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0009 魔王の物語り9話と10話のあらすじ

起稿20240620

起項20240707

改稿20240712

0009 魔王の物語り9話と10話のあらすじ


9話目

主人公領の防衛用砦 将軍目線

作戦の練り直しから一夜明け、あまり良い手ではないが、攻め手を3つにして相手の出方を窺うことにした。昨夜の間に隣領の領主には伝えてある。比率は違うが軍を3つに分け、上手くいけば壁を乗り越え砦に潜り込む算段だが、それが出来そうなのは空堀からだけだろう。

相手も読んでいる可能性が高い。慎重に行くべきだろう。


隣領の領主は軍の半分を与え、正面から好きなように攻めさせる。ここの効果はほぼ無い。相手の戦力分散が目的だ。

ごく少数の精鋭で、切り立った山側に登って上から弓を射かける。

ここに潜んでいる可能性もあったが、偵察でいないことは確認している。ただ砦に飛び移るには少し遠い。助走をつけることも出来ない場所での飛び移るのは自殺行為に近いため、援護射撃と後詰めを役割とした。

残りは道中にあった分かれ道からの空堀を乗り越えるルートを進む。

相手の出方次第では一番損失が大きくなると思われるが、正面の門が異常に堅く、縄がけして登るには、壁が競り出る形になっているため足場もない。それに比べれば凹凸の少ない壁で、登るのに妨害されるだろうが、後続の援護射撃で壁の上の敵を牽制し続ければ潜入は可能だろう。


明け方。空が白み始めた頃に移動を開始。足下が暗いが松明はつけない。

壁の上のが明るいのは警戒し巡回していると思われる。


次々に空堀に下りていく兵士が苦慮しながら空堀を登って行くが、崩れやすいのか登るのに手こずっている。

何人かが対面の空堀の上に立ち、ロープを垂らして引き上げ作業を始め、今度は壁を登ろうとしたが丁寧に油が塗られている。

ここからの潜入は想定済みだったようだが、まだ気付かれてはいない。縄を壁の上にひっかけ苦慮しながらも壁をよじ登る。

ここまで奇跡的に見つかっていないのか、妨害がない。流石に異変を感じていたが、将軍はそのまま作戦を続行させる。


壁の上に辿り着いた兵から報告が入る。見える範囲で敵影無し。

そのまま、慎重に砦内を捜索させることにして、将軍は正面の門に回る。

隣領の領主は、威勢良く敵がヒビって矢の一本も飛んで来ないと高笑いして休んでいたので、門の破壊を急がせた。

援護射撃部隊は、麓に下りてきた。報告によればやはり敵影無し。見事に一昼夜の足止めをくらった形になった。

門は頑丈で壊れる様子がないが内側から簡単に開くと思ったら、内側に大量の土をかぶせたようだ。内開きの門だったのか、しっかりと門に寄りかかる形で撤去するしかない。撤去作業に手間取るだろう。

同様に、砦の先の門も丁寧に土をかぶせたようだ。こちらは外開きだったのか外に大量の土があるそうだ。

時間稼ぎであろうことは間違い無さそうだが面倒だ。少なくとも半日は取られるだろう。



王都 王宮別棟 宰相目線

夜半に急使が飛び込んできたと報告があり、会うことに。将軍からの使者だ。

使者が書状を取り出し受け取る。

宰相閣下もご承知だと思われますが、と前置きをして、王の指示の下、将軍宛ての指示で、隣領の領主の軍勢を伴い、主人公領の殲滅を行うよう指示が出た。女子供まで手にかけるようあったが、流石に残酷すぎるので、なんとか王を説得して占領で済ませてもらいたい。と書かれている。


