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ふたりで灯す、やさしさのかたち  作者: 流浪の旅人
第2章 ふたりで、ゆっくり歩き出す — “やってみたい”が、芽吹いた日
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100.この想い、ちゃんと返すから ― 姉が仕込んだ“合図のコメント”

スマホを開いて、@trace_nao の最新投稿を読んだ瞬間、

ことりの指が、そっと止まった。


「“照らす”って、

実はすごく静かな行動なんですよね。」


「この投稿も、どこかで誰かをそっと照らせますように。」


その一文に、ことりの目がじんわりと熱くなる。


(……わたしの言葉、受け取ってくれたんだ)


嬉しさと、温かさと――

そして、胸の奥に芽生えたのは**「返したい」**という想い。


(この“ふたりだけのやりとり”が、

ずっと続いたらいいのに……)


ことりは、コメント欄を開いた。


深呼吸をひとつして、

静かに、想いを言葉へと変えていく。


「“照らす”という言葉を、

こんなふうに受け止めてくださって、

胸の奥がじんわりあたたかくなりました。」


「そして、

やさしく照らされたことのある人が紡ぐ光って、

また誰かを包んでいくんですね。」


ここまでが、誰が読んでも美しい“表の言葉”。


でも――

ことりは、その最後に“ふたりだけの合図”をそっと添えた。


「今日の写真、

夕暮れの空に“まるで木漏れ日”みたいな、やわらかさを感じました。」


「私も、そんな光を少しでも分けられる人になれたらいいな。」


“木漏れ日”――

それは、尚人が語った“静かな光”に呼応する、ことりの“返歌”。


(気づいてくれるかな…)


ポン、と投稿ボタンを押したあと、

ことりはスマホをそっと胸に抱いた。


(まだ正体は明かせない。

でも……これでまたひとつ、想いが届いた気がする)

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