0006 3話と4話のあらすじ
起稿20240620
起項20240703
改稿20240705
0006 3話と4話のあらすじ
3話目
数日が経ち、ガイドから聞いた練習方法を伝えると、新しい玩具を見つけたように習得を目指し始めた人が増えた。
また、大々的に種族に関する聞き込みを行ったり、変化の確認と魔法の訓練に勤しむ。
で、聞き込みを行った結果、不思議なことに我が領地は魔人族がほとんど、ガイドに言わせると魔王の膝元で人族になる方が難しいらしい。それと経緯は様々だが、獣人もいる。ただ、口が人と異なるためか、言葉での会話が出来ない。ガイドに確認したところ、念話という手段はあるらしいが、こちらもあちらも慣れていないため、要観察だ。ガイドの話では人ほど音によるコミュニケーションをとることがないので、音によるコミュニケーションをとってきた動物たちの方が会話という観点では成立しやすいらしい。また、集団生活する習性のある動物の方が、色々な意味でコミュニケーションをとりやすいだろうとのこと。まぁ要観察には変わらないけど。
周辺地域は動きがない。このまま諦めてくれれば良いが、今までの傾向で、それは無いだろう。
今回に至っては戦を起こす理由さえも無い始末だ。
正直、隣領から攻撃を受けたので、抗議も兼ねて王に謁見とまでいかなくとも、軍部辺りには相談に行きたいところだが、ガイドが煩い。
戦場から帰ってすぐに王都の様子伺いのために代官へ伝令を走らせたが、そちらも音沙汰が無い。
何事も起きていなければ良いのだが……。
王都。宰相目線
机には一枚の様子伺いの紙。王はすでに主人公が魔王となったことをガイドから聞き知っていて、宰相と将軍には伝えていた。
宰相と将軍を交えた会議。
この王国は、周囲の国と比べると、若干軍事力に難がある。
世界の敵という称号効果に対して懸念を示し、なんとか排除したいと口にする王。宰相は一方的な断罪は避けるべきだと主張するが王の反応は良くない。将軍にはこの国の周辺国の状況の確認を行う。
天の声が聞こえた日、主人公の領地へ軍事侵攻していた主人公の隣領の領主やその他2箇所の近隣国に接する領地の領主に軍事的な負担となるものの協力を取り付け、急場に関しての協力を取りながら、後で協力をしてもらった分を補填する約束を交わしたことを告げ、対周辺国の軍事的防衛の準備は着実に進んでいることを報告。
ただ近隣国にこちらから戦争を仕掛けるようなことは、大義名分も無いので避けるべきだと報告する。王も新技術に対する警戒であって、近隣国と揉めるつもりはないと明言し会議は終わる。
着々と防衛準備が進むことは大切なことだと思うものの、王の主人公への対応が気になる宰相だった
4話目
王たちが密談交わしていたその頃、そんなことが行われていることに気付けるわけもない主人公は、ガイドの協力の下、徹底した防御力強化に魔法を組み込もうとしている。
理由は資材の少なさと即効性であること。
基本的にはその場しのぎのため、本格的な防衛強化となると、適所の把握から設計、資材の調達、施工と時間もお金も掛かる。
その意味で魔法で周辺にあるものを活用しつつ、ある程度の形になってくれるので、緊急時対応としては申し分ない。
空間属性の練習も始まり、空間属性の適正者が複数人現れた。空間属性は、他の属性と異なり、空間を操る技術。空間に出入り口を作り移動する瞬間移動。想像の空間に物を保管する保管室の作成。攻撃的なもので言えば、空間を削ったり、奪って、そこにあったものを消失させるというものもある。どこに消えたのかガイドに聞いたが、その方法だと削り取ったものは形自体を維持出来ないので、分解し、崩壊しているという。
魔法技術の訓練が進むにつれ、逃走経路の模索と城の地下に個室を大量に設ける案を採用し、避難所作成計画を立てる。
日に日に魔法を上達させるものや威力や効力の向上を研究したいと言い出す者、燃料費をケチろうとして魔力の枯渇に陥ったものが出るなど、様々なトラブル対応に追われたが、新しい玩具を手にしたみんなの反応が楽しい。
幸いにして魔力が枯渇しても死ぬことは無さそうで、死傷者は出ていない。
研究チームを作るとしても、今の場合、希望者が多くなりすぎる。元々研究者だったものをスカウトすることも視野にいれようかと検討を始める。
1週間が経とうという頃には、兵士の中で特に上達の早い者などを特別に集め、各部隊に配置するなどして日々を過ごしていたところ、王より登城するよう通達がきた。
ガイドは行く必要が無いと駄々をこねたが、これを拒否することは出来ない。
それこそ反逆の意思ありなんて判断されれば命取りだ。今後についても話し合う必要もある。
得てしまった称号についても、包み隠さず話すべきだろう。
ガイドは色々とごねたが、王との謁見を行う意思を示し、スキルによる分体を執務室に留守番させて明日の朝から王都に向かうことにした。
謁見は4日後。
王都へは馬車で2日。明日の出発でも1日の猶予がある。供回りや留守中のことを打ち合わせ早めに眠りについた。
王都 宰相目線
主人公の下に王への謁見を促す通達はもう着いただろう。
何事もなければ、あと2日もすれば王都に着くことになるだろう。
気が重い。
王の様子では、主人公を排除する気でいることは判る。なるべく穏便に事を運びたい。
これからを思えば、強硬手段に出れば、有志足る者が王家から離れていくであろうことが想像できるだけに、押し切られてしまった場合。その状況はどうにもできない。
あれから1週間。天の声が示した変化の確認もまだ済んでいない。新技術なる魔法がどのようなものかもわからない。
同じ状況であるはずだが不安で仕方ない。
王都 将軍目線
王と宰相との話し合いで決めた対周辺国対策として、直接確認をするよう王からの要請を受け、出立のための準備を進めている。
主人公の魔王という称号について、王があからさまに排除したいと口にするとは思わなかったが、称号を得たとして、叛意があるとは思えない。
主人公とは何度か迷惑な隣領の話で相談も受けていただけに顔見知りでもある。
周辺国に接する領地のため、多少の横暴さも目を瞑ってきただけに、愚痴を聞く程度しかしていないが、誠実な印象が強い。
おとぎ話の魔王とは、印象がまるで違うのだが、天の声は何故彼に魔王の称号を授けたのだろうか。疑問しか浮かばない。