夜半とはいえ、あと数時間もすれば陽が昇る。

叩き起こしてでも問いただすつもりで、伝令に労いの言葉を掛けて退室させると、護衛を引き連れて王の寝所に向かう。


近衛に緊急事態のため、王を起こし、相談したい旨を伝え、中に入った近衛が帰ってくるのを待つ。

なかなか帰ってこない。

寝起きが悪いのか、駄々をこねているのかは知らないが、静かなものだ。

もう一人に中の様子を確認させるが、居間にはいないらしい。

緊急事態であるとして中に入ろうとするが、近衛は扉を死守する。

任務に忠実なだけで悪気がないのも解るため、中に入らないとして、扉を開けさせた。宰相からでは人が見えない。

「緊急事態のため、失礼する。即刻起床され対応していただきたい。」

自分でも思いの外となる大きな声が出て驚きつつも、奥から寝間着姿の王が現れた。

一体何事だと怪訝な顔で問われ、そのままで結構なので、執務室にと促すが、部屋から出ようとしない。

我が国の存亡の危機ですと睨みつけて促すとようやく近衛と共に部屋を出た。


そのまま向かいの執務室に入る。

机の奥の椅子に腰掛けたところで、問いただし始める。


まずは主人公領への侵攻指示を行ったのか。

指示をしたかどうかは答えず、戦果はどうだと聞いてきた。指示を出したのは間違い無さそう。


女子供まで惨殺するよう指示したのか。

目を見開いてから視線を逸らし、場合によってはやむを得ないだろうと口ごもる。

指示しているだろう。


何故、主人公領へ侵攻する必要があるのか。

あれ(主人公)の影響を受けた者など信用できない。領民共々血祭りに上げて見せしめにするぐらいで丁度良いと。後先は考えていない様子。


今回のことで、反旗を翻す輩が多数出た場合の対処はどのようにするのか

奴に味方は無い。私の命令に逆らう者などいるはずが無い。


何処からその情報を仕入れたのか?

私にだって独自の伝手ぐらい持っている。


私(宰相)に相談せず、独断で軍や諸侯を動かした理由。

私(王)は、王だ。それ以上の理由が必要か?


例え聡明とは思わずとも、先代に恩義を感じて仕えてきたが、ここまで愚かだったとは……。


質問を続け、反論もせずに聞き、ため息つくと、宰相は静かに退室した。

王が呼び止めたが、この際どうでもいい。

今の立場を使う必要がある。

近衛が追いかけて来るかとも思ったが、そんなことも起きない。好都合だが愚かだ。

護衛を傷つけずに済んで何よりだと、安堵しつつ、護衛に馬車の準備と、1週間分の食料を10人分ほど用意するように指示して、自分は歩き続けた。


これからが目に見えて失墜するであろう。

王の周りが王の好む者に変われば、失墜は加速すれども減速することはないだろう。


今回のことで危機感を持つ領主は少なからずいるだろう。身の振り方は悩ましいものだ。

好機とみて領地を増やそうとする者もいるだろう。

内戦は避けることは出来まい。

そして、周辺諸国は内が乱れているのを傍観するほど優しくはない。

山間部から領土を削られ、海に追いやられる未来しかみえない。


考えに耽っているうちに地下牢に着いていた。

牢番に中に入ることを告げ、主人公の場所を聞く。

先導してくれることになってついて行くと、牢の奥で地べたに座る主人公がいた。中に入ると言うと、戸惑いながらも牢の鍵を開けてくれた。



10話目

王城地下牢 主人公目線


足音が複数して目を覚ますと、誰かが来たことは判った。

国外追放の執行かもしれない。


顔を上げれば宰相がそこにいた。

宰相に声をかけられ、体調を問われたが、特に不調はないことを返す。

称号効果の状態異常無効が効いているのか、特別苦しくもないのだが、感情の起伏も状態異常と認識するようで、牢に入ったときに落ち込んだはずなのに、ガイドと念話で会話した辺りでどうでも良くなっていた。

少し前ならば、怒りや不安で、その日のウチは感情を起伏させていたかもしれない。

次の日には平静でいる自信があるので、そこまで変わった訳ではないかもしれない。


牢から出すことを告げられ、可及的速やかに移動することになるとして、服装はそのまま、まずは馬車で移動中に今の状況を説明すると言われて、主人公は立ち上がり、まずは牢を出る。

