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0016 魔王の物語り改め幻想風味の世界より21話と22話のあらすじ

起稿20240620

起項20240811

改稿20240814

0016 魔王の物語り改め幻想風味の世界より21話と22話のあらすじ


21話目 街の代官宅 伯父目線

少し時間が戻る。


水の精霊に促され、仕方なく従業員に先触れとして代官に向かうことを告げさせて、身奇麗にして代官宅に馬車で向かう。

短い距離だが、形式を重んじるところがあるので、馬車を使うことになる。まぁ、営利的な盗人に目を付けられることもあるので、この服装だと致し方ない。


代官は品行方正を絵に描いたような曲がったことを嫌う好人物だが、いかんせん。手順やら上下関係等に厳しい印象がある。こういうせっかちな案件だと、何かと手間取ることが多い。

反面、それさえ乗り越え、正当性がハッキリとしていれば、かなり思い切ったことにも寛大で迅速な対処をしてくれる頼もしい人物なんだが…。

今回はどちらに転ぶかは判別出来ない。

こんな荒唐無稽なことが四六時中起こるなんて想像もしたくはない。というのが感情の大半だけれども…。


代官宅への道中。こちらの御者に気付いたのか、先触れとして行かせた従業員が近寄ってきた。

御者に受け答えさせたところ、到着後すぐに会ってくれることになったらしい。

珍しい。慣わし的には1時間ほど待たされるはずなんだが、代官側にも何かあったのだろうか。


とにかくすぐに会ってくれるなら有り難い。

到着すると、代官の執事が出迎えてくれて、挨拶もそこそこに中に導かれた。

伝説的動物である龍というもののインパクトなのか、別の何かなのか、代官宅の応接室に入室すると先客でもいるのか、歓談中のようだ。執事は構わずノックして中に伺いをたて、執事に導かれて中に入る。


よく来たなと声をかけてきたのは、義理の兄。この領地の領主。驚きを隠せないが乗り切るしかない。そして、その隣には実の姉。夫婦で来てたのか。

その向かいの席には、この街の代官が座っていた。

歓談中に失礼致しますと挨拶を始めると、代官が緊急の要件があると聞いたがと、挨拶の途中で話を促してきた。

それではと、先ほど起きた話を要点だけで話す。

水の精霊と名乗る者が現れ、海に住む龍の要請を受け、漁業について交渉がしたいと打診があり、この街の代表者と話し合いたいという要望から、その旨を受け、まかり越しました。と告げると、具体的な交渉内容は?と領主から質問。


水龍からの要望は、住処に錨や漁具の仕掛けなどが掛かることにより、睡眠の妨げや移動の妨げになるとして、これをなんとかしたいそうです。と水の精霊の話した内容を伝えると、代官が、何処まで信じられる話なんだと質問してくる。


私に話してきたのは水の精霊で間違いないことを私の甥が認めていましたが、それを疑うとしても、雨の中、どこも濡れることなく近付いてきた少女を目の当たりにし、自分の想像を超える何かが起きていると実感していると答え、様子を伺うと、直接水龍と交渉する形かと問われた。


水の精霊の話では、龍とは声を発声する事による会話が難しいので、念じて意志の疎通を図る念話という技術が扱える人間を通訳として挟み、交渉を進めたいとのことでしたが、これについては、私の甥が扱える技術であり、問題無いと思われます。


なるほど、伝説の龍が実在するとはな…。と背もたれに体重を預けた領主は、天井を見上げている。

顔を引き締めると私が応じようと領主が告げ、交渉の場は、領民が目に出来る場が望ましいかな。と、領主が代官に顔を向けると、代官は、相手側が海に住むということでしたらば、港であれば、御希望に添えるとは思いますが、何故領民の目に出来る場所をと問うと、

領主は、誰もが龍を目にしたことがないことにより、領民の目に出来ない場では、領主の無理強いとして受け取られかねないこと。

また、約定を成したとして、領民が証人となれば、伝説に沿うものならば、少なくとも龍を目にした者が、逆らおうとは思うまい。とし、約定破りをした者に限り、いかようにしても、こちらは避難しないとすれば、下手に逆らおうとはすまいと締めくくった。

何にせよ。現状の把握が必要ですなと代官も頷いている。

では、いつ頃を会談の日と定めましょうかと問うと、領主は5日後の昼としようと定めた。

承知しました。それではこの胸を水の精霊に伝えて参りますと、畏まって退室しようとすると、甥御さんは、心身ともに健勝ですか?と姉が問いかけてきた。

ここでは砕けた会話は出来ない。お蔭様で健やかに過ごし、これからを見つめておりますと返答すると、目を閉じてから頷き、差し出がましいですがと前置きをして、今回は甥御さんにも通訳として役立っていただかねばなりません。大役となりますが、心配りしていただければと思います。と話しかけてきたので、寛大なるお言葉を必ず我が甥に伝え、御期待に添えるよう尽力させていただきますと結ぶと、姉は足を止めてしまったことを詫び、退室を促してくれた。


