


といっても、容易に森に足を踏み入らせる気もない。 出撃直後に分厚い砲撃が襲い掛かる。

出鼻を挫く作戦。 集団で出撃したのが裏目に出たようで被害が発生する。


一時撤退するテッサリア軍。


タツマからの指示が飛ぶ。


≪迎撃部隊。撤退の準備だ! 事前の作戦通り、敵が出てきたら挑発しつつの撤退だ。 奴らには樹林帯の奥まで誘導し、こちらの地雷原に誘い込む。 撤退時に地雷原に巻き込まれるなよ。 それと、シティ地区からの砲撃がある。 こちらの野戦砲にも近づくなよ ≫


テッサリアの第二陣として、バトルタンクが登場する。鉄壁の防御と圧倒的破壊力を持つ兵器である。

樹林帯に侵入するため、ゲリラ戦も予測しているのだろう。


こちらかの徴発的な攻撃は、予想通り相手には効果がない。それに気をよくして続々となだれ込んでくる。 こちら(プロメンテ解放戦線)の陽動に上手くのり、樹林帯の地雷原での爆破に巻きまれ被害が発生する。 その様子をモニターで確認するタツマ。


「良い具体にもたついている。 結構だ。 次はシティ内からの支援砲撃だろう。 アルプ。 執政官庁舎を爆破する。 準備しろ」


恐らく最初の迫撃砲の煙を衛星で確認しているはず。そこに攻撃してくるはずだ


「おいおい、執政官庁舎っていいのか? 」

シメリア(鉱山都市)の頭目が不安そうに質問してくる。


「戦後に必要なのは、国民へのインフラだ。 執政官の執務は、小屋でもできるだろう? 」

「まぁそうだけど」


グルジョ氏が進言する。

「やってください。 庁舎程度、国民の生活に関係ない。私は橋の下でも業務をやり通します」


「了解」


シティ地区内から砲撃が開始される。先の砲撃で野戦砲の位置が、衛星写真から割り出されているようで、こちらの兵器が次々に破壊されていく。 それと同時にタツマの指示が飛ぶ。


≪発破! ≫

爆音と伴に執政官庁舎が破壊される。


「さてと、こちらの被害は?」

タツマが、アルプ質問する。


『野戦砲が20基やられました。 流石、テッサリア大した精度です。予想より進撃は早い可能性があります』


「やはり侮れる相手ではないですね」

グルジョ氏が改めて敵の練度の高さを認識する。


「そうだ。テッサリアは我々より遥かに強い。さてと、後は自動兵器に任しておこう。

我々は、第三次防衛線(ドルサ)まで撤退だ」


「了解だ! 白翼」

シメリア(鉱山都市)の頭目が、白いコンバットスーツとトークンの後についていく。


その姿を見て、グルジョ氏が再度認識させられる

(こいつ戦に慣れ過ぎている。こんなのと戦っていたのか)


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