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たからもの

作者: 祁答院 刻

たからものが欲しい

肌身はなさず持って歩くたからものが

遠慮のいらないたからものが

からだ一つで飛び込めるあたたかいものが欲しい


けれどぬいぐるみはホコリを被る

バッグに付けた目印は 私と一緒にけずれていく


怖くて 買ったばかりのノートには嘘ばかり

幼い子の

くたくたのブランケットがまばゆい


買い替えて 新品は神経質に拍車をかけ

今日も石けんに助けられた 懲りもしない


さびしいのに

人と並べば 光がさえぎられるのが耐えられない

一人では日なたで 胸が割れるほど息を吸う


布団に入り いずれの自立のことを思う


椅子によりかかる時間は 悶々と悩む


いよいよたからものが欲しい

留守番中の底冷えをまぎらわすための

あたたかい あたたかいものが 今度こそ

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