0002もし俺が魔王を描くとしたら
起項20240624
改稿20240627
0002もし俺が魔王を描くとしたら
どうしたことかよく判らないけれども、このアイデアを練りたいと思ってから、やけに気になって仕方が無い。
元々異世界モノの読み物を好んでいることやゲームを楽しんでいたこともあり、ある意味で馴染み深いテーマ。題目ではある。
こういう、やけに気になるものについては、設定を詰めていきたくなるのは自然な流れかもしれない。物語りになりそうな匂いというか。感覚がある。
本来なら、メカニカルアーマーの反省会を優先するつもりだったけれども、これは仕方ないだろう。
・設定の模索
世界の設定の候補は?
ゲームの世界。もしくは、異世界の平和な世界というのも良いかな。平和な世界がゲームの世界と同期するというのも設定としてはありだろう。
ありえない世界としては申し分ない。
物語りの目的は?
魔王をメインに置くとして、世界征服が唯一の目的では暗い物語りになりそうだ。
これでは意味が無い。できるだけ楽しい世界観が好ましい。
魔王になっちゃった主人公として、戦いを好まないくらいがちょうど良さそうにも思える。
そうなると、目的は現状維持か、共存関係か、その辺は悩ましいところだ。
現実問題として捉えるならば、ゲーム世界の魔王は、率先して世界を獲りに行っていない。
一応の膠着状態という設定で物語りが進む傾向が多い。そして、少数精鋭をもって冒険。経験を積んで魔王を倒す。
基本的に後のことは何も考えていない。
魔王さえ倒せば終了だ。
まぁプレーヤーが成長する前にガンガン攻め込んでしまうと、ゲームのバランスという考え自体が難しくなり、ゲームが成り立たないだろう。
率先して前線に立って陣頭指揮を採るような魔王ならば、人側はとんでもなく困る。
こう考えると、今思い浮かぶのは、二つのパターンだ。
今のところ見たことが無い。魔王の前線での陣頭指揮の下の魔王軍。率先して武力行使タイプと従来の引きこもり?膠着状態を利用して本拠地で構える厭戦タイプ。
ゲームが何らかの形で関与するため、後者が有力か?
いや目的を決めよう。
当面の目的としては、厭戦だろうと率先しようと現状打破が目的。まずは魔王という設定だけど仲良くしたいんです。というアピールを欠かしてはダメだろう。
現状は、どういうわけか、世界の敵認定されたこと。これを排除もしくは緩和しなくては、同族や仲間たちまでも、全滅もしくはもっと酷い仕打ちを受ける可能性がある。当面の目的としては、少なくとも停戦にこぎつけることが大事だ。
粗筋
今思い浮かぶモノを心のままに。
天の声が宣言することだろう。天の声はゲームシステムの声。
天が輝き、「ワールドオーダー ゲームタイトル〇〇の世界とこの世界の同期開始まで300秒前。299 。298。……」という宣言からカウントダウンが始まる。
ちょうどその時、砦の防衛戦闘中だった主人公(後の魔王)とその家臣団。天の輝きに目を奪われる者等もいたが、主人公(後の魔王)は、周囲の気の緩みを見逃さず指示を出す。「者共、弓を引け。開門。今だ圧せ~」と指示を出しながら、そのまま戦闘を続けつつ真っ直ぐ敵本陣に向けてひた走る。
カウントダウンはそのまま続く。砦に残った者はそのまま矢を番え弓を引き、敵に放ち続け、主人公と主人公に続く家臣団が包囲を突き抜けて行く。天の声が転機となって形成が逆転。拠点を包囲していた敵方が徐々に逃亡を始める。主人公は馬を駆りつつ、追撃を続け、もう少しで敵方の本陣に差し掛かるところでカウントダウンが終わり、その場にいる全ての生きとし生けるものが気絶した。
天の声は配役選定の終了とそれに伴うアップデートを開始したことを宣言し、その途端、惨憺な戦場は、一瞬で誰もいなくなった。それだけではなく、戦闘の痕跡自体が無くなってしまう。
天の声がする。
「アップデートが完了しました。各自の状態を通達します。個体名〇〇は、種族名:人族より派生し、魔人族となりました。また、世界称号:魔王を獲得しました。」
「世界称号:魔王を獲得したことにより、特殊技能:分体。及び、バトル死亡時の強制蘇生の自動発動。ラストバトル時の複数参戦対応として、バトル時の平行世界自動発動。状態異常無効を獲得しました。」
主人公は天の声に眠りを邪魔されて目を覚ます。
気付けばベッドの上で寝間着状態、違和感しかないまま、起きて現状確認を始めようとすると、天の声が静かになった。
いつも起こしにくるメイドも、小言を言う執事もいない。
姿見を見ても特に違和感はない。
とりあえずここまで、もう少し煮詰めたい。