執事の開けてくれたドアを通り部屋を出る。

まずはこのことを水の精霊に伝えねばと歩き出した。


22話目 伯父の店内 主人公目線

伯父から領主達からの伝言が伝えられ、水の精霊が帰宅?した後、伯父と主人公で、今後について話し合う。

まずは船出は少なくとも5日は延期。これは確定で、予備日も考慮して1週間延期することになった。

その間、実際に交渉することになる領主様の指示による調査は確実に受けることになる。

すでに伯父は領主夫妻に面会しており、伯父からすると姉にあたる領主夫人にも、通訳をしてもらうから配慮するよう釘を刺されたらしい。

王から主人公に干渉しないように命令が出ているはずなのだが、あの口ぶりだと該当の人物と知らないことにして、偶然であるという建前を盾にする気満々なんだろうなと伯父も呆れていた。

代官も領主夫婦と伯父が縁戚関係であることは知っているそうなので、建前を盾にしている意思表示を受けて、何も言わなかったんだろうとのことだ。


具体的に何を調べるつもりなのかを伯父に問いかけたが、相手が伝説的動物。幻獣の龍なので、ここら辺での目撃情報や、それを基におおよその龍の住処を割り出す下調べや、漁業組合との想定範囲内での譲歩案の作成や譲歩限度の模索と情報共有なども行うだろうから、5日では足りないくらいの日数になるという。

伯父が退室してから動き出しているだろうとして、すでに手配して方々に人を派遣しているだろうし、期日をこちらから出した手前、交渉自体が延期になることは無いだろうとのこと。

流石、領主様ですねと言ったら、お前もやってたんだろうがと呆れた顔をされてしまった。

安心しきっていたら、あの様子だと明日にはこの店に来るぞと注意されながら、主人公は二人の護衛や船乗り達と情報共有するべく、船の方に向かった。


相変わらず雨が降る中、帆は畳まれ、しっかりと港に固定された船。外から呼びかけると、船員が顔を出して手を振って何かあったかい?と問い返してきた。出発が1週間延びそうだと告げると、あ~い。と軽く応え、あぁ船長なら酒場だよ~と教えてくれた。

礼を言って歩き出す。


酒場の並ぶ通りに入ると、相変わらず賑やかで、そこかしこで大きな声が聞こえる。

さて、船長達はと探していると、比較的近い酒場でテーブルを囲んでいる船長と自分の護衛二人を見つけて、入店する。

どうした?と問う船長に出発が1週間延びたことを伝えると、まぁ仕方ねぇなとあまり気にした様子でもなく、昼食を飲み食いしだした。

若さんはどうすると言われて、このまま出るわけにもいかず、席について昼食を共にすることになった。


自分の護衛二人は、今日は船長の下で船員見習いをしてもらっていた。今はちょうど昼食で、交代で食べに来たらしい。

二人はなかなか筋が良いぞと褒めながら、豪快に食べる船長。

護衛二人は、1週間延びた理由を聞いてきたので、今回の経緯を話していたら、船長があの噂は本当だったんだなと呟いた。


船長の話では、町から少し南に行ったちょっとした湾部で、巨大な魚影を見たという話や、馬のような長い顔が海面を移動していた話を噂として聞いていたらしく、肝試しに見に行こうかとしていたらしい。

単純な興味もあるが、運航の障害になるようならば、大回りをする必要もあるので、確認はしたかったようだ。


今回は漁業関係との交渉だが、派生として交易路の変更だって考えられる話。船長だって他人事ではない。もちろん。伯父だって関わってくる話となる。

俺も噂を集めてみるよとすでに食べ終えてゆっくりお酒を流し込み、おかわりを店員に要求していた。

それにしてもと話は続く、船乗りで龍に逆らうようなのは、まずいないだろうという。

巨大なタコやイカが船を壊す話や、大津波を起こす龍の話は有名で、子供に聞かせる教訓話としてなら誰もが知る話らしく、この三種は畏怖の対象らしい。

大昔なら不漁が続くと生け贄の儀式なんてのもあったそうだ。

どこまで信じているかは別にしても、敵わない対象としての意識が強いらしい。

どんだけ背伸びをしても、叩き潰されるのがオチだろうと思ってしまうらしい。

だが、そんな伝説の龍が港に来るなんて港の連中が知ったら、仕事なんか放っておいてでも、間違いなく見に来るだろうと断言した。

随分と厄介な事に巻き込まれたようだ。

今更ながら、実感せずにはいられなかった。




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