会話もなく無言のまま外に出る。宰相の護衛と思われる兵士が馬車を準備していて、馬車に乗るように宰相に指示されて馬車の中に入る。


まだ時間が掛かるとして、宰相が馬車に乗り込むと、手始めに謝罪された。

戸惑う主人公に、主人公領へ王が侵攻を指示して、すでに将軍と少数の精鋭兵士と隣領の兵士が少なくとも防衛用砦には攻め始めていることを宰相が告げる。


一刻も早く向かわなければ


主人公が立ち上がると、慌てずとも共に向かうと請け負ってくれた宰相。

だが、主人公は魔王という称号には、魔王という特性上の特殊な称号効果があることを打ち明ける。


それを理解したのは、兵士の訓練視察の時。

魔法技術の練習方法を試し始めた頃。

剣術訓練をやっている区画に行き、少し手合わせすることになり、手合わせが始まった途端に強制転移が発動。

手合わせする相手と自分(主人公)が、どういう訳か謁見室に強制転移された。

二人だけで、他には誰もいない。

出入り口は完全に閉ざされていて、呼びかけても外からの反応もない。

困り果てていたときに気付いたのが、横に長い棒状の線だった。


色々試して判明したのが、攻撃を受けると減るということ、ガイドはゲーム上。魔王は倒されないといけないが、本当に死んでは他のプレイヤーが魔王と戦えないので、その対応策として、一定のダメージを与えると魔王を倒したと認識されるようになっている。

発想を転換すると、一定のダメージを与えないかぎり戦闘が終われないので、この監禁状態から抜け出せなくなるという仕組みを説明されたのだが、実際になってみるとかなり厄介だ。


自虐的に自分を攻撃するのもそうだが、痛めつけられないと監禁から解放されないって、なんか嫌だ。

そんなことを言っても始まらないので、とりあえず真面目に訓練をしてから、兵に休憩してもらいつつ、後ろを向くようにお願いして、空間属性の魔法で心臓の辺りを勇気を振り絞って取り除いた。

暗転して気付くと取り除いた胸は、普段のままで執務室で椅子に腰掛けていた。強制転移せれると自動的に分体を生成するそうで、分体は執務室にいたらしい。

急いで謁見室に向かい兵士に変わりが無いか確認すると、解放感からか、兵士と喜びを分かち合ったのは忘れられない。


その後、この効果に対してガイドに確認しながら、条件を確認できた。

条件は、シンプルに戦うこと。

強制転移前に互いに戦う意思があること。

魔王である主人公の前にいること。

強制転移先は、指定した椅子のある場所。

戦闘後の強制転移先は、指定した椅子のある場所。指定した椅子が移動した場合、移動した先に転移されてしまう。

ちなみに相手は、部屋に入りきれない人数でも部屋に押し込められる。

魔王である主人公は、分体と本体の立場が変わるため、分体の場所に転移する形になる。

一度は戦闘後に怪我人が出そうになった。

相手がプレイヤーだった場合は少し変わるようだが、今はどうでも良いだろう。


説明を終えると、宰相が呆気にとられた顔をしていて、呼びかけると通常の顔に戻る。正気に戻ってなによりだ。

まず宰相は危険では無いのか確認して。

問題ないと返答。強いて言うならば、椅子の場所が謁見室にあるはずなので馬車を表に出すのが大変なくらいだ。

宰相は食料を集めている者達を集めることにしたようだ。

まだ陽が出てからそれほど経っていない朝方。人通りは少ない。


流石に王都の外まで歩くと意外に距離があるので、この王城の中庭から向かうことにしたようだ。


準備ができたことを確認すると、宰相にも伝えた方法を兵士の方々にお願いする。

宰相に突撃の発声をお願いして、主人公に真面目に戦いを挑むようお願いした。


各自疑問符がついているが、真面目に戦いを挑んでもらわないと発動しないことを念押しする。

真偽はやればわかるので、そこだけだ。


宰相が右手を挙げる。「突撃」鬼気迫る声に自分も立ち向かおうとすると、強制転移が発動した。

ブレスレットが消える。分体が本体になったのだろう。

場所は変わらず謁見室だ。宰相以下7名。全員こちらに転移できたようだ。


戸惑う周りを宥めて、あまり長居すると行動しにくくなるので、少し失礼しますと一言伝えて、サッサとこの場所から退散するために心臓を空間転移させると目の前が暗転した。



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